病院の検査の基礎知識

眼科医の技量や経験に関わらず、眼底の状態を的確に診断できる検査方法

緑内障は、眼球の内圧により視神経が圧迫・障害され、視野が狭くなったり視力が低下する病気です。一度失われた視神経は回復せず、中途失明の原因第二位になっている病気です。

緑内障で狭くなった視野の画像です

緑内障の検査としては眼圧測定視野検査眼底検査が行われていますが、日本人の場合は、眼圧は正常なのに視神経が障害される「正常眼圧緑内障」が多いので、早期発見のためには視神経乳頭の状態をみる眼底検査が重要になっています。

視神経乳頭は、脳から眼球の中に入ってくる視神経が束状になっている部分で、赤味を帯びた円形として見られます。緑内障を発症すると眼圧でこの部分が押されて、「凹み(へこみ)」が大きくなり、白くなって見えます(視神経線維の数が減少している)。

しかし、従来の眼底検査は平面写真で診断するため、視神経乳頭の凹み具合の判定は、眼科医の技量・経験によって開きが生じるという問題がありました。

そこで、客観的かつ的確に眼底を診断できる手段として生まれたのが眼底三次元画像解析検査です。解析の方法には共焦点走査レーザー眼底鏡(HRT)、共焦点走査レーザーポラリメーター、光干渉断層計(OCT)の3種類があります。

共焦点走査レーザー眼底鏡
目に微弱なレーザー光を照射して、眼底の断層写真を撮影します。そのデータをもとにコンピューターで眼底の様子を立体的に再現し、視神経乳頭の陥没の程度を計測して、異常の有無を自動的に判断する検査です。

共焦点走査レーザーポラリメーター
共焦点走査レーザー眼底鏡と同様にレーザー項を照射して、神経線維層の厚みを計ります。この装置は、ごく早期の緑内障でも発見できます。

光干渉断層計(OCT)
赤外線の光を使い、網膜の断面増を詳細に描きます。視神経乳頭の陥没、神経線維層の厚みの両方を調べることが出来ます。

検査を受けるときの注意点
これらの検査を行う機器は近年に登場したばかりもので、高価なこともあり、設置している眼科医療機関は全国で1割以下となっています。また、この検査を受ける患者さんは、保険診療分の自己負担のほかに検査代として保険外の費用を負担する必要があります。1回の検査につき2000〜5000円が平均的な金額のようです。


 
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