病院の検査の基礎知識

脳の断面の血流状態がよくわかり、虚血領域を確認できます

SPECTとは、シングル・フォト・エミッションCTの略語で、体内に注入したRI(放射性同位元素)の分布状況を断層画面で見る検査のことです。体内から放出される放射線の分布を画像化する際、検出器の前にコリメーターという器具を置き、体の周りを回転させて断層画面を作成します。SPECTは、従来のCTでは表わせなかった血流量や代謝機能の情報が得られるため、とくに脳血管障害や心疾患の診断で威力を発揮します。

SPECT検査における脳の断層画面です

一方、PETはポジトロン・エミッション・トモグラフィーの略語で、ポジトロンCTともいわれる核医学診断装置のことです。その原理は、陽電子(ポジトロン)放出アイソトープというものを体内に注入すると、体内の陰電子と結合して消滅放射線(γ線)を発生する性質を利用して、それを検出器で測定し、コンピュータで処理して断層画像化するものです。

PETで使用されるRI(放射性同位元素)は、炭素、酸素、フッ素、窒素などの生体中に存在する元素なので、SPECTよりもなおいっそう代謝などの様子を正確に把握でき、がんなどの進行度の診断などに優れた能力を発揮します。

そのほか、脳の内部のブドウ糖やアミノ酸の代謝、酸素の消費量の変化を調べて、脳機能の障害部位を診ることができます。PETは、脳疾患の病態解明や微小な腫瘍の発見には現在最も有効とされています。さらに、神経伝達物質とその受容体(レセプター)を測定することで、精神病の病態の解明にも役立つなど、その威力が、今後益々期待されています。ただし、高額な設備投資が必要なため、PET検査を受けることができる医療機関が限られている点がネックとなっています。

SPECT・PET検査で何がわかるのか?
脳の断面の血流状態がよくわかり、血液が流れていない虚血領域を確認することができます。また、PETではほかの画像診断では見つからない小さながんの発見が可能です。これにより、初期の脳梗塞やその他の脳血管障害、一過性脳虚血発作、完全回復性脳卒中、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳腫瘍などが診断でき、脳神経外科や神経内科での治療方針の決定に役立ちます。

SPECT・PETはどのような検査か?
検査着に着替えてRI検査室に入り、ベッドに横になって、静脈からRI(放射性同位元素)を注入します。体を回転しながら、シンチカメラで撮影します。検査時間は、脳の撮影だけだと30分程度で済みますが、全身を撮影する場合は数時間かかることもあります。注射をするときに痛みがあり、長時間ベッドで横になっているのでその痛みもあります。

異常があったらどうするか?
ほかの検査データや、CT検査MRI検査などの画像診断ととも対比して診断がなされ、治療方針が決定します。

異常な場合に疑われる病気
脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脳血管奇形、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、狭心症、心筋梗塞、各臓器のがんなど


 
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