病院の検査の基礎知識

しこりの触れる病気には乳がん、乳腺症、線維腺種があります

乳がん検診や人間ドックでは、乳房触診は主に乳がん発見の目的で行われます。この検査に限らず、女性の病気の検査はどうしても「恥ずかしい」というイメージが先行してしまいますが、1回受けてしまえば「なんだ、こんなものか」という感じです。

乳腺専門外来で必ず行われます

乳房触診で何がわかるのか?
実際に指で触ってみることにより、乳房にしこり(腫瘤)がないか、大きさ、形状、硬さ、辺縁や表面の性状、圧痛の有無、乳頭分泌、へこみやひきつれなど、視診ではわからないさまざまな乳房の状態を調べることができます。

乳房触診はどのように行なうのか?
乳房の視診と併せて行われます。まず上半身の衣服を脱いだ状態で椅子に座り、視診が行われます。乳房のひきつれや腫れ、赤み、ただれ、乳頭のへこみが無いかを目で確かめます。

つぎに、座ったままか、ベッドで仰向けに寝た状態で、触診が行われます。腕を上げた状態と下げた状態で、まんべんなく乳房に触れて、しこりの有無や様子をチェックします。脇の下や鎖骨上のリンパ節も調べます。

検査結果の判定
しこりの触れる病気には乳がん、乳腺症、線維腺種があります。乳がんのしこりは硬く、辺縁の形は不規則で凹凸状をしており、ひきつれやえくぼ症状がみられることもあります。
乳腺症では、境界のはっきりしない、円盤状の硬いしこりで弾性があります。線維腺種は、球状で位置が動きやすい性質があります。

異常があったらどうするか?
乳がんを触診だけで診断するのは、専門医でも困難です。乳がんが疑われたら、マンモグラフィー乳腺超音波検査乳腺MRI、細胞診、マンモトーム生検などの精密検査が必要になります。なお、乳がんは乳がん検診や人間ドックで発見されるよりも、自身の目と指で乳房をセルフチェックをした際に異常を感じて外来受診し、発見されるケースが大きな比率を占めています。


 
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