病院の検査の基礎知識

尿酸値の高い人はプリン体の多い食品は控えるようにしましょう

主に痛風の診断をするため、血液中の尿酸値を測定する検査です。からだの細胞は常に新しく生まれていくる一方で死んでいくものもあり、この活動を代謝といいます。代謝の結果としてできる燃えかすの一つが尿酸と呼ばれる物質で、約70%は尿の一部となって排泄されます。

尿酸結晶は痛風のもとです

ところが、腎臓の機能に障害が起こって尿酸が正しく排泄されなかったり、何らかの原因で尿酸がつくられすぎたりすると、たまった尿酸が異常を引き起こします。その代表が「痛風」です。

尿酸は血液中には尿酸塩となって溶け込んでいますが、その濃度が一定以上に高くなると結晶化し、足の親指や関節などにたまります。これが激しい痛み、すなわち痛風発作を引き起こすのです。また、腎臓にたまった尿酸結晶は腎炎を起こし、腎・尿路系において結石のもとになることもあります。尿酸検査では、これらの原因となる血清中の尿酸の濃度を測定し、病気を診断します。

尿酸はどのように検査するのか?
血液を採取して、自動分析器で測定します。検査前日の夕食の後は、コップ1杯の水以外、飲食は一切しないで採血します。

尿酸の基準値
尿酸の基準値は3.0〜7.0mg/dlです。また、一日に排泄される尿酸の量はおよそ400〜900mgで、これ以上だと異常とみなされます。

異常があったらどうするか?
高尿酸血症に対しては、尿酸代謝に関係する様々な要因をチェックします。痛風発作は中年以降の男性に多いので、心電図眼底検査、血液測定など、人間ドックなみの検査を行ないます。

痛風以外の病気が疑われる場合は、その原因を突き止める必要があります。クレアチニン尿素窒素などの腎機能検査、血糖コレステロールの測定などが行なわれます。

尿検査では、高尿酸血症のタイプや尿路結石のできやすさなどがわかります。腎結石や尿路結石の有無を調べるためには超音波検査などが行なわれます。

尿酸値が低ければ、もとの病気を治療し、高い場合は尿酸を下げる薬を併用します。高血圧、高脂血症、肥満などの合併症があれば、それらの治療も行ないます。測定値が8.0mg/dl以上になる人は、尿酸結晶が沈着している可能性が強いため、積極的な治療が必要となります。

高尿酸血症、痛風の治療は、食事療法と薬の併用によって行ないます。食事はプリン体の多い食品はなるべく控えるようにします。総カロリーを抑え、アルカリ性食品を多くとることも心がけましょう。尿酸を抑える薬は長期間、人によっては一生服用しなければならない場合もあります。

異常な場合に疑われること

  • 尿酸値が高値…高尿酸血症、痛風、グルタミン代謝異常症、腎機能障害
  • 尿酸値が低値…低尿酸血症、ウィルソン病(代謝異常で銅が体内に蓄積し、肝臓や腎臓、脳、眼に障害が出る病気)

 
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