病院の検査の基礎知識

軽症糖尿病の過去数日間の血糖コントロールの指標となる1.5AG

1.5AG(1.5アンヒドログルシトール)とは、血液中にブドウ糖に次いで多く含まれる糖で、多くの食物中に含まれています。普通の食事による摂取量はおよそ、3〜10mgとされています。
1.5AGは、腎臓の糸球体で濾過されますが、そのほとんどが尿細管で再吸収され、1日の尿中排泄と経口摂取量がほぼ均衡するため、血液中の濃度はほぼ一定しています。

血糖コントロール状態がわかります

しかし、糖尿病などで尿糖が増加すると、尿中への排泄が増加し血中濃度は低下します。このため、軽症糖尿病の過去数日間の血糖コントロールの指標として利用されています

1.5AGを調べると何がわかるのか?
血糖が高くなれば、血液中の1.5AGは低くなり、血糖が下がれば1.5AGは血中で増加するなど、軽微な血糖改善や、軽度の悪化を確実にとらえます。つまり、この値を調べれば、その時点での血糖のコントロール状態が明らかになりますので、糖尿病の治療効果、薬の増減、その経過観察に欠かせない検査となっています。

フルクトサミングリコヘモグロビンの検査では、月や週単位での血糖コントロール状態がわかりますが、この1.5AGは前日の状態までリアルタイムに把握でき、食事の影響もありません。

1.5AGはどのように検査するのか?
血液を分析器で測定します。

基準値

  • 男性…15〜45μg/ml
  • 女性…12〜29μg/ml

検査結果の判定
男女とも13μg/ml以下になったら、血糖のコントロール状態が不十分です。

異常な場合に疑われること
糖尿病のコントロールが不十分、腎性糖尿、腎不全など


 
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