病院の検査の基礎知識

肺の病巣から組織片を採取して、悪性か良性かを調べる肺生検

画像検査気管支内視鏡検査などで診断のつかない場合に、肺の病巣から組織片を採取して、悪性か良性かを調べたり、肺結核、肺炎などの呼吸器系疾患を鑑別するために行われます。検査の方法は以下の2通りとなっています。

CTガイド下による穿刺の様子

経気管支肺生検
X線透視下に、気管支内視鏡の管を病巣まで進め、先端の鉗子を開いて組織片を採取する方法です。検査前3時間は、検査中の嘔吐を防ぐために、飲食は避けます。

検査にあたっては、まず唾液などの気道からの分泌物を抑える薬を注射します。次に、キシロカインという麻酔薬をのどに噴霧してから、ファイバースコープの管を口から挿入していきます。管の先端にあるレンズで肺の内部を直接観察しながら、病変部に進めて組織片を採取します。

この検査では、同時に、気管支の細胞変を擦り取ったり(細胞診)、生理食塩水を注入して肺胞中の粘液や細胞を回収する検査(気管支肺胞洗浄法)を行うこともあります。

経皮穿刺吸引肺生検
検査前の食事は控え、局部麻酔を行います。うつぶせ、または仰向けの姿勢で、酸素吸入をしながら行います。X線透視下に、皮膚の外から太さ約1mmの針で病気の部分を突き刺します。次に、針に内臓されたカッターで肺病巣部の組織を少量採取します。

近年は、検査の確実性を上げるため、X線の単純透視ではなくCTを使って穿刺する施設が増えているようです。検査全体にかかる時間は15分ほどです。 検査後は安静が必要となります。

異常な場合に疑われること
肺がん、肺結核、肺炎、びまん性肺疾患など


 
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