肝臓などの腹腔内の臓器を肉眼で観察して確定診断を行う腹腔鏡検査
腹部にレンズやその他の装置の付いた細長い筒を挿入し、肝臓、胆のう、腸など腹腔内臓器を肉眼で観察して病気の確定診断をするための検査です。肝硬変などの肝疾患や、腹膜腫瘍の診断に役立つほか、消化器官の部分切除や腹膜などの検査にも利用されています。
腹腔鏡の先端部には組織を採取する装置があり、必要があれば病変と思われる部分の組織を取り出して、確定診断の材料にします(腹腔鏡下肝生検)。最近では、胆のう、胆石、がんなどの摘出手術にも利用され、開腹しないで行なえる、患者に負担の少ない手術法としても注目されています。
腹腔鏡検査で何がわかるのか?
血液検査だけではわからない、肝臓表面の詳しい変化を知ることができます。病気が慢性的に長期にわたる場合は、肝臓自体が線維化して表面が凹凸になるなどの変化が起こってきます。また、肝臓内の炎症の程度が、肝臓表面の色彩変化に反映されます。
このような肝臓の形、表面の変化を元に、病気の進行度や、線維成分が度の程度まで増えているかを推測することができます。
腹腔鏡検査はどのような検査か?
腹腔内は各臓器が隣り合っているので、腹腔鏡を直接挿入しても、それらの様子はよくわかりません。そこで、気腹といって、おなかの壁に針を刺して空気を入れることからはじめます。空気を入れると、腹腔内の臓器は密着せずに離れるので、別におなかの壁に孔をあけ腹腔鏡を挿入します。
検査結果の判定
観察だけならその場で分かりますが、組織細胞診は結果が出るまでには約1週間かかります。
異常な場合に疑われること
慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆のうがん、脂肪肝、腹膜炎、卵巣嚢腫、卵巣がんなど