病院の検査の基礎知識

アルツハイマー病の原因物質が脳に溜まっているかをPETで検査します

アルツハイマー病は、SPECT、PETなどの画像診断の進歩によって、認知症の前段階ともいえる「軽度認知機能障害(MCI)」の段階で発見できるようになっています。以前は、有効な治療方法がなかったため、早期発見は重視されていませんでしたが、アルツハイマーの進行を遅らせるアリセプト(ドネペジル塩酸塩)の登場や、γ(ガンマ)-セクレターゼ阻害薬をはじめとする根本的な治療薬の開発も進められていることから、より早期の診断方法の確立が期待されています。

PIB-PETによるアミロイドイメージング
※NC:正常 MCI:軽度認知機能障害 AD:アルツハイマー病

そんな中、近年、特に注目を集めているのが、PET(陽電子放射断層撮影)を使った「アミロイドイメージング」という新しい検査方法です。アミロイドとはアルツハイマー病の原因と考えられている物質で、認知症が現れる約20年前から脳にたまり始めていることが知られています。そこで、脳にアミロイドがたまっているかどうか調べる検査法の研究が進められてきたのです。

検査方法は、静脈注射で「PIB」という放射線医薬品を体内に入れ、しばらくしてからPETで脳を撮影します。脳にアミロイドが沈着していると、PIBと結びつくため、アミロイドが多い部分がはっきりと映し出されます(参考:ページ上部のPIB-PET画像)。国内では、まだ数箇所の施設で研究されているのみですが、将来は有用な検査になると期待されています。

アメリカでは現在、アルツハイマー病の早期診断法を確立するために、頭部MRI、PET、アミロイドイメージングなどを比較・検討する大規模な研究が進められています。日本でも近い将来、同様の研究が開始される予定です。


 
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