パルスオキシメーターで酸素飽和度を測定してCOPDを診断する検査
慢性の息切れが起こる代表的な病気にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)があります。酸素飽和度検査は安静時の動脈血の中に、酸素がどの程度含まれているか(酸素飽和度)を調べる検査で、COPDを診断する際に、スパイロメーターによる肺機能検査や6分間平地歩行テストとともに行われます。
検査方法はいたって簡単で、指先にパルスオキシメーター(写真参照)という機器をつけるだけで、簡単に測定できます。赤色光と赤外光を当て、通過した光の強度からヘモグロビンの比率を測定しますので、痛みなどは全くありません。酸素飽和度が90%以下の場合は、肺機能が低下していて、酸素と二酸化炭素のガス交換が上手くいっていないと推測できます。
従来、パルスオキシメーターの存在は呼吸器疾患の患者さんや医療従事者にのみ知られていました。しかし、コロナ禍で病床が一杯になり自宅待機を余儀なくされている患者さんが自己測定用に、パルスオキシメーターを配布されたのを機に一気に全国区の仲間入り(?)を果たしました。
息切れを起こす病気は、COPDのほかにも、急性気管支炎、肺炎、気管支喘息、間質性肺炎(肺線維症)、肺がん、うっ血性心不全などが考えられます。COPDとこれらの病気とを鑑別するために、血液検査、胸部エックス線検査、心電図検査などを受ける場合があります。