病院の検査の基礎知識

腎臓の結石、腫瘍や尿管結石、膀胱の腫瘍や結石、水腎症などを診断

尿が排泄される通り道となる腎盂や尿管、膀胱などを造影剤で染め出し、それらの形の変化や異常を調べる検査です。この検査からは、それらの臓器の機能的な異常まではわかりません。検査方法には、静脈に造影剤を注入してX線撮影する排泄性腎盂造影検査(IP)と、膀胱内視鏡とカテーテルを用いて造影検査をする逆行性腎盂造影検査(RP)があります。

腎盂造影

腎盂造影検査で何がわかるのか?
血尿は、腎臓、尿管、尿道の病気で認められ、無症状の場合から激しい痛みを伴うものまで、症状はさまざまです。血尿の原因をはっきりさせるために行なう検査の一つが、この検査です。腎臓の結石、腫瘍や尿管結石、膀胱の腫瘍や結石、水腎症などが診断されます。

腎盂造影検査はどのような検査か?
腎盂造影検査には、造影剤を注射する排泄製造影と、尿道から細い管(カテーテル)を入れて造影剤を注入する逆行性造影とがありますが、前者が一般的です。

排泄性腎盂造影検査は、まず、腎臓、尿管の単純撮影(造影剤を使わない検査)を行ない、次に造影剤を注射します。注射終了後5、10、15分に腎臓、尿管を撮影します。その後、排尿して立位で膀胱を撮影して検査は終了です。

逆行性腎盂造影検査は、鎮静剤を筋肉注射し、検査台に仰向けに寝ます。麻酔薬の入ったゼリーを塗った膀胱鏡を、尿道口から膀胱へと入れ、次に膀胱鏡の中を通したカテーテルを尿管口から目的の尿道や腎盂まで挿入し、造影剤を注入し撮影します。検査時間はおよそ1時間ですが、その後1時間ほど安静が必要となります。

検査結果の判定
X線フィルムの現象後に診断が行なわれるので、検査結果はおよそ1週間後に説明されます。
造影剤はX線を透過させないので、腎盂や尿管、膀胱が、形どおりに白く写り、結石があるとその部分が抜けて見えます。また、膀胱腫瘍では、腫瘍状の欠損(黒い塊)に写ります。

異常があったらどうするか?
異常が発見されたら、必要に応じて超音波、ヘリカルCT、腹腔鏡などの検査を行ない、診断に従って治療を進めます。

異常な場合に疑われること
尿管結石症、尿管狭窄、腎盂腫瘍、腎臓結石、水腎症、膀胱腫瘍など


 
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