病院の検査の基礎知識

毎年約50万人が新たにがんにかかる現在、がん検診の受診率は依然低迷

日本人の死亡原因の第一位は「がん」で、年間約30万人が、がんで亡くなっています。今のところ、がんを完全に予防することはできません。がんの場合、できるだけ早期に発見し、早期に治療をすることが重要です。そのために行われるのが「がん検診」です。

がん検診の受診率

しかし、がん検診を受けている人は、まだ多いとはいえません。2013年のがん検診の受診率は、胃がん検診が39.6%、肺がん検診は42.3%、大腸がん検診は37.9%、子宮頸がん検診は42.1%、そして乳がん検診が43.4%となっており(数値は国立がん研究センターより)、徐々に上昇していますが、軒並み70%台を超えている欧米諸国に比べると依然低迷しています。

上のグラフを見ると、女性の受診率のなかでは「乳がん検診」と「子宮頸がん検診」は健闘しているように感じるかもしれませんが、アメリカはいずれも80%、お隣の韓国でも70%前後の受診率を誇っており、日本は先進国が加盟するOECD(経済協力開発機構)の中で最低の水準となっています。

都道府県別に見ると、山形県と宮城県の受診率が高くなっており、いずれの検診でも1位〜3位に入っています。一方、ワーストは大阪府となっており、胃がん・大腸がん・肺がんの検診で全国最下位、乳がん・肺がん検診では47都道府県中46位と散々な結果です。検診によっては上位と最下位の受診率に20%以上もの差が出ています。

国は「がん対策推進基本計画」のなかで、2017年6月までにがん検診の平均受診率を50%台(胃、肺、大腸がんは当面40%台)に乗せることを目標に掲げていますが、そのハードルは決して低くありません。

事態を打開する一案として、がん検診を受けていない人に文書や電話で受診を促す「コール・リコール」制度が、2014年度から開始されました。これは、がん検診の無料クーポンの配布などで直接、受診を促し(コール)、未受診者に文書や電話で再度受診をすすめる(リコール)という2段構えの制度です。

40歳になったら1年に1回、検診を受けましょう

多くの人は「仕事が忙しいから」、「検査に伴う苦痛が嫌だから」、「自分は病気とは無縁だから」などの理由から受けていないとされています。しかし現在の日本では、毎年約50万人が新たにがんにかかるといわれており、誰にでもがんになる可能性があります。早い段階で発見して治療できれば、治せる可能性が高まります。そのためにも、がん検診を受けることが大切なのです。

がん検診では、がんの可能性がある人はスクリーニング(ふるい分け)検査が行われます。スクリーニング検査で異常が見つかった場合は精密検査を受けます。

おもながん検診は、国の施策として行われており、多くの自治体が無料あるいは小額の自己負担で実施しています。自治体の広報誌やホームページなどで情報を入手して、がん検診を受けるようにしましょう。このほかに、人間ドックでも自己負担でがん検診を受けることができます。


 
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