ALP(アルカリホスファターゼ)とは?

ALPとは、有機リン酸化合物を分解する酵素で、体のほとんどの臓器や組織に含まれています。
特に胆道などの上皮細胞(毛細胆管)の細胞に多く含まれていて、この上皮細胞が炎症や胆汁の流出低下などで破壊されると血中濃度が上昇します。肝臓や胆道の変化を調べる検査のひとつです。
ALPは、最も活動しやすいpHが10付近のアルカリ側にあることから、アルカリホスファターゼという名前が付いています。

肝・胆道疾患の指標として用いられます

ALPを調べると何がわかるのか?
肝臓のALPは胆汁に排出されるので、胆道系の病気で胆汁の流れが滞ると、あふれて血液中に流れ込み、血液中のALPが増えます。また、胆汁や血液のうっ滞、肝膿瘍などがあると肝臓でのALPが増加します。

また、骨の病気や異常でも血液中に増え、骨の腫瘍やくる病、骨軟化症でも高値を示します。
ALPの値をGOT・GPTの値と比較することによって、肝臓や胆道系の病気か骨の病気かを鑑別することができます。γ-GTPやLAPと同様に胆道系酵素と呼ばれ、肝・胆道疾患の指標として用いられています。

ALPはどのように検査するのか?
血液を採取して調べます。キンド・キング法(KAU)、ベッシー・ローリー法(BLU)など、単位が違ってきますが、最近はIU(国際単位)が多く使われています。

検査を受けるときの注意
食事の影響を受けるので、採血の当日は絶食します。約200種類の薬剤がALP値に影響を及ぼすといわれているので、常用している薬(特に利尿剤や睡眠剤)があれば、あらかじめ医師に申し出てください。

基準値

  • P-NP法…58〜200IU/l
  • キンド・キング法…3.0〜10.0KAU
  • ベッシーローリー法…0.8〜2.9BLU

新生児は成人の数倍、10代半ばでも成人の2倍近くの高い数値を示しますが、これは活発な骨の発育が原因です。妊娠中も数値は上昇し、妊娠6ヶ月ごろで基準値の2〜3倍になります。
なお、検査法によって基準値は異なりますので、複数の医療機関での検査結果を比較する際は、数値とその単位に注意してください。

検査結果の判定
基準値を超えてALP値が高くなっているのは、胆汁の流れが完全に止まって黄疸が出てくるようなときです。胆道が詰まって胆汁の排出が阻害されると、胆汁中に存在したALPは肝細胞を逆流して血液中に増加します。同時に肝細胞では盛んにALPが生成されるため、いっそう増加します。

黄疸は色々な病気によって起こります。急性肝炎の黄疸では、ALPはそれほど上昇しませんが、細胆管性肝炎、胆汁性肝硬変、がんや胆石が原因の総胆管閉塞による黄疸では非常に高い数値を示します。
肝・胆道疾患以外では、副甲状腺機能亢進症のほか骨腫瘍、ベーチェット病などの骨疾患でも上昇します。病状に比例して数値も上昇するので、早期診断の有力な指標となっています。

ALP値が著しく高くなった場合、そのアイソザイム(同じはたらきをするが分子構造は異なる酵素群)を測定し、どれが多いか見極めることが診断の重要な手がかりとなります。
ALPアイソザイムの6種類(ALP1〜6)について、高値のとき疑われるは病気は以下の通りです。

  • ALP1…閉塞性黄疸、限局性肝障害
  • ALP2…各種肝疾患、胆道系疾患
  • ALP3…骨の病気(健常小児に多い)、副甲状腺機能亢進症
  • ALP4…悪性腫瘍の一部、妊娠後期
  • ALP5…肝硬変、慢性肝炎、慢性腎不全
  • ALP6…潰瘍性大腸炎

アイソザイム検査で疾患部位が特定できたら、自他覚症状からそれぞれの病気に適した検査法が選択され、確定診断されます。

異常があったらどうするか?
ほかの肝機能検査、特にGOT・GPTLAPγ-GTPなどの値も参考にして診断します。
ALPが異常値で、GOTやGPTの値にも異常がある場合は、肝臓や胆道系の病気が疑われます。特に慢性肝炎や肝硬変、栄養過多による脂肪肝などの慢性疾患、探査機などの胆道系疾患では、GOTやGPT値が軽度から中等度上昇し、ALP値も少し上昇します。

胆道の閉塞、狭窄や肝内うっ血では、LAP値やγ-GTP値も、しばしば同時に上昇します。
ALPが異常値でもGOTとGPTが異常値ではない場合は、肝臓や胆道系以外の病気が疑われます。その場合は前述のALPアイソザイム検査やLAP、γ-GTPなどの検査を行ないます。

異常な場合に疑われる病気
閉塞性黄疸、慢性・急性肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆汁うっ滞、胆石、胆道系のがん、すい臓がん、がんの骨転移、骨軟化症、甲状腺機能亢進症、慢性腎不全など