病院の検査の基礎知識

クレアチニンよりも程度の軽い腎機能障害を発見できます

クレアチニンは、体内でエネルギーとして消費されたたんぱくの残りかす(老廃物)です。血液に含まれていて、腎臓でろ過され、尿中に排泄されます。クレアチニン・クリアランスは、血清中と尿中のクレアチニンの量を測定して比較し、腎臓の糸球体が老廃物などを取り除く力がどれくらいあるかをチェックすることにより、腎機能を把握する検査です。

腎機能障害の程度を知るうえで重要です

血清尿素窒素クレアチニンも、腎機能のスクリーニング検査として有用ですが、これらの値が高値を示すようになるには、腎機能が正常の50〜70%以下になってからで、軽い腎機能障害を発見することはできません。そこで、腎臓の糸球体機能を正確に知るためにこの検査が行なわれます。

クレアチニン・クリアランスはどのように測定するのか?
クレアチニン・クリアランスの測定法には、1〜2時間の短時間法と24時間法があります。どちらも、血清中のクレアチニン値を安定させるために、検査の2日ほど前から食事で摂るタンパク質の量を1日40〜50gとします。

短時間法では、まず尿を採取します。このとき、尿を完全に出し切ることが、検査の正確さを保つ上で大切となります。その30分後にもう一度、尿を採取して終了です。

24時間法では、その日の最初に排尿した分は全て捨て、それ以降の尿は専用のびんに蓄えておきます。尿量が検査結果を左右するので、排便時の尿も捨ててはいけません。24時間が経った翌朝までの尿をよく混ぜてから、クレアチニン量を測定します。同時に最後の採尿が終わった朝の空腹時に採血を行ない、血清クレアチニン値も測定します。

次の式により、クレアチニン・クリアランス値を求め、腎糸球体機能を調べます。

クレアチニン・クリアランス値の算出式
  • U:尿中クレアチニン濃度(mg/dl)
  • V:1分間尿量(ml/min)
  • S:血清中クレアチニン濃度(mg/dl)
  • A:体表面積(m2)
  • 1.73:日本人の平均体表面積(m2, 2001年の日本腎臓学会で従来の1.48から変更)

基準値
女性より男性のほうがやや高めになります。

  • 男性…90〜120ml/分
  • 女性…80〜110ml/分

検査結果の判定
低値のときは、心不全や、糸球体腎炎、腎硬化症、糖尿病性腎炎、膠原病や尿管閉塞などによる腎障害が考えられます。異常値の程度としては、50〜70ml/分で軽度、30〜50ml/分で中等度、30ml/分以下で高度の障害が考えられます。30ml/分以下になると、心臓麻痺、腸閉塞、昏睡などを引き起こす尿毒症が疑われ、大変危険な状態です。

異常な場合に疑われる病気

  • 高値…糖尿病、末端肥大症など
  • 低値…腎硬化症、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、膠原病などによる腎障害、心不全など

 
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