病院の検査の基礎知識

腹部大動脈瘤や腎動脈瘤など、血管の異常がわかる腹部血管造影検査

腹部の太い血管に造影剤を流して、X線撮影をすることにより、肝臓や腎臓、胆嚢、腸などの腹部臓器の血管の状態を詳しく調べる検査です。

腹部血管造影検査で何がわかるのか?
腹部大動脈瘤や腎動脈瘤など、血管自体の異常がわかります。また、肝臓がんは、新生血管から多くの血液が供給されるので、造影剤がたくさん流入することで診断することができます。
一方、膵臓がんでは、新生血管はほとんどつくられないことが多く、周囲の血管を巻き込むことがあります。この場合は、周囲の血管が流れが途絶えたり狭くなったりするので、腹部血管造影で判明します。

近年では腹部超音波検査に加えて、CTやMRIの精度が向上して、診断目的だけの腹部血管造影検査は以前より少なくなっています。しかし、CTの精度をより向上させるために、腹部血管造影検査と同時にCTを撮影する方法も採用され、とくに肝臓がんの詳しい診断に有効とされています。

検査はどのように行われるのか?
仰向けに寝た姿勢で、足の付け根にある動脈に針を刺して、カテーテルを入れます。このカテーテルをおなかの中で調べたい血管の近くまで移動させ、造影剤を注入してX線撮影を行ないます。
検査時間は30分から1時間くらいです。太い動脈に針を刺し検査後には十分な止血が必要となり、入院して行ないます。

異常な場合に疑われること
腹部大動脈瘤、腎動脈瘤、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がんなど


 
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