放射線量をコンピューター処理して画像にし、心臓の血液の流れを映し出す
心臓核医学検査(心シンチ)とは、静脈に放射性同位元素を注射し、放出される放射線を撮影して、放射線量をコンピューター処理して画像にし、心臓の血液の流れを映し出す検査です。放射性同位元素(ラジオアイソトープ=RI)を使用するので、シンチグラフィーとかRI検査ともいわれ、甲状腺や肝臓、骨などの病気の検査にも用います。
心臓核医学検査で何がわかるのか?
心臓核医学検査には心プール検査と心筋シンチ検査とがあります。心臓の機能すなわちポンプとしての働き具合を調べるのに心プール検査が行なわれ、心臓の筋肉を養っている冠状動脈や心筋の中の細い血管などの血液の流れを調べるのに心筋シンチ検査が行なわれます。
心プール検査では、心臓の壁の運動や左室駆出率などの心機能がわかり、心筋梗塞や心不全の症状の把握に役立ちます。心筋シンチ検査では、心筋の血液の流れが映し出されるので、心筋梗塞の有無や広がりを診断できます。同時に負荷心電図検査を行なう事がありますが、この検査では、負荷をかけたときの心機能や、狭心症で心筋に虚血の起こっている場所などがわかります。
心臓核医学検査はどのような検査か?
放射性物質を使うので特別な検査室で行ないます。上半身を裸にして検査台に仰向けに寝ます。放射性同位元素の入った薬剤を静脈注射し。シンチカメラで心臓の部分を撮影します。
所要時間は30分ほどですが、負荷試験の場合は、3時間ほど間を置いてもう一度検査を行なう場合があります。
検査結果の判定
心プール検査を行なえば、心臓の壁の動きの異常や左室駆出率の低下など、心不全の程度を把握することができます。心筋シンチ検査をすると、心筋の血管の映っていない部分を見ることによって心筋梗塞の場所や広がりがわかり、負荷試験を行なえば、狭心症で血管の狭くなっている部分や虚血の範囲も明らかになります。
特殊なアイソトープを使うことによって心筋症を診断したり、糖尿病による心筋障害なども検出することができます。
異常があったらどうするか?
なんらかの異常が認められた場合は、下記の病気が疑われますので、心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査、胸部X線撮影、胸部CT、心臓カテーテル検査などでさらに詳しく調べます。
それらの結果を総合的に判断したうえで、治療方針を立ててもらい、治療を受けることになります。
異常な場合に疑われること
狭心症、心筋梗塞、心肥大、心拡大、心不全、心筋症など