フルクトサミンの数値で短期の血糖コントロールの状態を把握します
フルクトサミン(FRA)とは、血液中の糖とタンパクが結合してできる物質で、血糖の濃度に比例します。長期の血糖コントロールの指標としてHbA1c(グリコヘモグロビン)が利用されてきましたが、最近のコントロールの悪化状況や改善状況は、正確に反映しない欠点がありました。
そこで、この欠点を補うものとして登場したのが、フルクトサミンです。ただし、近年では、同じ糖化タンパクのグリコアルブミンを、使用する場合が多くなっています。
フルクトサミンを調べると何がわかるのか?
過去2週間の平均的な血糖の状態がわかります。検査直前の食事などの影響は受けません。グリコヘモグロビン(HbA1c)が過去1ヶ月の血糖レベルの平均を反映するのに対し、フルクトサミン(FRA)の測定は、より短期(最近2週間)の血糖コントロールの指標となります。
また、溶血性貧血などでグリコヘモグロビンの測定が困難な場合にも、このフルクトサミンを代わりに測定することもあります。
フルクトサミンはどのように検査するのか?
血液を分析器で測定します。
基準値
205〜280μ mol/l
検査結果の判定
高値の場合、糖尿病を治療中の人は、320μ mol/l以下を当面の目標にします。450μ mol/l以上あれば、血糖コントロールが全くできていない危険な状態です。一般的に基準値の280μ mol/lを超えていれば、糖尿病に注意する必要があります。
異常があったらどうするか?
高値の場合、糖尿病治療中の人は血糖コントロールが不十分ですので、食事療法をしっかりと見直す必要があります。それ以外の人は糖尿病の疑いがありますので、血糖値とグリコヘモグロビン(HbA1c)の検査を受けましょう。
血清たん白が異常低下すると、フルクトサミンも低値を示しますので、その場合は、肝硬変、ネフローゼ症候群などの腎疾患、肝疾患の有無を調べます。
異常な場合に疑われること
- 高値…重症糖尿病、グリコーゲン病、甲状腺機能低下症など
- 低値…肝硬変、甲状腺機能亢進症、ネフローゼ症候群、低蛋白血症など