病院の検査の基礎知識

健康時には1.010〜1.030といった範囲で変動します

尿の中の水分と、水分以外の物質の割合を算出したものです。尿には余分な水分のほかに、体内活動の結果として含まれる老廃物(尿素や窒素、ナトリウム、クロールなど)が含まれています。そのため、尿の比重は水よりもやや高く、健康時には1.010〜1.030といった範囲で変動しています。

試験紙の色の変化を調べます

尿比重を調べると何がわかるのか?
腎臓は必要に応じて濃い尿や薄い尿をつくり、またそれを排泄することによって体内の水分量を一定に保っています。水分をあまり摂取していないときは尿量も減りますが、そのときに尿に含まれている老廃物の濃度も普段と同じままであれば、尿量に比例して老廃物の排泄量も減ることになります。

すると、血中から排泄されるべき老廃物量に満たなくなることもあるわけで、そうならないように尿中の老廃物濃度を高める働き(尿濃縮)も腎臓にはあるのです。

したがって、正常の場合、水をあまり飲まなければ尿比重が上昇しますが、腎臓の働きに異常があるとそれができません。尿比重の検査をそれをみるものです。

尿比重はどのように検査するのか?
電解質に反応する試薬を用いた試験紙に採取した尿をつけ、色の変化で判定します。なお、尿の比重は水分摂取量に大きく影響を受けるので、より正確な尿比重を測定するために水の摂取を中止して測定する「フィッシュバーグ濃縮試験」という検査方法もあります。

この検査では、前日の夕食時に水200mlと高たん白質をとった後は一切の飲食をせずに、翌朝の起床時から1時間おきに3回尿を採ります。ただし、この検査は水分を止めるために、検査中に腎不全を起こす危険もあるので、最近は特殊な場合を除いて行なわれていません。

基準値
尿比重の基準値は1.010〜1.030とされていますが、健康な人でも条件によって変動します。

検査結果の判定
尿比重が1.010以下の場合は通常の腎機能よりも尿濃縮力が低下して水分が多く排泄されている腎不全利尿期か、尿崩症などの病気の可能性が考えられます。逆に1.030以上の場合は、腎不全による乏尿、ネフローゼ症候群、糖尿病、心不全、脱水症状などの可能性が考えられます。

異常があったらどうするか?
異常値の原因となっている病気の確定診断を下し、治療を開始します。確定診断には、血液検査や尿沈渣クレアチニン・クリアランスPSP試験電解質などのさらに詳しい腎機能・代謝機能の検査や、抗利尿ホルモンなどの内分泌検査が必要となります。

異常な場合に疑われる病気

  • 低比重…慢性腎炎、尿崩症
  • 高比重…ネフローゼ症候群、糖尿病、心不全

 
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