血友病のスクリーニングに重要なAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
血液が凝固するまでの時間を計るもので、血友病のスクリーニング(ふるいわけ)として最も重要な検査です。トロンボプラスチンは、血小板や白血球に含まれる物質で、血液を凝固させる働きを持っています。
ところが、血友病の人は、血液凝固因子である第[因子また第\因子が遺伝的に欠乏しているため、トロンボプラスチンの一部(部分トロンボプラスチン)の働きが悪くなり、血液が固まるまでに時間がかかります。
活性化部分トロンボプラスチン時間を調べると何がわかるのか?
血液を凝固させるために、12種類の血液凝固因子と呼ばれる物質が働くことが知られています。この検査は、血友病の原因となる第[因子と第\因子の欠乏を調べるためのものです。
血友病は遺伝的にどちらかの因子が欠乏しているために、血液凝固時間が延長されます。>血友病のほか、これに似た病気を発見することも可能で、信頼性の高いスクリーニング検査として利用されています。
また、血液凝固因子の大半は肝臓でつくられるため、肝炎や肝硬変などの肝細胞障害があると、複数の因子が低下して凝固時間が延長します。くわえて、腸の病気や閉塞性黄疸などによりビタミンK欠乏症、血管内凝固異常症、重症感染症、腎不全で血液透析を受けている場合も異常値を示すことがあります。
活性化部分トロンボプラスチン時間はどのように測定するのか?
血液を採取し、血漿に部分トロンボプラスチンの試薬とカルシウムイオンを加えることによって、部分トロンボプラスチンを活性化し、血液が凝固するまでの時間を測定します。
基準値
血液が凝固するまでの時間が、25〜45秒なら正常です。
検査結果の判定
基準値より10秒以上延長した場合は、異常とみなされます。しかし、採血方法や血漿の取り扱い方などによって測定値が多少変動するため、基準値より延長していたら採血方法を変えたり、同一検体で再検査します。播種性血管内凝固症候群(DIC)では短時間で変動するため、連日検査を行ないます。
異常があったらどうするか?
活性化部分トロンボプラスチン時間が著しく延長するのは、圧倒的に血友病の場合が多くなります。血友病には第[因子が欠乏している血友病Aと、第\因子が欠乏している血友病Bとがあります。
異常が出たときには、このいずれかを判別するために、凝固因子活性化検査などを行ないます。血友病の場合は、筋肉・関節内を中心に多彩な出血症状をおこすため、激しい運動は避け、出血時には欠乏因子を補給しましょう。
異常な場合に疑われること
血友病A(第[因子欠乏症)、血友病B(第\因子欠乏症)、血液凝固因子欠乏、肝硬変、肝臓がん、播種性血管内凝固症候群(DIC)、ビタミンK欠乏症など