病院の検査の基礎知識

ERCPは膵臓、胆道系疾患の診断に欠かせない安全性の高い検査

総胆管に内視鏡を挿入して、その先に付いた細いチューブから造影剤を注入し、胆道系、膵管を直接造影する安全性の高い検査です。膵臓、胆道系疾患の診断には欠かすことができません。1回の検査で、内視鏡的所見、胆肝像、膵管増など各種の情報を得ることができ、また膵臓や胆道系に隣接したほかの臓器の病変も指摘できるという特徴があります。

ERCPの画像

早期の膵臓がん、胆嚢がん、胆管がん、慢性膵炎の障害レベルなど、精度の高い画像を得られますので、膵臓や胆道疾患の疑い、原因不明の上腹部の腫瘤などがあるときに用いられます。また、この検査において膵液や胆汁を直接採取し、細胞診などの精密検査を行うこともできます。

ERCPはどのように行なうのか?
のどにスプレーをして局所麻酔をした後、軽い鎮静剤を注射し、内視鏡を十二指腸まで挿入します。十二指腸乳頭部から、細い管を使って胆管と膵管に造影剤を入れ、レントゲン撮影を行います。

多方向から撮影を行い、結石などがある場合はより鮮明に描出するために圧迫して、撮影をすることがあります。検査時間はおよそ20〜30分位ですが、通常の上部内視鏡(食道、胃)より多少の苦痛がともないます。

検査によって診断する病気
胆管がん、胆道がん、膵臓がん、慢性膵炎、膵管胆管合流異常症など


 
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