HIV(エイズウイルス)抗体検査とは、エイズに感染していないかを調べる検査です。
健康な人の体は、外からウイルスが侵入すると、免疫細胞がはたらいて抗体をつくり、それらを攻撃する仕組みなっています。
ところがエイズウイルスの場合は、その免疫機構に重要な役割を果たしているヘルパーT細胞の中に侵入し、免疫機構を破壊してしまいます。細胞内に侵入したエイズウイルスは、ヘルパーT細胞が分裂する際、自分のコピーを作って一緒に分裂し、その細胞膜を破って、別のヘルパーT細胞に侵入していきます。
こうして免疫機構が破壊されてしまうと、健康な体だとかかりにくい病気におかされて、死に至ります。その代表的なものが、カリニ原虫によるカリニ肺炎や、肺や消火器に炎症を起こすカンジダ症などです。
HIV抗体検査で何がわかるのか?
エイズウイルスに感染しているかどうかがわかります。
エイズウイルスは感染者の血液や精液、膣分泌液などの体液を通じて、体の粘膜や傷口から侵入し、4〜7年の潜伏期を経て発病します。
ところが、キャリアと呼ばれる感染者でも潜伏期の間は健康な人と変わりなく元気なため、接触した人に知らずに感染させる危険があります。
エイズ患者だけではなく、キャリアの状態にある人も含めて、防疫対策の面からもHIV抗体を調べる検査は欠かせないものなのです。
HIV抗体検査はどのような検査か?
血液を採取して行ないます。エイズに感染しているかどうかを調べるには、血清の中にエイズウイルスに対抗する抗体ができているかどうかで確かめます。なお、感染後6〜12週間たたないと抗体はできません。
検査法には酵素抗体法(エリザ法)、凝集法(PA法)、間接蛍光抗体法(IF法)、ウエスタンブロット法(WB法)などがあります。エリザ法やPA法は感度がよすぎて、エイズ抗体以外に対しても陽性になることがあります。そのため、エリザ法やPA法でまずスクリーニング(ふるいわけ)検査を行ない、IF法、WB法などで確認試験を行ないます。
判定の基準
エリザ法やPA法で陰性(-)なら正常です。またこの検査で陽性(+)と出ても、他の抗体による陽性(偽陽性)の可能性があります。そのため、同じ方法で2回目を行ない、さらにIF法、WB法で陰性なら正常です。
医療機関の検査で陽性と判定されたとしても、その結果が本人以外の人に知らされることはなく、秘密は堅く守られます。
また、保健所では、無料で匿名の検査を予約制で行なっています。
検査を受けるときの注意
エイズに感染してから抗体ができるまで6〜12週間かかるといわれています。そのため、感染の可能性があってまもなく検査を受けても判定はできません。感染が疑われるときから3ヶ月以上してから検査を受けましょう。
異常があったらどうするか?
感染してから発病するまでに、1〜10年はかかるとされていますが、様々な薬が開発されて、多種類の薬を併用することにより、発病や進行はかなり抑えられるようになって来ています。
また、これからも特効薬が開発される可能性もあり、感染したからといって決して絶望する病気ではありません。体力の低下を招かないように、不摂生と過労を避け、栄養バランスの取れた食事と規則正しい生活を心がけましょう。
異常な場合に疑われる病気
エイズ、日和見感染(カリニ肺炎、カンジダ症、トキソプラズマ症、クリプトスポリジウム症、ヘルペスウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症、真菌感染症)、カポジ肉腫、リンパ腫など

