エラスターゼ1はほかの検査と合わせて膵臓の病気を調べます
エラスターゼは、動脈壁や筋肉の腱を構成するエラスチンという成分を分解する酵素のことで、膵臓、白血球、血小板、大動脈などに存在しています。エラスターゼには1と2がありますが、血中にはエラスターゼ1が圧倒的に多く、早期の膵臓がんに反応して数値が上昇するため、膵臓がんのスクリーニングに有用です。
エラスターゼ1はアミラーゼやリパーゼと比べて血液中での分解速度が遅いのが特徴です。したがって、病気の状態の変化が早い急性膵炎の評価にはアミラーゼやリパーゼが適していますが、膵臓がんの発見にはエラスターゼ1がより有用といえます。
エラスターゼ1はどのように測定するのか?
血液を採取し、遠心分離機で分離した血清部分を分析器で測定します。
エラスターゼ1の基準値
基準値は100〜400ng/dlで男女の差はありません。
異常があったらどうするか?
エラスターゼ1の値のみで膵臓がんかどうかを判断することは難しいので、超音波検査や画像診断、CA19-9などの検査を行なって、その結果と併せて総合的に判断します。
また、慢性膵炎が進行して、膵臓の広範囲に荒廃のある場合には、がんを発症してもエラスターゼ1の産生低下で血中濃度が上昇しない例もありますので注意が必要です。
異常な場合に疑われること
急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がんなど