病院の検査の基礎知識

ABR検査は音が聞こえたかどうかを返事できない人に行なう聴力検査

ABR検査(聴性脳幹反応)とは、新生児や高齢者など、音が聞こえたかどうかを返事できない人に行なう聴力検査(他覚的聴力検査)のことです。また、感音性難聴であることがわかったときに、障害の場所を明らかにするためにも行なわれます。その他、手術時に生じる脳幹の機能異常を調べたり、最近では脳死の判定にも使われています。

検査の画像

ABR検査で何がわかるのか?
内耳(蝸牛)から脳までの、聴神経の伝達経路のどこに異常があるかを調べることができます。

ABR検査はどのような検査か?
ベッドに横になり、左右の耳たぶと頭部(頭頂部と前額部)の計4ヶ所にに脳波形の電極を取り付けます。ヘッドホンから音が聞こえると、脳が反応して脳波に変化が生じるため、その波形をコンピューター処理して画面にあらわします。

検査を受けるときの注意
検査中は体を動かさないようし、乳幼児では睡眠薬で眠らせてから検査を行なうこともあります。

検査結果の判定
音刺激を与えてから1/100秒以内に5〜7個の波形が現れますが、T波は蝸牛神経、U波は蝸牛神経核、V波はオリーブ核、W波は外側毛帯、X波は下丘に対応しているとされています。
音刺激からT〜X波の現れる時間が遅れたり、波形が出現しなかったりすることにより、どこに異常があるかわかります。

異常があったらどうするか?
他の検査結果と総合して原因を突き止め、その治療を受けましょう。

異常な場合に疑われること
脳腫瘍、聴神経腫瘍、脳血管障害、先天性の聴力障害、糖尿病など


 
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