病院の検査の基礎知識

難聴の場合、中等度以上になったら補聴器が必要になります

音は空気の振動で、音波として外耳道に入って鼓膜を振動させ、耳小骨から内耳に伝えられます。さらに内耳では前庭や三半規管と呼ばれる器官から神経により脳に伝えられます。

伝音・感音難聴の有無を調べます

聴力検査とは、外耳から耳小骨までの間に原因がある伝音難聴や、内耳から脳までの間に原因がある感音難聴の有無を調べる検査です。伝音難聴は中耳炎が、感音難聴は先天性難聴、耳下腺炎、ウイルス感染症、聴神経腫瘍などが原因となります。なお、内耳の異常を調べるために、骨伝導検査が行なわれることもあります。

聴力検査はどのような検査か?
防音室に入ってヘッドホンをつけ、聞こえる方の耳から片方ずつ調べます。オージオメーターという機械から発する音を聞き、音の大きさ(単位はデジベル=DB)はどのくらいのから聞こえ始めるか、音の高低(波長、単位はヘルツ=Hz)はどの範囲から聞こえるかを調べます。

単純な音について調べる純音聴力検査と、「い、ろ、は」などの言葉を調べる語音聴力検査が行なわれます。次に、伝音難聴か感音難聴かを調べるために、骨導イヤホンを耳の後ろ側の骨につけて調べます。検査にかかる時間は20〜30分くらいです。

検査結果の判定

  • 軽度の難聴(30〜50dB)…(1)普通の会話には不自由しない。ささやき声や小さな声が聞き取りにくい(30〜40dB)、(2)会議の場では聞き取りが少し困難となる。1対1の会話には不自由しないが、聞き違えが多くなる。(40〜50dB)
  • 中等度の難聴(50〜70dB)…会議の場での聞き取りが困難となる。1mくらい離れた大声はわかる。
  • 高度の難聴(70dB以上)…(1)50cm以上はなれると会話が困難(70〜80dB)、(2)耳にくっつけるようにして話さなければ、会話の聞き取りができない。(80〜90dB)
  • 全聾(100dB以上)…会話が全く聞き取れない。

異常があったらどうするか?
難聴の場合、中等度以上になったら補聴器が必要になります。めまいをともなう人は平衡機能検査を行ないます。病気のある人は、原因を確かめ、その治療にあたります。

異常な場合に疑われること
難聴(老人性、中毒性、内耳炎、中耳炎、外傷によるものなど)、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など


 
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