病院の検査の基礎知識

予防を目的としたPET検診は保険が適用されません

予防を目的としたPET検診は、全額自己負担となり、その金額は医療機関が自由に設定できる仕組みになっています。がん検診の内容は医療機関によって異なり、PET検査だけのものもあれば、血液検査を加えたもの、CTやMRIなどの画像検査を盛り込んだものまで、様々なコースが用意されています。

気になる料金ですが、PET検査単体で9〜15万円くらいが目安となっています。詳細は事前に各医療機関のホームページで確認しておきましょう。

一方、健康保険が適用となる病気では、国が一律に検査金額(診療報酬)を決めているため、どの医療機関でも同じです。一般的に、健康保険が適応された場合のPET検査費用は75,000円で、そのうち1〜3割を自己負担することになります。3割負担のサラリーマンなどでは22,500円です。そのほか、診察代などが加算されるため、合わせて35,000円と考えておくとよいでしょう。

なお、健康保険でPET検査を受けた場合は、医療控除費の対象となりますが、予防を目的としたPET検診の費用は対象となりません。しかし、検診で重大な病気が発見され、治療を受けた場合は、検診も治療の一環と見なされ、その費用は控除の対象となります。

PET検査が保険適用される病気の一覧

人間ドックなどと同様に、予防を目的としたPET検診には健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担となります。ただし、治療の一環としてPET検査を受ける場合、てんかんや肺がんなど15の病気については健康保険が適用(自己負担3割のサラリーマンで22500円)されます。

病名 保険適用となる諸条件
てんかん 難治性の部分てんかんで外科切除が必要な場合。
虚血性心疾患 虚血心疾患の心不全患者で、心筋組織の診断が必要な場合。
ただし、通常の心筋血流シンチグラフィでで判定困難な場合のみ。
肺がん 他の検査によりがんの存在を疑うが、確定診断を得られない場合。
他の検査では病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合。
乳がん 同上
大腸がん 同上
頭頚部がん 同上
脳腫瘍 他の検査では転移・再発の診断が確定できない場合。
膵がん 膵がんの存在を疑うが、腫瘤形成性膵がんと識別が困難な場合。
他の検査では病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合。
悪性リンパ腫 他の検査では病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合。
転移性肝がん 転移性肝がんの存在を疑うが、病理診断で確定診断が得られない場合。
原発巣が不明な場合。
原発不明がん リンパ節生検、画像診断などで転移巣が疑われ、かつ、腫瘍マーカーが高値を示すなど、悪性腫瘍の存在を疑うが、原発巣が不明な場合。
悪性黒色腫 他の検査では病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合。
食道がん 同上
子宮がん 同上
卵巣がん 同上

 
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