病院の検査の基礎知識

乳腺MRI検査は乳房の腫瘍と正常な乳腺組織の鑑別を可能にします

強い磁力を発生するMRI装置を用いて、乳房の病巣を画像化し、診断する検査です。乳房にできた腫瘍と正常な乳腺組織とを鑑別できます。MRI検査には、撮影条件を変えて画像のコントラストを調節でき、また、縦・横・斜めなど、任意の方向からの断層画像を得ることができるという利点があります。手術後の乳腺の状態を調べるのにも有効で、定期的な検査としても行われています。

MRIでみる乳房の様子

乳腺MRI検査が行なわれるのは、主に次のような場合です。

  1. 乳房触診で腫瘤(しこり)を触れないが、ほかの検査で乳がんを疑われた場合。
  2. しこりを触れるが、マンモグラフィー超音波検査で、良悪性の判定が一致しない場合。
  3. 乳がん(特に非浸潤がん)の広がりを見る場合。

乳腺MRI検査はどのように行なうのか?
身体からアクセサリー類などの金属物をはずして、乳房専用の金属コイルをあてて、ベッドの上で腹ばいの姿勢になります。胸部に強磁場超電動装置が自動的に動いてきて、撮影が行われます。

撮影方法には2種類あります。ひとつは、高速スピンエコー法という撮影法で、T1強調像(脂肪は白く、腫瘍は黒く写る)とT2強調像(脂肪は黒く、腫瘍は白く写る)を撮影した後、Gd-DTPAという造影剤を多く用いたダイナミック撮影を行ない、最後に造影後のT1強調像を撮影します。
もうひとつの方法は、最初から脂肪抑制(脂肪が強く写らないように調整)しながら、造影剤を用いてT1強調像を撮影します。

検査結果の判定
乳腺MRI検査は、しこりが良性か悪性化の判定に用いられますが、確定診断には、がんの疑いがある部分の組織を採取して顕微鏡で調べる組織検査(マンモトーム生検)が必要となります。
乳がんの場合は、病巣がどこまで広がっているかを正確に診断できますので、乳房温存手術が可能かどうかの判断材料になります。

異常な場合に疑われること
乳がん、乳腺症など


 
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