目と耳の病気の検査の一覧

角膜、水晶体、網膜、視神経などに異常が生じると、視力障害や視野障害が起こってきます。水晶体は、虹彩と瞳孔のうしろにあって、透明な凸レンズの形をしていますが、老化などによって水晶体がにごってくると、視力が低下してきます。これが白内障です。

当サイトで解説している目と耳の検査の一覧です

網膜から視神経が集まって太い束になって出て行く部分を視神経乳頭といいます。眼圧が高くなると、この視神経乳頭が圧迫されて障害が起こります。この病気が緑内障です。
網膜がはがれる病気を網膜剥離といいます。網膜の黄斑部というところが、老化によって変性してくるのが加齢黄斑偏性症です。これらの病気では、視力が低下したり、視野が欠けたりします。

  1. 視力検査…視力検査表を片目ずつ見て、どの大きさまで見えるかどうかを調べます。
  2. 視野検査…一点を注視したときに周囲に見える範囲を視野計を用いて測定します。
  3. 眼底検査…網膜剥離や眼底出血、緑内障などの目の病気を調べるときに行ないます。
  4. 眼圧検査…房水という液体によって保たれている眼球内圧(眼圧)を測定します。
  5. 細隙灯顕微鏡検査…拡大鏡を使い、帯状の光を目に当てて、目の病気を調べます。
  6. 蛍光眼底造影検査…糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症の診断には欠かせない検査です。
  7. 隅角検査…隅角には眼圧を調節する房水の排出口があり、緑内障の診断に重要です。
  8. 網膜電図検査…網膜剥離や網膜色素変性症、黄斑変性症など網膜の異常を発見します。
  9. 視覚誘発電位…視覚領からの電気反応のことで、白内障の手術の前に行われます。
  10. 眼底三次元画像解析…的確に眼底の状態(網視神経乳頭の凹み)を判定できます。
  11. 光干渉断層計(OCT)…眼底に弱い赤外線を当て、網膜の断層を描き出す装置です。
  12. 眼球の超音波検査…白内障の手術の際、眼内レンズの度数を決める上で欠かせません。
  13. ドライアイの検査…重度のドライアイは視力障害の原因となりますので検査が必要です。
  14. シルマー試験…涙の量を測定する、ドライアイを診断するために欠かせない検査法です。
  15. 涙道・涙管ブジー…涙液を排出する通り道に異常がある場合に行なわれます。
  16. 細菌学的検査…眼の病気のうち、細菌やウイルス感染が疑われる場合、常に行われます。
  17. 斜視の検査…光を正面からあてて斜視の状態を確認します。
  18. 聴力検査…伝音難聴や感音難聴の有無を調べる検査です。
  19. ABR検査…乳幼児など、音が聞こえたかどうかを返事できない人に行なう聴力検査です。
  20. 平衡機能検査…めまいの訴えがあるとき、その原因、程度などを調べる検査です。
  21. 眼振検査…眼球の動きを見て、めまいの起こりやすさを診断することができます。

ドライアイの検査

ドライアイとは、眼の表面が乾燥してゴロゴロし、目やに、目のかすみや疲れ、充血するなど、さまざまな症状が出る状態のことをいい、パソコン作業などに従事する人に多く見られます。
画面を見つめているときは、まばたきの回数が減るだけでなく、眼球表面から蒸発する涙の量も多くなり、目が乾燥してしまいます。コンタクトレンズを長時間使用していても同様の状態になります。

今や国民病ともいえるドライアイ

そのほかシェーグレン症候群(自己免疫疾患のひとつで目や口腔内が乾燥する)やスティーブンス・ジョンソン症候群(角膜が上皮化して皮膚のようになる)なども涙液の分泌障害が起こり、重度のドライアイから視力障害を引き起こすこともありますから、以下のような検査を受ける必要があります。

シルマー試験
シルマー試験とは、涙の量を調べる検査のことで、規格に合った細い濾紙を下眼瞼(まぶた)の中央と耳側1/3位置の中間に引っ掛けて、5分間で濾紙がぬれる長さを測定します。
10mm以上が正常、5mm以下はドライアイの可能性が強くなります。似た検査に、綿糸を用いる方法もあります。

涙液層破壊時間(BUT)
目の表面を覆っている涙が、どのくらいの時間で乾燥し始めるかを調べる検査です。
フルオレセインという色素を点眼し、細隙灯顕微鏡で青色光を用いて目の表面を観察すると、涙に混ざった色素が黄色に見えます。

まばたきを止めて、真っすぐ正面を見ていると、しだいに目の表面が乾いて色素が消える部分が出現します。この時間をBUT(Tear Break Up Time)と呼び、10秒以上が正常、5秒以下ならドライアイの可能性が高くなります。

生体染色検査
目の表面が非常に乾燥すると、黒目の表面(角膜)や白目の表面(結膜)に障害を起こします。
特殊な色素を点眼して細隙灯顕微鏡で観察すると、障害を生じた部分が染まって見えます。
色素には、前述のフルオレセインや、ローズベンガルという濃いピンク色の色素を用いることもあります。

全身検査
涙の量が非常に少ない場合や、同時に唾液が少なく口の中が乾くといった症状がある場合は、シェーグレン症候群の可能性があるので、血液検査を行なう必要があります。
CRP赤沈値亢進など炎症反応が陽性であり、高ガンマグロブリン血症が認められた場合は、本症が強く疑われます。また、赤血球白血球も減る傾向にあり、貧血および白血球減少症は約30〜60%の頻度でみられています。

上記の検査で異常がみられた場合
まばたきの回数が減るために起こるドライアイの場合は、人工涙液やヒアルロン酸配合の点眼薬で涙を補います。
市販の目薬を頻繁に使用すると、涙の成分そのものを流してしまったり、分泌量が逆に減ってしまうことがあります。また、含まれている防腐剤によって角膜の表面が余計に傷んで、症状を悪化させる恐れがありますので注意しましょう。

人工涙液を点眼しても自覚症状に改善が見られない場合は、涙が排出される涙点(上涙点・下涙点)にシリコン製のプラグ(涙点プラグ)を挿入して、涙の排出を軽減します。
涙には細胞成長因子であるタンパク質やビタミンなどの重要な成分を含んでいます。
これは人工涙液では補うことはできません。涙点プラグを挿入することで、栄養を含んだ自分の涙で眼を潤すという点で優れた治療法といえます。
涙点プラグは、安全に挿入でき涙点の測定から挿入まで短時間でできますので外来での処置が可能です。保険が適用されますので、費用は3割負担の方で3500円くらいが一般的です。

ドライアイと診断された人やコンタクトレンズを装用している人は、意識的にまばたきの回数を増やすようにしましょう。疲れや乾きなどの自覚症状を感じたら、ディスプレイから視線をはずして、しばらく目を休ませたり、遠くをみるようにするとよいでしょう。

シルマー試験とは?

シルマー試験は、涙の量を測定する、ドライアイを診断するために欠かせない代表的な検査法です。ドライアイは、涙の量が不足して起こる病気で、診断には涙液が正常に分泌されているかどうかを調べることが重要になります。

涙がしみこんだ長さを測ります

シルマー試験はどのように行なわれるのか?
試験の方法は、大きさが7×50mmほどの細い濾紙(涙紙)の一端を少し折り曲げ、眼の涙点上に挟んで5分間まぶたを閉じます。濾紙に涙がしみこんでくるので、その数値を読み取って涙の量を計測します。

検査は1回だけとは限らず、必要に応じて5分ごとに何度か繰り返し、正しい涙液量を調べます。なお、ドライアイの症状によっては、まぶたのへこみにたまっている涙を綿糸で吸収して、その量を調べる綿糸法なども行われます。

検査結果の判定
シルマー試験による診断の目安は、5分間に出る涙の量が10mm以上であれば、正常と判断され、5mm以下であればドライアイが疑われます。ドライアイは症状が多種多様なので、ほかのドライアイの検査が必要に応じて試みられます。
例えば、涙の眼球表面を洗い流す能力を調べるために、色のついた目薬を点眼してその分量を測定したり、涙を作る涙腺や涙の通り道に異常がないかを調べる方法もあります。

また、眼球前面の傷や凹凸状態など表面の変化を検査する場合は、赤い色素(ローズベンガル)や蛍光色素(フルオレセイン)を用いて眼球の表面を染め、生体顕微鏡(スリットランプ)で調べることもあります。そのほか、アレルギー検査、知覚検査、そしてシェーグレン症候群などの病気が原因と考えられる場合は全身検査が行われます。

視力検査とは?

視力検査は、ものが見えにくい、二重に見えるなどの症状があるときに、最初に行なわれる基本的な検査です。角膜を通して眼に入ってきた光が、レンズの役割を果たす水晶体で屈折し、さらに硝子体を通過して、網膜にきちんと像を結び、その情報が正確に脳に伝えられているかを調べます。

ランドルト環

視力検査で何がわかるのか?
視力の異常は、水晶体の屈折異常(近視、乱視、遠視)、水晶体のにごり(白内障)、網膜の異常(眼底出血、網膜剥離)、角膜の変化(角膜炎、角膜ヘルペス)などで認められますが、視力検査でわかるのは、近視や乱視などの水晶体の屈折異常のみで、他の病気を診断まではできません。
そこで、眼に異常を感じたら、まず視力検査を行ない、その後に別の検査を行なって診断することになります。

視力検査はどのように行なうのか?
5m離れたところから、ランドルト環(太い円形の一部が切れている輪:写真参照)や文字の並んだ視力検査表を片目ずつ見て、どの大きさまで見えるかどうかを調べます。
肉眼で見た視力(裸眼視力)と眼鏡をかけた視力(矯正視力)の両方を測定します。
また、視力検査用の眼鏡枠をかけ、同じく5m離れた視力表をレンズを交換しながら測定する方法もあります。

まず、裸眼で右眼(左眼は遮蔽)から始めます。一番上の0.1から下へ読んでいき、その段の横に並んだ同じ大きさのランドルト環や文字を3つ以上判読できれば正読とし、裸眼視力とします。
0.1が判読できないときは、0.1が判読できるところまで近づき、その距離を『0.1×○m÷5=視力』の計算式にあてはめて視力とします。
視力が0.01以下の場合は、目の前で指の数を数えたり、指を動かして方向を判定する、光の点滅を判定などして、これらが判定できないときは視力0とします。

検査を受けるときの注意
検査の時に目を細めると、普通に目を開けているときよりもよく見えて(=視力が出る)、正しい視力を測定できません。無理に見ようとせずに、自然体で検査を受けましょう。また、片目を隠すときは、眼球を圧迫しないようにしましょう。

基準値
裸眼視力が1.0〜1.2あれば良好です。なお、運転免許を取得するには、両眼で矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを着用)0.7以上が必要となります。

異常があったらどうするか?
裸眼視力が0.7以上あれば、日常生活で支障をきたすようなことはありません。
裸眼視力が0.7未満は近視か乱視がですが、適切な矯正をしても視力が0.7未満の場合は、屈折異常の目の病気が疑われるので、精密検査を受け原因を確かめます。
屈折異常の場合は、0.7以上の視力が出るように眼鏡やコンタクトレンズを使用することになります。

疑われる主な病気の追加検査

異常な場合に疑われる病気
角膜炎、角膜ヘルペス、近視、乱視、遠視、老眼、白内障、緑内障、眼底出血、網膜剥離、視神経炎、脳腫瘍など

視野検査とは?

視野検査とは、一点を注視したときに周囲に見える範囲を視野計を用いて測定することをいいます。正常な人では、片目につき上方に60度、下方に75度、鼻側に60度、耳側に100度という広い視野を持っています。
通常、人は両眼で物を見ているので、片方の眼を隠さないと、自分の眼の視野に異常があるかどうかはわかりません。視神経の障害や緑内障などの眼疾患では、片方の眼が障害されたり左右の眼の障害の程度が違ったりします。したがって、左右別々に視野検査をする必要があります。

光が見えたら手元のブザーを鳴らします

目の健康状態を調べるために、昔から最も一般的に行われてきた検査方法は視力検査ですが、緑内障などの患者が増えてきている近年では、視力検査と並んで視野検査の重要性がクローズアップされてきています。

視野検査で何がわかるのか?
視野の異常をみることで緑内障をはじめ、多くの目の疾患がわかります。
緑内障では視神経の障害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、初期は自覚症状を感じることは殆どありません。定期的に視野検査を行うことで、緑内障の進行を知ることが出来ます。
網膜や視神経の病気や脳腫瘍の発見にも有効な場合があります。

視野検査はどのような検査か?
視野計の内側に顔を固定して中心のマークを見つめ、周辺に出現する小さな光が見えたらブザーを鳴らして、視野の範囲や欠落部を調べます。
片目ずつ行ない、両目の検査が終わるまでに30〜45分くらいかかります。
検査中のまばたきはかまいませんが、マークから目を離してはいけません。

視野検査では、「難しい」、「疲れる」、「注意力が落ちていって光が見えるか見えないかわからなくなる」などと感じることがあります。
視野検査は非常に繊細な検査であるため、しばしばこのように感じられます。
見える限界を探すため、光指標はだんだん暗い光になるからです。
検査は途中で中断しても、その時点からの検査再開が可能になっていますので、疲れや肩こりなどを感じたら申し出てください。

検査結果の判定
正常視野は楕円形で中心よりやや耳側に盲点があります。
初期緑内障では盲点の周囲に弓型の暗点が出現し鼻側の感度が低下します。
末期には中心のみ残存する場合や耳側のみ残存する場合があります。
視野検査と眼底検査(または眼底三次元画像解析検査)によって緑内障の重症度や進行の度合いが判定されます。

正常な視野範囲(左)と緑内障の視野範囲(右)

視野欠損はなく正常です。視野欠損(黒い部分)が広がりを見せています。

異常があったらどうするか?
疑われる病気の検査を行なって、治療を受けましょう。脳内疾患が疑われる場合は、至急、脳神経外科で頭部CT検査頭部MRI検査などの精密検査を行ないます。

眼の病気は何歳の人にも起こります。緑内障のように、かなり障害が進んでからでないと自分ではわからない病気も沢山あります。
多くの眼の病気は、早期発見、早期治療により失明を防ぐことができます。異常が発見されなくても、眼科で定期検査を受けることは非常に大切です。

異常な場合に疑われる病気
緑内障、網膜剥離、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、視神経炎、脳腫瘍など

眼底検査とは?

眼底検査とは、瞳孔の奥にある眼底を、眼底カメラや眼底鏡という器具を用い、レンズを通して観察し、眼底の血管、網膜、視神経を調べる検査のことです。網膜剥離や眼底出血、緑内障などの目の病気を調べるときに行ないます。

眼底の拡大画像

また、眼底の血管は人間の体の中で唯一直接に血管を観察できる部位のため、そこを観察すると動脈硬化、脳腫瘍、高血圧、糖尿病などの全身の病気が推察でき、生活習慣病の検査としても重要です。

眼底検査で何がわかるのか?
網膜の病気だけがわかるだけでなく、動脈硬化の進み具合がわかります。
眼底には脳へと繋がる視神経の出入り口がありますので、脳内の血管の状態も推測でき、脳の病気や診断にも役立ちます。高血圧や糖尿病による血管の変化を見るうえで欠かさない検査です。

眼底検査はどのような検査か?
眼底検査には次のような方法があります。いずれも散瞳薬を点眼して瞳孔を広げて行ないますが、最近では無散瞳カメラを使って検査する場合もあります。検査時間は数分で痛みはありません。

直像検査法
瞳孔に光を入れて、検眼鏡で眼底を観察します。約15倍に拡大できますが、網膜の中心部しか観察する事ができません。

倒像検査法
瞳孔に光を入れ、反射してきた網膜像を凹面鏡に映してみる方法です。網膜全体を見ることができますが、5倍くらいにしか拡大できません。

細隙灯顕微鏡による眼底検査
レンズの付いた三角錐の三面鏡に眼底を映し、それを細隙灯顕微鏡で観察する方法です。
眼底とその周辺まで、鮮明に映し出すことができますが、点眼麻酔が必要となります。

多くは直像検査法と倒像検査法をあわせて行ないます。いずれも、検査をしながら撮影する眼底撮影も行ないます。近年は、より精度の高い眼底三次元画像解析検査が一部の眼科医療機関で導入されています。

検査結果の判定
網膜剥離がおこると青白く混濁して見え、さらに進行すると盛り上がり、しわ状に見えます。
糖尿病網膜症では、眼底の毛細血管瘤や血管新生、出血斑を認めます。さらに詳しく血管の状態を調べるために、蛍光眼底造影検査を行います。
緑内障が疑われる場合は、視神経乳頭が白くなり、陥凹を認めます。ただし、強度の近視の人にも視神経乳頭の陥凹がみられる場合がありますので、緑内障かどうかの診断は、視野検査眼圧検査細隙灯顕微鏡検査隅角検査などを行なって、それらの結果を総合的に見て行ないます。

異常があったらどうするか?
網膜の病気が見つかれば、治療を行ないます。特に、眼底出血が認められた場合は、放置しておくと失明の恐れが強いので、至急の治療が必要です。
高血圧や糖尿病で動脈硬化が進行していることがわかれば、生活管理を徹底して病気をコントロールしないと、危険な事態になりかねません。

異常な場合に疑われる病気
緑内障、網膜剥離、糖尿病性網膜症、眼底出血、網膜色素変性症、眼内腫瘍、視神経萎縮、乳頭浮腫、脳腫瘍、くも膜下出血など

細隙灯顕微鏡検査とは?

細隙灯顕微鏡検査とは、細隙灯(さいげきとう)と呼ばれる拡大鏡を使い、帯状の光を目に当てて、目の病気を調べる検査のことです。結膜、角膜、前房水、虹彩、瞳孔、水晶体などが検査でき、特殊なレンズを用いると後眼部の硝子体や網膜の状態まで検査できます。
細隙灯顕微鏡検査は目の検査の中でも非常に重要なもので、通常、診察のつど行われます。

細隙灯顕微鏡

細隙灯顕微鏡検査で何がわかるのか?
まぶた、角膜(黒目の表面)、結膜(白目の表面)、虹彩(茶眼)、水晶体(レンズ)などの傷や炎症、そして緑内障、白内障など、多くの目の病気が診断できます。
また、細隙灯顕微鏡用の眼圧計を使って眼圧の測定や、検査用のコンタクトレンズを使うことにより、詳細な眼底検査も行なえます。

細隙灯顕微鏡検査はどのような検査か?
顔をあごあてにのせた患者の目の拡大像を写し出して調べます。
目を照らす光ビームは薄いスリット光になっているため、眼科医は患者の目をよく見ることができます。検査は痛みもなく、短い時間で簡単にすみます。

異常があったらどうするか?
発見した異常に対する治療を行ないます。白内障が疑われた場合は、眼底検査と視力検査を行ない、緑内障が疑われた場合は、この2つの検査に加えて、眼圧検査視野検査隅角検査を行ない、その結果と合わせて総合的に診断を行ないます。

異常な場合に疑われる病気
緑内障、白内障、結膜炎、虹彩炎、ぶどう膜虹彩炎、角膜異物など

眼圧検査とは?

眼圧検査とは、房水という液体によって保たれている眼球内圧(眼圧)を測定する検査です。
眼圧は、健康な目でほぼ一定ですが、房水の生産量と流出量のバランスが崩れると変動します。眼圧の変動は目の異常を知る重要な手がかりです。特に、緑内障を調べる際には、必ず行なわれる重要な検査です。

現在の主流は非接触型の眼圧検査です。

眼圧検査で何がわかるのか?
眼圧の高さで、高眼圧症(視神経や視野には障害はないが、眼圧が慢性的に高い)や、緑内障(視野に欠損がみられる)、網膜剥離、虹彩毛様体炎などの目の病気にかかっているかどうかを調べることができます。

眼圧検査はどのような検査か?
検査の方法は次の3つがあり、いずれも数分以内ですみます。

ゴールドマン眼圧計
細隙灯顕微鏡に眼圧計がついていて、角膜に色素をつけ、そこに眼圧計を密着させて測定します。現在、最も多く行なわれている検査方法です。
患者さんは腰掛けて台にあごをのせ、点眼薬で麻酔をします。

シェッツ眼圧計
仰向けに寝て点眼薬で麻酔し、眼圧計を角膜に当てて測定します。
入院中などで横になった患者さんの検査に用いられます。

空気圧による眼圧計
圧搾空気を吹きつけて、角膜のへこみ具合によって眼圧を測定する方法です。
器具が患者さんの目に直接触れることはないので、麻酔などの必要がなく、30秒もあれば行なえる簡単な検査です。定期健診や人間ドックなどでよく行なわれる検査方法です。

眼圧の基準値範囲
基準眼圧は7〜21mmHgの範囲内です。ただ、緑内障の中には「正常眼圧緑内障」といって、眼圧が正常範囲内でも視神経障害が進んでいくタイプもあります。日本ではこの正常眼圧緑内障の割合が高いので、眼圧の検査とともに、網膜、血管、視神経乳頭の異常を調べる眼底検査も受けたほうがいいでしょう。

検査を受けるときの注意
どの検査タイプでも痛みはありませんが、検査の際に過度の緊張、力みがあると一時的に眼圧が上昇して、正確な数値が把握できませんので、リラックスして検査にのぞみましょう。

検査結果の判定
結果はその場ですぐにわかります。正常眼圧は10〜20mmHgです。
高値なら緑内障を疑い、視野検査眼底検査(または眼底三次元画像解析検査)、隅角検査などの精密検査が必要です。
逆に、基準値下限の7mmHgより低い場合は網膜剥離などが疑われますので、こちらも場合も精密検査が必要となります。

異常があったらどうするか?
高い眼圧が続く場合は治療を開始しないと、失明の恐れが出てくるので、精密検査で原因を調べ、治療を開始します。

異常な場合に疑われる病気

  • 高値…緑内障、高眼圧症
  • 低値…網膜剥離、脈絡膜剥離、外傷、脱水、虹彩毛様体炎など

隅角検査とは?

隅角とは、正面から見えない、角膜と虹彩の根元が交わる部分をいいます。この部分には、眼圧を調節する房水(眼内組織に栄養を運ぶ液体)の排出口があり、隅角検査はとくに緑内障を診断する上で欠かせない検査です。

隅角検査の様子です

隅角検査で何がわかるのか?
急性(閉塞隅角)緑内障を起こしやすい狭隅角かどうか、あるいはその程度を把握することができます。また、隅角の状態を見ることで、緑内障のレーザー治療が必要な人もわかります。
さらに、虹彩・毛様体・脈絡幕に炎症ができるブドウ膜炎の診断の際にも有用ですし、散瞳が安全に出来るかの確認にも使われます。

隅角検査はどのように行われるのか?
隅角から来る光は角膜の表面ですべて反射されてしまい、外部から肉眼で見ることはできません。検査を行うときは、まず点眼麻酔剤を点眼し、角膜保護剤をのせた医療用コンタクトレンズ(隅角鏡)を眼に接触させ、隅角の状態を細隙灯顕微鏡によって観察します。

細隙灯顕微鏡を用いて拡大すると、房水の排出口が開いているか目詰まりを起こしているか、瘢痕組織があるかどうかを調べることができます。
隅角検査は年1回行われますが、緑内障の種類によっては半年ごと、あるいはそれ以上のペースで行われることもあります。

以下の疾患の診断・管理に利用されます
緑内障、ブドウ膜炎、網膜血管閉塞性病変(糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症)、眼外傷など

眼底三次元画像解析検査とは?

緑内障は、眼球の内圧により、視神経が圧迫、障害され、視野が狭くなったり、視力が低下する病気です。一度失われた視神経は回復せず、中途失明の原因第二位になっている病気です。
緑内障の検査としては眼圧測定視野検査眼底検査が行われていますが、日本人の場合は、眼圧は正常なのに視神経が障害される「正常眼圧緑内障」が多いので、早期発見のためには視神経乳頭の状態をみる眼底検査が重要になっています。

緑内障で狭くなった視野の画像です

視神経乳頭は、脳から眼球の中に入ってくる視神経が束状になっている部分で、赤味を帯びた円形として見られます。緑内障を発症すると眼圧でこの部分が押されて、「凹み(へこみ)」が大きくなり、白くなって見えます(視神経線維の数が減少している)。

しかし、従来の眼底検査は平面写真で診断するため、視神経乳頭の凹み具合の判定は、眼科医の技量・経験によって開きが生じるという問題がありました。
そこで、客観的かつ的確に眼底を診断できる手段として生まれたのが眼底三次元画像解析検査です。解析の方法には共焦点走査レーザー眼底鏡(HRT)、共焦点走査レーザーポラリメーター、光干渉断層計(OCT)の3種類があります。

共焦点走査レーザー眼底鏡
目に微弱なレーザー光を照射して、眼底の断層写真を撮影します。そのデータをもとにコンピューターで眼底の様子を立体的に再現し、視神経乳頭の陥没の程度を計測して、異常の有無を自動的に判断する検査です。

共焦点走査レーザーポラリメーター
共焦点走査レーザー眼底鏡と同様にレーザー項を照射して、神経線維層の厚みを計ります。この装置は、ごく早期の緑内障でも発見できます。

光干渉断層計(OCT)
赤外線の光を使い、網膜の断面増を詳細に描きます。視神経乳頭の陥没、神経線維層の厚みの両方を調べることが出来ます。

検査を受けるときの注意点
これらの検査を行う機器は近年に登場したばかりもので、高価なこともあり、設置している眼科医療機関は全国で1割以下となっています。また、この検査を受ける患者さんは、保険診療分の自己負担のほかに検査代として保険外の費用を負担する必要があります。1回の検査につき2000〜5000円が平均的な金額のようです。

網膜電図検査とは?

網膜電図検査は、心電図のように電位変化を記録して、その波形から網膜の働きが正常かどうかを調べるものです。網膜剥離や網膜色素変性症、黄斑変性症など網膜の異常を発見します。

電極を埋め込んだコンタクトレンズです

また、白内障や、角膜が濁っていたり、硝子体に出血があって眼底検査ができないときにも行います。白内障や角膜移植の手術前に網膜機能の状態を推測し、手術の適応(手術で視力が回復するかなど)を決めるのにも役立つ検査です。

網膜電図検査はどのように行われるのか?
暗室のベッドで横になり、点眼麻酔をして、電極を埋め込んだ特殊なコンタクトレンズを装着します。その後、眼球内の網膜に光を照射すると、網膜と角膜の間にある電位(静止電位)に変化が生じるので、この電位変化を増幅して記録し、細かく分析すると、網膜自体の機能がよくわかります。

検査結果の判定
電位変化が初期から大きく低下する、あるいは消失するなどがみられるなどは、網膜色素変性症の典型的な特徴です。網膜色素変性症が疑われている場合は、既に視力検査眼圧検査視野検査眼底検査が済んでいるはずですので、さらに蛍光眼底造影で、暗順応(夜盲を調べる)の検査を行って確定診断をつけます。
網膜色素変性症は厚生労働省の「特定疾患(難病)」に指定されており、いずれの検査も、この認定を受けるためには欠かせなません。

光干渉断層計とは?

光干渉断層計(OCT)は、眼底三次元画像解析のひとつで、眼底に弱い赤外線を当て、反射して戻ってきた波を解析して、網膜の断層を描き出す装置のことで、加齢黄斑変性症や黄斑浮腫、黄斑円孔の診断や、緑内障における視神経繊維の状態を調べる際に役立てられています。

OCTによる網膜の断面写真です

※上の写真は正常な網膜の断層画像、下は加齢黄斑変性症を発症した網膜の画像です。下の写真では、網膜と脈絡膜の間に黒い部分が見えますが、これは網膜が浮き上がってできた隙間です。

眼底の断面の様子を見ることができるので、新生血管(異常な血管)の有無はもちろん、その大きさや形、深さなどもわかります。また、新生血管と中心窩(黄斑の中央にある黒ずんだくぼみ)との位置関係を調べるのにも役立ちます。

数分で検査ができるうえに、造影剤も使用しないので、患者にかかる負担はほとんどありません。近年では、SLO(走査レーザー検眼鏡)と組み合わせて、従来は不可能だった立体解析を可能にした診断装置も登場しています。

眼科の超音波検査とは?

白内障が重くなり、水晶体の濁りがひどくなってくると、患者はものが見えなくなってきます。このような濁りは、眼科医の側からいっても、眼球の中が観察できなくなくなるため、診察しづらく判定に困難を極めます。そこで登場するのが、眼球の超音波検査です。

網膜剥離を起こしています

超音波検査は、内科や産婦人科では腹部エコーといって、超音波を使ってお腹の中の様子を観察しますが、眼科でも小型の超音波装置を使って眼球内を観察します。CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像診断)のような大がかりな装置が必要なく、簡単で検査の場所も選ばないため、便利な検査法です。

眼球内の組織に超音波を当てて、反射してくる波を画像化し、眼球内の様子を調べます。とくに白内障の手術の際、眼内レンズの度数を決める上で欠かせない検査です。また、網膜剥離や硝子体出血、腫瘍の有無などを調べるときや、眼球の長さや角膜の暑さを判定する場合にも使われます。

蛍光眼底造影検査とは?

糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症の診断には欠かせない検査です。血液の流れの状態や、通常の眼底検査では発見できない病変の状態を詳しく調べることができます。

フルオレセインを使った蛍光眼造影の画像

また、網膜の血管から血液の成分が漏れているかどうか、漏れていればその場所はどこか、といったことも判定できます。糖尿病網膜症の場合、レーザー光凝固術が必要かどうかを判断するうえで、蛍光眼造影底検査は大きな助けになります。

蛍光眼底造影検査はどのように行なうのか?
腕の静脈から色素(フルオレセインまたインドシアニングリーン)を注射しながら、眼底カメラで網膜の血管の連続写真をとります。血液に入った色素は蛍光を発しますので、フィルターを通すと白く写ります。毛細血管が詰まっている部分は暗く写るため、正常な部分とはっきり区別することができます。

異常な場合に疑われる病気
糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、網膜血管梗塞、ぶどう膜炎など

涙道・涙管ブジーとは?

この検査は、涙が異常に多い流涙症(涙目)や、目やになどがよく出て、涙液を排出する通り道に異常がある場合に行なわれます。
検査方法は、先の曲がった涙洗針をつけた注射器に生理食塩水を入れ、それを涙点から涙道内に注ぎ、生理食塩水が鼻腔に正しく排出されるかどうかを調べます。

鼻涙管閉塞症の診断、治療に欠かせません

また、生理食塩水が上手く流れずに、どこかが詰まっていると考えられる場合は、涙管に細い針金(ブジー)を通し閉塞部分を調べます。
涙道・涙管ブジーは、検査を目的として行われる場合と、子供に対して涙道管の洗浄と開通を目的とした治療として行われることもあります。

検査結果の判定
涙点から生理食塩水が逆流している場合は、鼻涙管閉塞症であると診断されます。加えて、その中に膿が多くみられる場合は、涙嚢炎を合併していると考えられます。

涙道の狭窄や閉塞を改善するには、金属の針金(ブジー)を涙点から鼻涙管まで挿入して、狭窄部を拡張したり、閉塞部を突き破る(鼻涙管開放術)などの治療が必要です。近年では、ブジーの先端にCCDカメラが搭載された涙道内視鏡も登場しています。涙道の内部を直接モニターで観察でき、従来のブジーより、安全で確実に閉塞部位や狭窄部位を穿破・拡張できます。涙道内視鏡のおかげで、鼻涙管閉塞症の治療は進歩しました。

細菌学的検査とは?

眼の病気のうち、細菌やウイルス感染が疑われる場合、常に行われる検査です。
検査の方法は、患者の分泌物や組織のごく一部を採取して、培養法や顕微鏡などによって細菌やウイルスの種類を特定します。また、薬に対する感受性を調べることも検査の大きな目的になります。

細菌やウイルスが疑われる場合に行われます

細菌学的検査は、眼の病気の予防と治療方針を決めるために必要で重要な検査ですが、採取方法や検査法は内科や外科の場合と同様、それほど違いはありません。

角膜は殺菌効果の高い涙の膜で覆われ、さらに上皮とボーマン膜で保護されているので、最近や真菌(カビ)による感染は起こりにくくなっています。

しかし、これらの防御壁を超えて病原体が角膜に進入すると、角膜には血管がないので、白血球などの援軍が来ず、ダメージが大きくなってしまいます。
症状が軽く治癒しても、角膜に白斑が残ったりします。また、潰瘍などが悪化すると感染が目の全域に広がり、高度の視力障害や失明の原因にもなります。

異常な場合に疑われる病気
細菌性結膜炎、角膜ヘルペス、角膜真菌症、角膜潰瘍、点状表層性角膜炎など

斜視の検査

通常、ものを見るときは、両方の目の視線がまっすぐに向けられます。ところが、左右の目の視線の方向が一致しないことがあり、これを斜視といいます。
片方の目が正面を見ていると、もう片方の目が別の方向を向いています。右目で見ると左目がずれ、左目で見ると右目がずれるというと、左右交互に視線がづれる場合もあります。

内斜視と外斜視があります

斜視は、光を正面から当てたとき、片方の目の黒目(瞳孔)が鼻側による「内斜視」、片方の目の黒目が耳側による「外斜視」があり、そのほか上下や斜めによるものもあります。
最近、手術による治療を受けたテリー伊藤さんは外斜視でしたが、原因は学生運動の最中に、"味方"の投石が直撃したことだそうです。

遠視や乱視の有無、目の位置などを調べる
斜視の診断の際、必ず行われるのが、光を正面からあてて斜視の状態を確認する検査です。正常な場合、光は両目とも黒目の中央に投影されます。

一方、内斜視の場合、視線がずれているほうの黒目は内側によるので、光は黒目の外側(耳側)に投影されます。外斜視の場合は、視線がずれているほうの黒目は外側によるので、光は黒目の内側(鼻側)に投影されます。

この検査に加えて、「視力検査」や、遠視、近視、乱視などの有無を確認する「屈折検査」、目の位置を確かめる「眼位検査」などが行われます。また、眼球運動を調べる「眼球運動検査」、立体的にものを見ているかどうかを判断する「両眼視検査」なども必要となります。

眼振検査とは?

めまいの検査の中で最も重要なのが、眼球の動きに異常がないかどうか調べる眼振検査です。めまいが起きているときは、眼振(眼球が一方に片寄ったあと、中央に戻る動き)が現れるため、めまいの起こりやすさを診断することができます。
眼振検査は、さまざまな条件の下で、眼振が起きるかどうか調べるもので、「注視眼振検査」と「非注視眼振検査」があります。

フレンツェル眼鏡の装着写真です

注視眼振検査
物を注視した状態で眼振の有無を調べる検査です。頭を動かさずに、視線を上下左右に移して、その際に眼振が現れるかどうかを観察します。

非注視眼振検査
物を注視しない状態で、眼振が起こるかどうかを調べる検査です。目の焦点が合わないようにするためにフレンツェル眼鏡(写真参照)という検査用の特殊なメガネをかけて行います。
フレンツェル眼鏡は、厚い凸レンズが付いており、かけると、目の焦点が合わなくなり、物が見えにくくなります。眼科医からは患者の目が拡大されて見え、眼球の動きがよく観察できるようになっています。

非注視眼振検査では、頭の位置を左右に動かし、そのつど眼振が現れるかどうかを調べます。そのほか、横になった状態で、耳の中に温水を入れて、眼振が現れるかをみるもことあります。
最近では、赤外線CCDカメラを用いて、眼球の動きを録画する眼振検査を行うこともあります。

眼振検査で何がわかるのか?
内耳の障害がある人は、非注視眼振検査で眼振が現れやすく、注視眼振検査では眼振が現れにくくなります。また、小脳や脳幹に障害のある人は、双方の検査で眼振が起こります。

小脳や脳幹には内耳の働きを補う機能があり、内耳の障害によって眼振が起こりそうになると、物を注視することで眼振を抑えようとします。この小脳や脳幹の機能が正常に働かないと、ものを注視する注視眼振検査でも眼振が現れることになります。
一方、障害が内耳にある場合は、小脳や脳幹の機能は正常に働くため、注視眼振検査では眼振が起こりにくくなります。

視覚誘発電位とは?

ものが見えるということは、眼球が正常であるということだけではできません。眼球から視神経が脳の中につながっていて、後頭部付近に「見えた」と最終判断を下す視覚領(脳の一部)があり、これが正常でなければなりません。

白内障の手術前に行われます

何らかの病気で視神経から視覚領までの道が異常を起こすと、たとえ眼球が正常でもハッキリと見えなくなります。視覚誘発電位というのは、視覚領からの電気反応のことです。点滅している光や、白黒反転する市松模様などを見せた場合、正常に見えていれば、ある一定の電位変化を示します。

白内障の手術前に、眼球内の網膜や硝子体の状態が、網膜電図超音波眼球検査でわかったら、その先はどうなっているか調べるためにこの検査が行われます。

視覚誘発電位は、直径1cmの銀板皿状の電極を、毛髪の上から後頭部に貼り付けます。検査は方目ずつ行い、座った姿勢で点滅する光や市松模様を2〜3分見つめます。その間に、光の刺激によって誘発される小さな電位変化が、脳波の中に発生します。それを特殊なコンピュータで処理して、視覚誘発電位のみを抽出記録します。

この電位が記録されないということは、視神経をはじめ脳の中に病変があることを示唆しますから、白内障の手術をしても、視力の上昇は期待できないといえます。

聴力検査とは?

音は空気の振動で、音波として外耳道に入って鼓膜を振動させ、耳小骨から内耳に伝えられます。さらに内耳では前庭や三半規管と呼ばれる器官から神経により脳に伝えられます。

伝音・感音難聴の有無を調べます

聴力検査とは、外耳から耳小骨までの間に原因がある伝音難聴や、内耳から脳までの間に原因がある感音難聴の有無を調べる検査です。伝音難聴は中耳炎かが、感音難聴は先天性難聴、耳下腺炎、ウイルス感染症、聴神経腫瘍などが原因となります。
なお、内耳の異常を調べるために、骨伝導検査が行なわれることもあります。

聴力検査はどのような検査か?
防音室に入ってヘッドホンをつけ、聞こえる方の耳から片方ずつ調べます。
オージオメーターという機械から発する音を聞き、音の大きさ(単位はデジベル=DB)はどのくらいのから聞こえ始めるか、音の高低(波長、単位はヘルツ=Hz)はどの範囲から聞こえるかを調べます。
単純な音について調べる純音聴力検査と、「い、ろ、は」などの言葉を調べる語音聴力検査が行なわれます。
次に、伝音難聴か感音難聴かを調べるために、骨導イヤホンを耳の後ろ側の骨につけて調べます。検査にかかる時間は20〜30分くらいです。

検査結果の判定

  • 軽度の難聴(30〜50dB)…(1)普通の会話には不自由しない。ささやき声や小さな声が聞き取りにくい(30〜40dB)、(2)会議の場では聞き取りが少し困難となる。1対1の会話には不自由しないが、聞き違えが多くなる。(40〜50dB)
  • 中等度の難聴(50〜70dB)…会議の場での聞き取りが困難となる。1mくらい離れた大声はわかる。
  • 高度の難聴(70dB以上)…(1)50cm以上はなれると会話が困難(70〜80dB)、(2)耳にくっつけるようにして話さなければ、会話の聞き取りができない。(80〜90dB)
  • 全聾(100dB以上)…会話が全く聞き取れない。

異常があったらどうするか?
難聴の場合、中等度以上になったら補聴器が必要になります。めまいをともなう人は平衡機能検査を行ないます。病気のある人は、原因を確かめ、その治療にあたります。

異常な場合に疑われる病気
難聴(老人性、中毒性、内耳炎、中耳炎、外傷によるものなど)、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など