尿素窒素とは、血清成分からタンパク質を取り除いた残りである残余窒素の30〜40%を占める成分です。生命活動のエネルギーとして使われたタンパク質の燃えかすとして生じるアンモニアを無害化するために、二酸化炭素と結びついた結果できたものです。
尿素窒素の検査で何がわかるのか?
尿素窒素は腎臓から尿に排出されますが、腎臓に障害があって十分に排出されないと、血液中に増えます。そのため、腎機能が正常に機能しているかを知るための重要な指標になります。
どのような検査か?
血液を採取し、分析器で測定します。
尿素窒素の基準値
尿素窒素の基準値は8〜21mg/dlですが、次のような変動がみられます。
- 食事による変動…食事の内容によっても、測定値は変動します。例えば、腎糸球体の濾過値が50〜60%のとき、高たん白食120gをとると尿素窒素は35mg/dl、80gの普通食では25mg/dlとなります。また、40gの低たん白食をとった場合は、尿素窒素の基準範囲内といった具合です。
- 性別による変動…成人男性は、女性よりもやや高めになります。女性の場合、生理の直前には値が上昇し、妊娠後期には低下します。
- 年齢による変動…生後5〜6か月の乳幼児の値は低く、1〜6歳で成人の値に近くなります。50歳以上になると、年齢とともに尿素窒素は増える傾向がみられます。これには、腎機能が生理的に低下して、全身の体液量が低下し、腎臓内の血液に影響を及ぼすためと考えられています。
- 季節による変動…夏や冬は高く、春や秋は低い傾向にあります。このほか、運動、下痢、嘔吐、発熱などの後では高めになります。
検査結果の判定
基準値を超えていたら、腎機能を調べるための様々な検査をします40mg/dlを超えたら腎不全が考えられ、さらに100mg/dl以上になったら尿毒症の起こる可能性が高く、かなり危険な状態です。。
異常があったらどうするか?
異常値が出たら脱水、発熱、貧血、常用薬の有無などを検査して、後日再検査します。同時に、尿タンパクや、尿沈渣、クレアチニンなどの検査を行ない、診断の参考にします。
その他の一般検査でも異常値を示して腎臓の病気が疑われるのであれば、腎機能は正常の30〜40%に低下していると考えられます。
尿素窒素は値は、基本的には尿素の生成と排泄のバランスで決まりますので、たん白摂取量、たん白代謝機能、腎機能の3つの因子が深く関連しています。したがって、この値が常時50mg/dlを超える場合は、腎不全を起こしているとみてよいでしょう。
腎不全や脱水では尿素窒素の排泄障害により、また高たん白食の多色や感染症、糖尿病、がんではつくられる尿素窒素の量が増えて高値になります。
肝不全や低たん白食の持続では作られる尿素窒素の量が減り、また尿崩症では排泄される量が多くなって低値になります。
異常な場合に疑われる病気
腎不全、閉塞性尿路疾患、脱水、糖尿病、肝不全、高(低)たん白食摂取、甲状腺機能亢進症など

