運転免許の取得には、両眼で矯正視力0.7以上が必要となります
ものが見えにくい、二重に見えるなどの症状があるときに、最初に行なわれる基本的な検査です。角膜を通して眼に入ってきた光が、レンズの役割を果たす水晶体で屈折し、さらに硝子体を通過して、網膜にきちんと像を結び、その情報が正確に脳に伝えられているかを調べます。
視力検査で何がわかるのか?
視力の異常は、水晶体の屈折異常(近視、乱視、遠視)、水晶体のにごり(白内障)、網膜の異常(眼底出血、網膜剥離)、角膜の変化(角膜炎、角膜ヘルペス)などで認められますが、視力検査でわかるのは、近視や乱視などの水晶体の屈折異常のみで、他の病気を診断まではできません。
そこで、眼に異常を感じたら、まず視力検査を行ない、その後に別の検査を行なって診断することになります。
視力検査はどのように行なうのか?
5m離れたところから、ランドルト環(太い円形の一部が切れている輪:写真参照)や文字の並んだ視力検査表を片目ずつ見て、どの大きさまで見えるかどうかを調べます。肉眼で見た視力(裸眼視力)と眼鏡をかけた視力(矯正視力)の両方を測定します。また、視力検査用の眼鏡枠をかけ、同じく5m離れた視力表をレンズを交換しながら測定する方法もあります。
まず、裸眼で右眼(左眼は遮蔽)から始めます。一番上の0.1から下へ読んでいき、その段の横に並んだ同じ大きさのランドルト環や文字を3つ以上判読できれば正読とし、裸眼視力とします。0.1が判読できないときは、0.1が判読できるところまで近づき、その距離を『0.1×○m÷5=視力』の計算式にあてはめて視力とします。
視力が0.01以下の場合は、目の前で指の数を数えたり、指を動かして方向を判定する、光の点滅を判定などして、これらが判定できないときは視力0とします。
基準値
裸眼視力が1.0〜1.2あれば良好です。なお、運転免許を取得するには、両眼で矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを着用)0.7以上が必要となります。
異常があったらどうするか?
裸眼視力が0.7以上あれば、日常生活で支障をきたすようなことはありません。裸眼視力が0.7未満は近視か乱視がですが、適切な矯正をしても視力が0.7未満の場合は、屈折異常の目の病気が疑われるので、精密検査を受け原因を確かめます。屈折異常の場合は、0.7以上の視力が出るように眼鏡やコンタクトレンズを使用することになります。
疑われる主な病気の追加検査
異常な場合に疑われること
角膜炎、近視、乱視、遠視、老眼、白内障、緑内障、眼底出血、網膜剥離、視神経炎など