レニンとアルドステロンの数値で高血圧の原因を推察することが可能
レニンとアルドステロンは血液量、電解質、血圧のバランスを保つ上で重要な役割を果たしており、ナトリウム、カリウム代謝異常の診断、代謝性アシドーシス・アルカローシスの診断とともに高血圧の診断に際して重要な検査となっています。
レニンは酵素の一種で、血液中に分泌されるアンジオテンシノーゲンというタンパクにはたらいて、血圧を上昇させるアンジオテンシンという物質をつくります。一方、アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンで、尿細管に作用して体内にナトリウムの再吸収とカリウム排泄を促進させるはたらきがあります。
レニンとアルドステロンを調べると何がわかるのか?
高血圧の原因を推察することができます。脱水や低血圧の状態ではレニンが過剰に分泌され、アルドステロンも同時に高値となります。レニンが高値、アルドステロンが低値の場合は、副腎皮質の異常でアルドステロンの分泌が低下し、それを改善しようとレニンが高値となっています。
アルドステロンが過剰に分泌されると体内の水分が増加し、血圧が上昇してレニン分泌が抑制されます。アルドステロン産生腫瘍が副腎にできると、レニンが低値、アルドステロンが高値となり、高血圧の原因になります。なんらかの異常でレニンの分泌が抑制されると、アルドステロンも低値となります。
レニン・アルドステロンの基準値(立位)
- レニン活性(PRA)…0.2〜3.9ng/ml/時間
- レニン定量(PRC)…3.6〜63.7pg/ml
- アルドステロン …3〜21ng/dl
検査はどのように行われるのか?
血液を採取して調べます。
レニン値が異常な場合に考えられること
- 高値…腎血管性高血圧、褐色細胞腫、レニン産生腫瘍、バーター症候群など
- 低値…原発性アルドステロン症、グルココルチコイド反応性アルドステロン症、塩分の過剰摂取など
アルドステロン値が異常な場合に考えられること
- 高値…原発性アルドステロン症、レニン産生腫瘍、バーター症候群、悪性高血圧症、ネフローゼ症候群、心不全など
- 低値…アジソン病、リーデル症候群、塩分の過剰摂取など