臓器の分泌液や血液などから、病気の原因となっている細菌を検出
細菌による感染を受けた臓器の分泌液や血液などから、病気の原因となっている細菌を検出する検査のことです。感染症にかかると、発熱やはれ、痛みなどの自覚症状が起こり、血液中の白血球や血沈、炎症反応などで診断できます。しかし、病気や症状によっては、原因菌がわからないと、根治が困難な場合があります。そのようなときに、この細菌検査が重要な役割を果たします。
細菌検査で何がわかるのか?
血液
静脈から血液を採取して、含まれる細菌を調べます。敗血症、感染性心内膜症、腸チフス、パラチフス、グラム陰性桿菌感染症などが疑われるときに行ないます。
痰(たん)
咳をして痰を排出し、容器にとります。肺炎、気管支炎、肺結核などが疑われるときに行ないます。
鼻汁
鼻をかんで鼻汁を採取します。鼻炎や副鼻腔炎のときに行ないます。
耳漏
耳から漏れ出る分泌液を採取します。外耳道炎や中耳炎のときに行ないます。
胃液
口から細い管を挿入して採取します。結核やアニサキス症が疑われるときに行ないます。
胆汁
口から細い管を挿入して採取します。胆嚢炎、胆管炎、膵炎などが疑われるときの行ないます。
髄液
背中から脊髄腔に針を刺して、髄液を採取します。髄膜炎が疑われるときの行ないます。
尿道や膣の分泌液
尿道や膣から分泌する液を採取します。淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダなどによる性感染症(STD)、尿道炎、膀胱炎、膣炎、子宮頚管炎、子宮内膜症などが疑われるときに行ないます。
検査を受けるときの注意
細菌によっては特殊な染色をしたり、1週間ほど培養しないと、発見できないものもあります。
のどの粘膜を拭って検体とすることもありますが、このようにして検体を得る場合は、ほかの細菌による感染を招かないように注意します。
異常があったらどうするか?
病気の原因となる細菌が確認されたら、抗生物質による治療が行なわれます。現在は、大部分の細菌感染に対して有効な抗生物質が開発されていますから、心配はいりません。しかし、自己判断で治療を中断すると、抗生物質の効かない耐性菌をつくる原因となりますので、医師の指示にきちんと従って治療を行なってください。
細菌が陽性の場合に疑われる病気