病院の検査の基礎知識

脳の病気の検査の一覧(全11項目)

脳には無数の血管があり、脳細胞はこれらの血管から酸素や栄養素を供給されています。これらの血管のどこかが詰まったり出血したりして、脳の組織の一部に障害が起こるのが「脳卒中」です。脳卒中は、その発症の仕方によって、下の図のように「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」の3つに分けることができます。

脳卒中は3つのタイプがあります

これらの診断や前触れ状態を早期発見に力を発揮するのが、MRI(磁気共鳴撮影)とMRA(磁気共鳴血管撮影)です。

MRIは、磁気共鳴という物理現象を利用したトンネル形の大きな装置(ガントリー)に横たわり、縦・横・斜めなどあらゆる角度から脳の断面像を立体的に描き出す検査です。MRIは、微小な脳梗塞、その前触れとなる一過性脳虚血発作(TIA)などの早期診断に有用です。

MRAは、MRIで撮影した画像から脳の血管だけを立体的に映し出す検査で、造影剤を使用せずに脳血管の状態を詳細に把握できるという利点があります。MRAは主に、クモ膜下出血のリスクがある未破裂脳動脈瘤(脳動脈の血管壁に血液が溜まりコブを作った状態)を調べる目的で実施されます。

放射線医によるMRIの読影

MRIは、検査の実施機関によって精度に差が出るとの指摘があります。脳ドックや人間ドックを受診する際は、画像診断の専門職である放射線医と、その結果から適切な治療説明を行う脳神経外科医によるダブルチェック体制の施設を選ぶとよいでしょう。

既に起きている脳梗塞の診断には、MRIによる画像診断が有効ですが、そのリスク要因となる動脈硬化の状態を把握するには頸部エコーが実施されます。頸部エコーとは、脳に血液を運んでいる頸動脈にエコー(超音波)をあてて、血管を狭くするプラーク(血管の内側の壁に蓄積したコレステロールや中性脂肪などの脂質)の有無と進行具合を視覚化できる便利な検査です。

  • 脳ドック…脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害を早期に発見します。
  • 頭部CT…X線撮影し、頭蓋骨の中を5mm〜間隔の輪切りにした画像で映し出します。
  • 頭部MRI…CTでは写せない小さな脳梗塞や、脳幹部の病変をはっきりととらえます。
  • 頭部MRA…くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤のスクリーニングとして行われます。
  • 頸動脈エコー…動脈硬化の進行程度を調べることで、脳梗塞のリスクを把握します。
  • 頭部血管造影…造影剤を注入してX線撮影し、動脈、静脈、毛細血管を観察します。
  • 3D-CTA(三次元脳血管造影)…脳の血管を立体構造として三次元に描き出します。
  • SPECT・PET…脳の断面の血流状態がわかり、虚血領域を確認することができます。
  • 脳波検査…頭皮の電気的な変動を電極でとらえ、増幅し、波形として記録します。
  • 髄液検査…針を刺して、脊髄液を採取して調べ、脳や脊髄に病気や異常を判定します。
  • アミロイドイメージング…アルツハイマー病の原因物質アミロイドの沈着をみます。

 
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