腎がん、腎盂がん、腎動脈血栓などを診断する腎動脈造影
腎動脈に造影剤を注入してX線撮影を行い、腎がん、腎盂がん、腎血管腫などの腎腫瘍や、腎血管性高血圧症、腎動(静)脈血栓、副腎腫瘍などを診断します。
腎動脈造影はどのように行われるのか?
ベッドに仰向けになり、ももの付け根の鼠径部から股動脈を穿刺(針で刺す)します。カテーテルと呼ばれる細い管の先を腹部大動脈から枝分かれする腎動脈まで挿入します。目的の腎動脈だけを造影し、診断しやすい画像を得るために、造影剤はカテーテルを腎動脈まで挿入した後に注入します(選択的動脈造影)。
この検査方法は、インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)といって、治療にも応用されています。腎動脈狭窄による腎血管性高血圧症には、バルーン(風船)付きのカテーテルによる血管拡張術が、腎がんには、がん病巣に栄養を送る動脈に塞栓物質を注入する動脈塞栓術が行われます。
検査を受ける際の注意
穿刺を行う鼠径部は検査前の段階で、あらかじめ剃毛しておきます。検査終了後は、穿刺部を圧迫止血し、血栓ができていないか、出血や血腫がないかも調べます。
1日ほど安静にし、再出血や血腫の形成を防止します。また、造影剤の排出を早めたり脱水予防のため水分をとり、必要な場合は輸液が行われます。
異常な場合に疑われること
腎がん、腎盂がん、腎血管性高血圧症、腎動(静)脈血栓、副腎腫瘍など