心臓は、全身に血液を循環させるため、常に拡張と収縮を繰り返し、これによって1〜3ミリボルトの活動電流を発生しています。この電流を皮膚につけた電極でとらえ、電流計で導いて増幅させ、その時間的な変化を波形グラフ化したものが心電図です。
心臓の中はふつう左右の心房・心室に分かれていますが、心電図ではその各部位の電気的な流れがわかります。心機能に異常があると独特の波形を示すので、それにより疑われる病気が判定されます。
一般的な心電図は安静状態で測定しますが、必要に応じて、体を動かしてとる負荷心電図や、24時間通常の生活時にとるホルター心電図などの検査も行なわれます。
心電図検査で何がわかるのか?
心臓全体のはたらきを調べることができ、心臓病の発見や診断、病状の把握、治療効果の確認、薬の副作用の発見などに欠かせない検査です。
心臓の収縮・拡張が正常に行なわれているか、心臓の筋肉に酸素と栄養を供給している冠状動脈の血流の流れが円滑に行なわれているか(動脈硬化がないか)、心筋に異常がないかなどがわかります。また、甲状腺機能障害などの内分泌疾患によってどのくらい心臓に影響が及んでいるかや、電解質(カルシウムやカリウムなど)の異常もわかります。
心電図検査はどのように行なうのか?
上半身裸になり検査台に仰向けに寝てます。電極を付ける部分に、皮膚と電極間の電気を通りやすくするケラチンクリームを塗ります。
多くは、両手首と両足首、胸に6ヶ所、電極を取り付けます(胸部誘導)。そのほか、両手首と両足首の3ヶ所だけで測定する(四肢誘導)など、必要に応じて電極の数を増減します。
心電計のスイッチを入れて、心臓の拍動に伴っておこる微細な電位変動を記録していきます。
体を流れる電流を器械に導くだけで、器械から電流を流すだけではありませんので、苦痛は全くありません。検査時間は3〜5分程度です。
検査結果の判定
1回分の心臓の収縮は、P波(心房の収縮)、QRS波(心室の収縮)、T波(心室の収縮の終了)という組み合わせてで表示され、心臓の拍動が規則的に行なわれていれば、P波は常に一定間隔で出現します。ただし、健康な人でも、体調によって心臓の不規則な収縮(期外収縮)が起こり、QRS波に乱れを生じることがあります。
心臓の収縮で発生する電流が一時的にきれた状態を脚ブロックといい、それが左心室内で起これば左脚ブロック、右心室内で起これば右脚ブロックといいます。左脚ブロックは心不全が疑われますが、右脚ブロックは心臓に異常がなくても起こる場合があります。
また、心電図が細かい揺れのような波形を示す場合は、心房の筋肉が不規則に収縮していると考えられます。これは心臓の弱っている高齢者や心房中隔欠損症、心筋梗塞、拡張型心筋症による心不全などが考えられます。
ほかにも波長の異常が疑われる病気ごとに特徴があり、不整脈、心不全、心臓偏位、心臓弁膜症、狭心症など、それぞれの波形を示します。
なお、心臓に異常があれば必ず心電図に変化が現れるわけではありません。
例えば、狭心症や不整脈などでは発作が起こったときでないと変化がみられないこともありますので、測定時の心電図が正常だから心臓病がないとは言い切れません。
異常があったらどうするか?
異常が見つかれば、負荷心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査(心エコー)の検査が組まれることがあります。
その上で必要に応じて、心臓カテーテル、心筋シンチグラフィー、冠状動脈造影などの検査が行なわれ、それらの結果と照合し、病気の診断、治療法の決定、予後の判定が行なわれます。
異常な場合に疑われる病気
不整脈、心肥大、心筋虚血、心房中隔欠損症、心筋梗塞、拡張型心筋症、心臓偏位、心臓弁膜症、狭心症、電解質失調など

