血液中にある細胞を血球といいますが、そのうち白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類があります。体内に細菌やウイルスが侵入すると、骨髄でさかんに白血球が作られます。そして、これらの細菌やウイルスを取り込んで無毒化したり(食作用)、免疫抗体をつくって細菌やウイルス、がん細胞を殺したりする(免疫作用)大切なはたらきをしています。
白血球数を調べると何がわかるのか?
白血球は通常、血液1μl(マイクロリットル=mm3)の中に1万個を超えることありませんが、細菌感染などを起こして白血球の働きが必要になると、その数を増やして防御にあたります。
したがって、白血球数を調べることで細菌感染による炎症を起こしているかどうかの判定に役立ちます。また、白血球を作っている造血器の病気を調べる手がかりにもなります。
白血球数はどのように検査するのか?
血液を採取して、自動白血球計数器で測定します。
基準値
白血球の正常値は、年齢によって異なります。成人の場合は、3300〜9000/μlとなっていますが、生まれたばかりの新生児や幼児は、成人よりかなり多めです。
なお、白血球数は朝と夜、喫煙、運動、ストレス、食事、入浴などによって10〜15%ほど変動しますので、正常値から少しはずれたからといって、それほど心配する必要はありません。
検査結果の判定
白血球数が増加している場合には、感染によって細菌が体内に侵入したと考えられます。
外傷もないのに白血球数が急増したら、扁桃炎、肺炎、胆嚢炎、腎盂炎、虫垂炎などの炎症が起こっていると疑われます。
また、白血病などで骨髄が異常増殖を起こした場合も、白血球数は著しい増加を示します。
白血球数が少ない場合は、体の防御反応が低下して、病気にかかりすいことを意味しています。
急性骨髄性白血病(38歳の若さで急逝された歌手の本田美奈子さんもこの病気と闘っておられました)の初期には3000個以下の数値を示すことがあります。このほかに、再生不良性貧血、薬剤アレルギー、抗がん剤治療の副作用、肝硬変などでも白血球数の減少がみられます。
異常があったらどうするか?
検査で異常値を示した場合には、再検査や血液像(白血球分画)、赤沈(血沈)、血小板数などの血液検査、さらにCRP、シアル酸などの炎症マーカーの測定などが必要となります。
再検査の結果が基準値の範囲内で、自覚症状がなく、ほかの検査でも異常が認められなければ、心配はいりません。
扁桃炎や腎盂炎、気管支炎などの急性炎症で白血球が増えている場合は、治療によって炎症が治まれば白血球数も正常に戻ります。ヘビースモーカーの人は、気管や気管支に慢性の炎症を起こして白血球数が30%ほど増える傾向にありますので、出来るだけ喫煙の本数を減らしましょう。
白血球数が著しく増加していて白血病や敗血症の可能性があるときは、早急の治療が必須となりますので、ただちに入院して骨髄の検査(骨髄穿刺)を受ける必要があります。
白血球数が少なすぎる場合は、体の防御反応が低下し、細菌などに感染しやすくなります。
1000個以下と極端に減少したとき、重い敗血症を起こす可能性が高くなります。すぐに無菌室に入らないといけない非常に危険な状態です。
このような場合も、原因となる病気を突き止めるために骨髄検査を受けなくてはなりません。
また、さまざまな薬剤の副作用で白血球が減少することもありますので、薬剤を服用している場合は、ただちに中止する必要があります。
異常な場合に疑われる病気
- 高値…細菌感染による炎症(扁桃炎、肺炎、胆嚢炎、腎盂炎、虫垂炎)、がん、慢性骨髄性白血病、敗血症など
- 低値…再生不良性貧血、悪性貧血、肝硬変、薬剤障害、急性白血病、全身性エリテマトーデスなど

