尿タンパクとは、尿の中に含まれているタンパクの総称です。タンパクは、栄養分など各種物質を運搬したり、病原体に抵抗する抗体を作ったり、代謝や体の働きのバランスを保つなど、多くの役割を果たしています。
このタンパクは腎臓の糸球体と呼ばれる部位で濾過されますが、尿細管という部位で再び再吸収されて血液中に戻るため、尿に含まれて排泄されることはありません。あるとしてもごくわずかの量となります。
尿タンパクを調べると何がわかるのか?
腎臓に障害があると、タンパク質は尿細管で再吸収されずに、尿中に漏れ出てしまいます。
また、尿管や膀胱などに異常があって出血したりする場合でも、血液中のタンパク質が尿に混じってしまいます。こうしたことから、尿タンパクの検査は腎臓や尿管などの障害の有無を調べるために用いられています。
尿タンパクはどのように検査するのか?
検査の方法には、尿にタンパクが出ているかいないかを試験紙や試薬の変色の度合いで調べる定性検査と、1日分の尿に含まれるタンパク量を調べる定量検査があります。
検査を受けるときの注意
- 尿は、出始めと終わりを除いた中間尿を採取します。特に女性の場合、外陰部の汚れや膣の分泌物が混入することがあるので必ず守ってください。
- 他の雑菌が入らないよう、採取するコップの中には指を入れないでください。
- 飲食に関する制限はありませんが、検査当日の激しい運動は控えてください。
基準値
- 定性検査…陰性(-)
- 定量検査…1日あたり100mg以下
検査結果の判定
定性検査で試験紙や試薬の色が変わる疑陽性(±)、または陽性(+)となった場合や、定量検査で1日の尿タンパク量が100mg以上なら、異常値です。
考えられる主な病気は腎臓・尿路系の機能異常や尿路感染症などです。
本態性高血圧症による腎硬化症の多くは、尿タンパク検出量が1日300mg以下ですが、ネフローゼ症候群では1日3g以上も検出されます。慢性・急性腎炎では、1日の尿タンパクが0〜数十gとさまざまです。
また、腎機能に問題がないのに検査では異常値を示す良性のタンパク尿には、以下のようなものがあります。
- 起立性タンパク尿…寝ているときの尿には異常がなく、立った時の尿にタンパクが出ます。これは背骨が腎臓を圧迫するためだと考えられています。治療しなくてもほとんどが自然に治ります。
- 熱性タンパク尿…風邪などで高熱が出たときにみられ、解熱して回復期に入ると治ります。
- うっ血腎…心不全などの病気がある場合には腎静脈がうっ血することがあり、それが原因で尿タンパクが出ます。うっ血が治ると正常値に戻ります。
異常があったらどうするか?
異常値が出ても1回の検査だけでは診断が確定せず、複数回検査を重ねます。
それでも異常が認められれば、おもに腎臓内科や泌尿器科で血液検査や尿中成分の定量検査、尿沈渣、尿潜血反応、超音波検査、CT検査、腎盂(尿路)造影などの精密検査で総合的に病状が診断されます。
膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症、腎炎、ネフローゼ症候群と診断されたら、安静にして、医師から指示された薬を服用しなくてはなりません。
また、腎炎やネフローゼ症候群の場合は、運動の制限や食事療法が必要になります。
腎障害の基本は食事療法にあると、言われるほど食事療法は大切ですので、医師の指示する食塩とタンパク質の1日の摂取量を忠実に守ることが大切です。
腎臓病以外の原因による良性のタンパク尿は、もとの病気が治れば消えます。妊娠中にタンパク尿が出た場合には、妊娠中毒症が疑われますので、ただちに産婦人科で適切な処置を受けましょう。
異常な場合に疑われる病気
糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、糖尿病性腎症、尿路感染症、尿路結石、膀胱炎など

