LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)とは?

LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)とは、ロイシンなどのタンパク質を分解する加水分解酵素で、肝臓・腎臓・腸管・すい臓・脳・睾丸・子宮といった臓器の組織細胞に含まれている物質のことをいいます。

一般にLAPは、3種類のタンパク質をあわせたものの測定値であり、ロイシンアミノであるC-LAP(真のLAP)、M-LAP(アリルアミターゼ)、胎盤に含まれるCAP(シスチンアミノペプチターゼ)に分類されます。

胆道閉塞を起こす病気の診断に有用です

LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)を調べると何がわかるのか?
LAPは胆汁の中に多く含まれ、胆道が詰まると血液中に増加するので、胆道閉塞を起こす病気の診断に役立ちます。
また、肝臓がんでも高度に上昇し、慢性・急性肝炎、肝硬変などでも軽度の上昇を示します。
このように、LAP値は肝臓や胆道の病気を診断する手がかりとなり、また病気の経過をみるうえでも重要となります。

LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)はどのようにして調べるのか?
血液を採取し、遠心分離器で分けた血清を測定器で調べます。免疫抑制剤を服用していると活性が低下しますので、この薬を使用中の人はあらかじめ医師に申し出てください。

基準値
30〜80IU/l(LPNA法)となっていますが、検査方法にはさまざま種類があり、測定単位も異なります。したがって、複数の医療機関で検査を受け、その結果を比べる場合は数字だけではなく、単位にも気をつけてください。

LAPの検査値は、1歳未満の子供では高値を示しますが、それ以降は成人に向かうに従い安定し、性別や食事、運動による影響はほとんどありません。
ただし、飲酒などアルコールの摂取が多いとγ-GTPと平行して上昇する場合もあります。

検査結果の判定
LAP値が高度に上昇した場合には、肝臓がんや胆道系のがん、胆石、すい臓がんなどによる胆道閉塞が疑われます。肝臓がんでは胆道の閉塞がなくても高度に上昇し、ウイルス性肝炎や薬剤性肝炎でも胆汁がうっ滞すると高値になります。また、子宮がんや卵巣がんなどでも高値を示します。

軽度の上昇がみられる場合には、慢性・急性肝炎、脂肪肝、肝硬変などが考えられます。
また、妊娠でも上昇しますが、分娩後は正常値に落ち着きます。妊娠中毒症や切迫流産では正常妊娠よりCAP(シスチンアミノペプチターゼ)が低値を示すため、胎盤機能が正常かどうかをみる目安にもなります。

異常があったらどうするか?
LAPの検査だけでは、治療方針が立てられないので、ビリルビンALPA/G比ICG負荷試験膠質反応などの肝機能検査の結果と組み合わせて総合的に判断されます。
LAP値がやや高い程度で、他の検査で正常な場合は、積極的に治療は行なわれませんが、再検査をして経過がみられます。その場合、LDH(乳酸脱水素酵素)のアイソザイム検査でDLH5が増えるか、GOTやGPTがやや上昇しているときでも、他の肝機能検査で異常がなければ、特に治療の必要はありません。ただし、経過の観察と定期的なLAPの測定は必要となります。

胆汁がうっ滞して、LAP以外の胆道系酵素が増加する場合は、超音波検査やCT検査、胆道造影検査などの画像検査を行ない、胆管の拡張や炎症、がんなどの有無を調べます。
肝臓外で胆汁がうっ滞して黄疸が強くあらわれている場合は、肝臓から胆管に管を挿入して胆汁を取り除く、経皮経肝胆道ドレナージを行なうことがあります。

異常な場合に疑われる病気
肝臓がん、胆道がん、すい臓がん、結石などの胆道閉塞、慢性・急性肝炎、薬剤性肝障害、ウイルス性肝炎、肝硬変など