病院の検査の基礎知識

肺や気管、気管支などの病変を見つけるために行なわれる胸部CT検査

胸部CT検査は咳や痰、胸痛などの症状があり、胸部X線検査を行なった結果、肺がんや胸部の病気が疑われたときに行なう検査です。CT(コンピュータ断層撮影)は、X線照射による変化をコンピュータで解析し、胸部の断層写真として画像に表わすものです。

胸部CTの画像

胸部CT検査で何がわかるのか?
肺や気管、気管支などの病変を見つけるために行なわれます。特に、肺がんの診断には、いまや欠かせない検査となっています。また、胸膜や肺の生検(組織や臓器の一部を採取して調べる検査)を、CTで病変の部位を確認しながら行なう際にも利用されます。

胸部CT検査はどのような検査か?
検査着に着替え、検査台に仰向けに寝ます。造影撮影するときには、造影剤を100ml静脈注射します。検査台を円筒状の装置の中に進めて、X線を照射します。X線を発するX線管球と透過したX線を受ける検出器を回転させながら撮影をします。検査全体は10〜15分で終わり、痛みは全くありません。

検査結果の判定
がんは比較的輪郭のはっきりした白い影が映り、がんの大きさ、場所、浸潤の度合いなどがわかります。リンパ節の腫れをみることで、腫瘍が良性か悪性か、他臓器への転移の可能性があるかどうかを疑う材料にもなります。

肺炎ではうっすらとした影がみられ、肺結核では空洞や小さな結節の影が写ります。肺気腫では肺胞が壊れれ、スポンジのような空洞がみられ、気管支が細くなっているのがわかります。気管支拡張症では気管支の壁が拡張して不整になっています。

異常な場合に疑われること
肺がん、肺炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症など


 
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