病院の検査の基礎知識

C-ペプチド(CPR)は膵臓のインスリン分泌機能の指標となります

C-ペプチド(CPR)とは、インスリンが合成される前段階の物質(プロインスリン)が、分解されるときに発生する物質です。インスリンと同程度の割合で血液中に分泌され、ほとんどが分解されないまま血液中を循環し、尿とともに排出されます。血中や尿中のC-ペプチドを測定すると、インスリンがどの程度膵臓から分泌されているのかが把握できます。

CPR

インスリンの分泌能力は、血中インスリン活性で直接測定することもできますが、インスリン治療を受けている人の場合、膵臓から分泌されているインスリンと治療で使っているインスリンの合計値が出てしまうので、正しい測定ができないという欠点があります。C-ペプチドは膵臓から分泌されているインスリンだけを測定することができますので、上記の理由で測定が難しい人に有用な検査です。

C-ペプチド(CPR)はどのように測定するのか
血中値を測定する場合は、採血をして調べます。尿中値は、24時間の蓄尿を行なって、アジ化ナトリウムを添加して測定します。

基準値

  • 血中C-ペプチド…1.2〜2.0ng/ml
  • 尿中C-ペプチド排泄量…24〜97μg/日

検査結果の判定
CPRが高値の場合は、膵臓の障害(インスリンノーマなど)、コルチゾール成長ホルモンの過剰分泌(クッシング症候群や副腎皮質ホルモンの過剰な服用など)、インスリンの作用低下などが原因と考えられます。

一方、2型糖尿病で、インスリンの分泌が低下するとCPRは低値となります。
血糖値が低い状態や低栄養状態で、体内のブドウ糖が不足しているとインスリンの分泌量も減少します。コルチゾールや成長ホルモンの分泌量が、減少したときにも低値を招きます。

異常な場合に疑われること

  • 高値…インスリンノーマ、肥満、肝疾患、クッシング症候群、末端肥大症、異常インスリン血症、インスリン自己免疫症候群など
  • 低値…1型糖尿病、2型糖尿病の一部、低血糖、低栄養状態、褐色細胞腫、下垂体副腎機能低下症など

 
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