病院の検査の基礎知識

現在では精度が高いPSA(前立腺特異抗原)が優先して行われます

酵素の一種で、ほとんど全身の細胞や組織に含まれています。リン酸化合物を分解するはたらきがあり、酸性の条件化ではたらくという特徴をもっています。

前立腺がんの早期発見に役立ちます

ACPは含まれている臓器によって違った性質を示しますが、なかでも、前立腺に含まれるものは前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)と呼ばれ、かつては前立腺がんの腫瘍マーカーとして利用されていました。しかし、感度が低いために、現在ではPSA(前立腺特異抗原)が利用されています。

酸性ホスファターゼ(ACP)はどのように検査するのか?
血液を採取して調べます。ACPは赤血球中にも存在するため、検査で採血・分離するとき、赤血球が壊れる(溶血)ことがあり、その場合はACPが外へ出て軽度上昇します。

基準値

  • ベッシー・ローリー法…0.1〜0.7U
  • キング・アームストロング法…1.0〜4.0U

検査結果の判定
ACPが境界値の場合は、採血した血液に溶血がなかったか、あるいは血小板数をチェックして偽の高値ではないかを確認して、いずれにしても再検査をします。

ACPが高値となった場合、男性では前立腺がん、前立腺肥大症などの前立腺の病気が疑われます。この場合、PSA(前立腺特異抗原)検査、直腸診前立腺生検による組織検査が行われます。
また、ACPは血小板や白血球中にも多く存在しています。そのため、血小板増多症や白血病、とくに慢性骨髄性白血病で高値になります。この場合は、ほかの血液検査や画像検査、骨髄穿刺などの詳しい検査が必要になります。

異常な場合に疑われること

  • 高値…前立腺肥大症、前立腺がん、悪性腫瘍の骨転移、骨髄腫、肝胆道疾患、白血病などの血液疾患、男性ホルモンの投与など
  • 低値…低栄養状態、女性ホルモン・副腎皮質ホルモンの服用など

 
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