若い女性に増えている子宮頸がんの診断に欠かせないコルポ診
コルポスコープ診とは、膣拡大鏡(コルポスコープ)を膣内に挿入して、主に子宮頚部(子宮の膣に出ている部分)や膣壁を拡大して精密に観察する検査のことです。子宮がん検診で細胞検査と合わせて、広く行なわれています。
コルポスコープ診で何がわかるのか?
子宮がんは子宮頚部に出現することが多く、その早期診断のために行ないます。コルポスコープは6〜40倍に拡大して観察することが可能ですので、肉眼では見られない病変を発見できます。
コルポスコープ診はどのような検査か?
婦人科の診察台にのります。機械で膣を開いて、コルポスコープを挿入して観察します。
検査結果の判定
子宮頚部の粘膜と血管の変化を観察し、組織細胞診の結果とあわせて診断します。
異常があったらどうするか?
組織細胞診がまだなら、それを行ない診断結果に従って治療を進めます。
異常な場合に疑われること
子宮がん、子宮膣部糜爛、子宮頚管炎など
婦人科のがんで最も多く見られる子宮がんは、発症部位によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分類されます。子宮がん全体の7割を占めているのが、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を原因として子宮の入り口に発生する子宮頸がんです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)はセックスによって感染しますが、感染してもほとんどの場合、体に備わっている免疫力によって消滅します。しかし、消滅せずに長年感染したままの状態が続くと、細胞に変化を起こし、10年以上の前がん病変を経て、子宮頸がんに進展することがあります。
子宮頸がんは他のがんと異なり、子宮の入り口という医師の診察で早期発見が容易な場所に発生するため、検診で早い段階で見つかれば完治が期待できます。
各自治体では、子宮頸がんの公的検診を行っており、医療機関での自費検診よりも安く検査を受けることができます。2年に1回の受診が進められていますので、定期的な受診を心掛けましょう。