骨髄を採取することで、血液疾患の診断、経過観察に役立てます
おもに白血病の診断をするため、骨髄を穿刺して血液を採取し、造血能力や血液の成熟度、異常細胞の有無などをみる検査です。白血病とはいわば造血器のがんであり、骨髄や脾臓など血液を産生したり処理したりする器官が、何らかの原因により異常な白血球細胞を無制限に増殖してしまう病気です。異常な細胞がたくさんつくられる分、正常な血液をつくる機能が低下してしまい、そのために障害をきたします。
骨髄は重要な造血器で骨の中心にあります。骨髄のなかにある血液を骨髄血といって、これがいわば血液の元になるものであり、骨髄でつくられた血液は全身へ送られます。
骨髄穿刺で何がわかるのか?
白血病細胞を確認することによって、白血病を確定的に診断することができます。また、白血病の治療中にその経過を観察し、治療効果があがっているかどうかを確認するという面でも役立ちます。
さらに白血病だけでなく、そのほかの病気の診断にも用いられることがあります。たとえば再生不良性貧血、溶血性貧血、悪性貧血の診断や、骨髄腫やリンパ腫、血小板減少性紫斑病などのほか、各種のがんが骨髄へ転移しているかどうかを調べる際にも有用です。
骨髄穿刺はどのように行うのか?
胸の正面にある胸骨、あるいは腰の横にある腸骨からとる方法があります。採取する場所を局所麻酔して、骨に穴を開け、そこに注射針を刺して骨髄を採取します。採取した骨髄液を染色し、顕微鏡で調べます。かなり痛みのある検査です。採取後20〜30分、完全に止血するまで安静にしています。
検査結果の判定
血液検査の結果と比較し、血球のでき方、成熟、血液中への放出などを見て、血液病の診断材料にします。がんの場合にはがん細胞を見つけます。
異常があったらどうするか?
これらの検査で診断が下され、後はその治療に専念します。
異常な場合に疑われること
悪性貧血、再生不良性貧血、白血病、骨髄腫、がんの骨転移、血小板減少性紫斑病など。