病院の検査の基礎知識

出血時間を調べれば、血液凝固に関わる血小板の機能がわかります

止血機能を調べるため、皮膚に小さな傷をつけ、実際に自然に血が止まるまでの時間を測定する検査のことです、なかなか血が止まらない場合は、止血機能を持つ血小板の数や働きに異常があるか、または血管壁がもろくなっている疑いがあります。

デューク法のよる検査

出血時間の検査で何がわかるのか?
出血した血液が自然に固まるまでの時間を調べることによって、血液凝固に関わる血小板の機能(粘着能力と凝集能力)と毛細血管の状態がわかります。

また、手術などでは体を傷つける必要があるので、手術前に傷からの出血が止まるか否かを検査しておくことは重要となります。その際にも出血時間の検査が行なわれます。

なお、この検査では、必ずしも正確な数値が出るとは限らない(ばらつきが出ます)ので、最近は、血小板数プロトロンビン時間活性化部分トロンボプラスチン時間など、客観的な数値の得られる検査を行なう傾向にあります。

出血時間はどのように調べるのか?
一般によく行われいるのはデューク法という検査方法です。まず耳たぶに2mm程度の小さな傷をつけて出血させ、30秒おきに濾紙で血をふきとります。血が完全につかなるなるまで続け、出血が止まるまでの時間を計ります。

検査を受けるときの注意
検査前に運動をしたり、耳たぶをもんだりすると、正しく測定できなくなります。解熱鎮痛剤のアスピリンも出血時間を延長させてしまうので、検査前の10日くらいから服用しないようします。

基準値と許容範囲
2〜5分(デューク法)

検査結果の判定
異常値の場合は特発性血小板減少性紫斑病や全身性エリテマトーデス、がんの転移、白血病、血管内血液凝固症候群といった原因が考えられます。これらは血小板の数を異常に減少または増加させる病気です。

これとは別に、血小板の働きがおかしくなっている可能性もあり、その場合は血小板無力症や尿毒症、骨髄腫などが疑われます。また、遺伝性出血性毛細血管拡張症やビタミンC不足による壊血症の場合は血管に異常があり、血が止まりにくくなります。

異常があったらどうするか?
血小板数やプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間などの検査をするとともに、その他の精密検査を受け、原因を見つけて治療します。

血小板の減少が3万/μl以下ならば大出血の危険性が大きいため、血小板補充(血小板輸血)を行ないます。毛細血管の異常がある場合には、ビタミンCやKを補充して血管を強化します。

異常な場合に疑われること
血小板減少性紫斑症、全身性エリテマトーデス、血管内血液凝固症、血小板無力症、骨髄腫、尿毒症、フォン・ウィレブランド病、壊血病など


 
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