病院の検査の基礎知識

消化器の病気の検査の一覧

胃の病気の多くは、暴飲暴食やアルコールの過剰摂取など、不摂生な生活の積み重ねがもたらすといってもよいでしょう。また、胃は脳のコントロールを受けているため、ストレスを溜め込むことも、胃の病気の誘引になります。

胃、十二指腸、小腸、大腸の検査

言い換えれば、こういった不摂生やストレスを避け、規則正しい食生活とストレス発散を心がけることが、胃に負担をかけない大事なポイントになります。

腸の病気に関しては、便秘と下痢の有無が一つのバロメーターとなります。便秘そのものは病気ではありませんが、病気のために便の通過障害が起こり、その症状の一つとして便秘が生じることがあります。たとえば、腸閉塞、大腸がん、大腸ポリープといった病気です。急に便秘になったり、便秘が急にひどくなるなど、排便に異常が生じたときは、早めに受診しましょう。

  • 胃がん検診…2016年4月より胃カメラ(内視鏡検査)が追加されました。
  • 大腸がん検診…がん種別の死亡者数で第2位の大腸がんを早期発見します。
  • 上部消化管X線造影検査…食道がん、胃がん、胃・十二指腸潰瘍の診断に有用です。
  • 上部消化管内視鏡検査…病変の大きさや出血の有無がわかり、確定診断に役立ちます。
  • 経鼻内視鏡検査…鼻からスコープを挿入し、食道、胃、十二指腸を調べます。
  • CEA…主に胃がん、大腸がんがある場合に、高い数値を示す腫瘍マーカーです。
  • ピロリ菌検査…ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因になるといわれています。
  • 胃液分泌機能…胃液の分泌量や酸度、色などを調べ、胃炎などの治療の参考にします。
  • ガストリン…ゾリンジャー・エリソン症候群を診断する際に必ず行なわれます。
  • ペプシノーゲン…胃粘膜の萎縮の広がり、胃液の分泌機能などが分かります。
  • 超音波内視鏡…消化管の腫瘍などを詳しく調べる際に利用されています。
  • カプセル型内視鏡…小さなカプセル型の内視鏡を飲み込んで、消化管を観察します。
  • ダブルバルーン内視鏡検査…小腸の腫瘍や炎症などを早期発見・治療が可能です。
  • 便潜血反応…採取した便に試薬を混ぜ、その変化で血液の混入判定を行ないます。
  • 注腸X線検査…大腸がんのほか、クローン病、潰瘍性大腸炎などが診断できます。
  • 大腸内視鏡検査…肛門から内視鏡を挿入し、大腸の病変を直接観察します。
  • 仮想大腸内視鏡検査…内視鏡を挿入せずに、CTで大腸を撮影し、3D画像化します。
  • 直腸診…患者の肛門に医師が指を挿入して、肛門や直腸下部の病変を探ります。
  • 直腸鏡検査…筒状の鋼製鏡を肛門から挿入し、直腸内を直接観察します。
  • 肛門鏡検査…痔核の程度や痔ろう、裂肛、ポリープなどがないかを調べます。

ダブルバルーン内視鏡検査とは?

小腸は長さが数メートルある消化管の中央にあり、栄養の吸収を担っている重要な臓器ですが、同じ消化器である胃や大腸と異なり、口からも肛門からも遠いため、従来の検査法では小腸の全域を内側から確実にとらえることは困難とされてきました。そのため、内視鏡技術が進歩を遂げてきた過去30年も、小腸は「暗黒の臓器」と呼ばれてきました。

ダブルバルーン小腸内視鏡

この状況を変えたのが、自治医科大学の山本博徳氏が考案し、現在では世界40ヵ国で臨床導入が進んでいるダブルバルーン内視鏡です。この内視鏡の登場により、小腸の全観察が可能となり、小腸の腫瘍や炎症、血管性病変など、胃や大腸とは異なった疾患を早期発見・治療することができるようになりました。

ダブルバルーン内視鏡検査で何がわかるのか?
従来からあるバリウムによる小腸の造影検査では、小腸が重なって病変部が見にくく、細かい変化は捉えきれないという欠点がありました。また、CTやMRI検査では、腸閉塞などの大きな病変は分かりますが、潰瘍や血管病変などの粘膜病変は検出できませんでした。

欧米で広く普及し、国内でも承認されているカプセル内視鏡は、患者へ負担は小さいですが、腸の蠕動運動で移動しながら撮影するため、異常が見つかっても詳しい検査や治療はできないという欠点がありました。

一方、ダブルバルーン内視鏡は、患者への負担という点ではカプセル内視鏡には及ばないものの、手元のコントローラーでカメラを自在に動かすことができるため、従来の検査では発見が困難とされてきた小さな病変部まで詳しく検査することができます。
また、その場で組織の採取が可能ですので、判別の難しいクローン病と腸結核の鑑別や、腫瘍の診断が確実につきます。さらに、止血、ポリープの切除、閉塞部分の拡張などの治療も可能です。

そのほか、手術による癒着の影響で通常の下部消化管内視鏡検査で挿入が困難であったりした場合にも、ダブルバルーン内視鏡が下部消化管内視鏡検査として有用です。また、胃の手術後の胆管造影検査にも応用できるとされています。

ダブルバルーン内視鏡検査はどのように行うのか?
原則として入院が必要となります。小腸内の予想される病変部位によって口と肛門のどちらから挿入するかを決めます。検査前日の午後9時以降は絶食となりますが、経肛門挿入の場合は、検査食の摂取が必要な場合がありますので、医師の指示に従ってください。

検査当日は、検査着に着替えて、ベッドの上に横になります。静脈麻酔をしてから、ダブルバルーン小腸内視鏡を経口もしくは経肛門的に挿入します。内視鏡の先端についたバルーン(風船)を手元のコントローラーで膨らませたりしぼませたりしながら腸管を手前に折りたたむように短縮させ、尺取り虫の動きのように、内視鏡を小腸の深部へ進めていきます。

検査の所要時間は約1〜2時間ですが、小腸全体を検査する場合は、経口的挿入と経肛門的挿入の両方が必要ですので2回に分けて行います。特に問題がなければ検査当日から普段どおりの食事が可能です。

異常があったらどうするか?
内視鏡的ポリープ切除術、出血源に対する止血術、またクローン病などに合併しうる小腸狭窄に対しては、バルーンを用いた拡張術など内視鏡的処置を行います。万一、内視鏡による処置が困難な場合には、病変部に点墨(粘膜下層にごく少量の墨を注入して、印をつけること)して、後に行う治療の際の目印とします。

異常な場合に疑われる病気
小腸出血、小腸腫瘍、小腸狭窄、ポリポーシス症候群、クローン病、腸結核、CMV腸炎など

カプセル型内視鏡検査とは?

小さなカプセル型の内視鏡を飲み込んで、消化管の内部を観察します。海外での研究、開発が進んでいましたが、日本国内でもオリンパスメディカルシステムズをはじめ各社が薬事申請をしています。2007年10月より、小腸用カプセル内視鏡「ギブン画像診断システム」が、初めての保険適用となり、全国約40カ所にて利用できるようになっています。

保険適用された「ギブン画像診断システム」

カプセル型内視鏡の検査で何がわかるのか?
小腸の病気や原因がわからない消化管の出血の診断に役立ちます。ある病院の調査では、上部消化管にも大腸にも出血源の見当たらない事例でカプセル内視鏡を行った結果、約9割で何らかの小腸病変が発見されたとしています。

カメラコントロールはできないものの、体にかかる負担が少ないカプセル内視鏡でスクリーニング(ふるい分け)し、病変の疑われる患者には、カメラを自在に動かすことができ、病変を見つけたときにはその場で処置も可能なダブルバルーン内視鏡で検査する、というように二つの検査を組み合わせると非常に有用です。

カプセル型内視鏡による検査はどのように行うのか?
患者は直径1cmくらいのカプセルを水と一緒に飲み下します。カプセルは食道、胃を経て小腸に到達します。毎秒2コマの画像を撮影し、患者の腹部に付けたハードディスクに画像データを発信します。カプセルは使い捨てで、8時間ほどの撮影を終えると、排便時に体外に排出されるようになっています。

医師は記録された約5万コマ(最大)の画像をワークステーション(WS)にかけ、必要な数十枚を解析します。撮影は簡単ですが、この画像分析(読影)には高い熟度が必要とされます。全部診るには、慣れないと2時間前後かかるとされています。このため、カプセル型内視鏡で検査をするかしないかは担当医が決定する場合が多く、患者の希望だけでは検査を実施できないことがあります。

また、病変部を見つけても治療や組織の採取ができないという欠点があります。
最近では、撮影機能と無線送信機機能を備え、磁気を利用してカプセル型内視鏡をコントロールしたり、病変部に薬剤を放出したり、体液を採取するといった開発も進められています。

異常な場合に疑われる病気
小腸潰瘍、びらん、アンギオディスプラジア(血管異形成)、クローン病、小腸がん

上部消化管X線造影検査とは?

上部消化管X線造影検査は、一般にいうバリウム検査のことで、X線を透過しない硫酸バリウムの乳化剤を飲んで、食道から胃・十二指腸までの上部消化管を造影し、テレビモニターで観察するとともに、X線撮影して、それらの臓器の病変を診断します。また、手術後の経過観察にも使われます。

濃淡や境界がはっきりと映し出されます

上部消化管X線造影検査で何がわかるのか?
食道、胃、十二指腸の病気の発見と診断のために行なわれます。特に食道がん、胃がん、胃・十二指腸潰瘍の診断に欠かせない検査です。

通常のX線検査と違うのは、バリウムを飲んで、さらに発泡剤で胃を膨らませて撮影するという点です。胃を膨らませて、その内面にバリウムを塗りつけた状態になるので、胃壁などに生じた病変を早い段階から発見することができます(二重造影法)。

がんや潰瘍、炎症などの粘膜の病変のほか、消化管に隣接する臓器の病変による影響、たとえば圧排(圧迫される)、偏位(位置がかたよる)、狭窄などの変形を見つけることもできます。

上部消化管X線造影検査はどのように行なうのか?
当日の朝食を抜き、一切の飲食をしない状態で検査に臨みます。検査前には、胃の蠕動運動を抑えて鮮明な画像を得るため、上腕部に鎮痙剤の筋肉注射をします。
通常、臭化ブチルスコポラミンという薬が用いられますが、緑内障、前立腺肥大症、甲状腺機能亢進症などがある人では、副作用(眼圧上昇など)が問題になることがあります。検査前に質問されますので、こうした病気がある人は医師に伝えましょう。

バリウムと発泡剤を飲むと、胃の中では発泡剤から発生した炭酸ガスで胃が膨らみ、バリウムが内壁のほうへ押しやられて付着します。二重造影法で消化管の内壁をはっきりと写し出すためには、内壁に薄くまんべんなくバリウムを付着させる必要があります。
そのため、機械で透視台を動かしたり、患者さん自身に体の向きを変えてもらったりして、バリウムを胃の中で動かし、内壁全体に行き渡るようにしているのです。

検査にかかる時間はおよそ10〜15分です。バリウムが少し飲みにくい(フルーツ味などがありますがやはり不味い)のと、ゲップを出したくなるくらいで、検査中の苦痛はありません。

検査後は水分を多めにとり、便秘に注意します。処方された下剤は、必ず飲んでください。2〜3日のうちに、バリウム(白色の便)が出ないときは、浣腸で出すこともあります。

検査結果の判定
消化管X線造影写真は、粘膜に付着したバリウムが白く映り、空気(発泡剤で発生したガスなど)は黒く映り、消化管粘膜の微細部までわかるコントラストのはっきりした二重造影となります。
異常の有無は、消化管の形状に狭窄や周囲の臓器のよる圧迫、偏位、変形がないか、がんや潰瘍、炎症はないかなど、X線撮影された消化管像の形状で診断します。

胃潰瘍の場合は胃粘膜がえぐれるため、側面像ではニッシェ(欠損部へのバリウムの溜まり)が見えたり、二重造影ではバリウムのたまりや、雛壁の集中像がみられます。
胃がんの場合は、不整なニッシェや大きな隆起像がみられます。胃ポリープはいぼ状の突起物のため、小さな円形の抜けた像としてみられます。十二指腸潰瘍は十二指腸球部の変形やニッシェがみられます。

異常があったらどうするか?
異常が見つかった場合は、再度、X線検査を受けたり、上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)などでさらに詳しく検査します。がんが疑われる場合は、内視鏡検査で組織を採取する生検を行なったり、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)検査などを行ないます。

異常な場合に疑われる病気
食道がん、食道炎、食道静脈瘤、胃潰瘍、胃がん、胃炎、胃ポリープ、十二指腸潰瘍など

上部消化管内視鏡検査とは?

上部消化管内視鏡検査とは、一般的に「胃カメラ」と呼ばれているもので、上部消化管X線造影検査(胃のバリウム検査)で胃がんや潰瘍が疑われたときに行なう最終検査です。
内視鏡には、従来から使われているファイバースコープと、近年開発された電子内視鏡があります。
ファイバースコープは細くて柔らかいグラスファイバーを3万本ほど束にしたもので、医師が内部を直接覗き込んで使用します。

胃カメラによる食道潰瘍の写真

一方、電子内視鏡は細い内視鏡の先端に超小型テレビカメラ(CCD)を取り付けたもので、現在はこちらが主流となっています。テレビモニターに映像が映し出されますので、複数の医師が同時に病変を見て、診断・治療を行なうことができるというメリットがあります。
近年では、口の代わりに鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡が、患者への負担が少ない検査として注目されています。

上部消化管内視鏡検査で何がわかるのか?
上部消化管X線造影検査で食道や胃、十二指腸に疑わしい影が見つかった際、その部分の粘膜を直接観察できるため、病変の大きさや形、色、出血の有無までがはっきりとわかり、確定診断に役立ちます。

また、がんが疑われるときには、内視鏡先端部の装置を使って疑わしい組織部を採取し、生検(組織細胞診)を行なえば確実に診断できます。5mm以下の非常に早期のがんもこの内視鏡検査で発見が可能です。

上部消化管内視鏡検査はどのように行なうのか?
検査前に、唾液や胃液の分泌を抑える薬と、胃の運動を抑える薬を筋肉注射し、さらに喉をスプレーで麻酔します。
まず、検査台に体の左側を下にして横になり、マウスピースを加えます。先端にレンズの付いた直径7mmほどのファイバースコープを挿入します。
先端が喉を通るとき、一瞬息がつまる感じがありますが、通ってしまえばあとは苦痛になりません。
ファイバースコープを挿入するとき、頭を後ろにそらしたり、首を横に動かすと喉や食道を損傷する恐れがありますので、医師から指示された姿勢を保つようにしましょう。
胃を観察するとき空気を入れるため、お腹が張る感じがしますが、ゲップは我慢します。

観察、生検(擦過)後、ファイバースコープを通して止血剤を胃の中に散布し、空気を吸引し、ファイバースコープをゆっくり抜いて検査は終了となります。時間はおよそ10〜15分、検査後20分くらいは安静を保ちます。

検査結果の判定
胃がんには、胃の粘膜がくぼんだ形(陥凹型)と、いぼ状に出っ張る形(隆起型)とがあり、また、がんの進行の程度のより早期がんと進行がんに分けられます。陥凹型のがんがあると、不整形の白い苔のようなもの(白苔)や出血、ひだの乱れなどが内視鏡で観察できます。確定診断は採取した組織を顕微鏡で調べる生検によって下されます。

胃や食道に炎症や潰瘍が認められた場合は、それらを観察することによって、性質や広がり、出血部位などが分かり、治療方針を立てたり、治療効果を判定したりします。静脈瘤は主に出血しやすいかどうかを観察し、出血しそうなときには治療を行なうことになります。

異常があったらどうするか?
正確な診断のため、内視鏡検査の際に採取した組織を用いて、生検が行なわれます。特にがんが疑われる場合は、生検が不可欠となっています。また、病名は確定しても、病変が組織のどの程度の深さまで達しているかは、内視鏡ではわかりません。そのため、超音波内視鏡検査などを行なって総合的に判断されます。

異常な場合に疑われる病気
食道炎、食道潰瘍、食道がん、胃炎、胃潰瘍、胃がん、食道・胃の静脈瘤、十二指腸潰瘍など

経鼻内視鏡検査とは?

一般に「胃カメラ」と呼ばれる、口からの内視鏡検査では、のどの奥にある舌根にスコープが接触してしまうため、嘔吐感(咽頭反射)と窒息感に悩まされる患者さんが少なくありませんでした。
この苦痛から検査を受けるのが遅れて、結果的に胃がんなどの上部消化管疾患が進行してしまうという問題がありました。

経鼻内視鏡の写真です

これに対して、鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査では、スコープが舌根部に触れることなく消化器に到達するため、嘔吐感はほとんどありません。鼻腔内には麻酔剤を塗布するため鼻の痛みもありません。

また、従来の内視鏡検査に比べ、検査中の心拍数と血圧・酸素濃度なども良好で、患者さんへの負担が大幅に減少することが照明されています。さらに、検査中は医師と会話することができるため、モニターに映し出される自分の胃の映像を見て質問をしたりすることもできます。

複数の病院の調査結果によると、「経口内視鏡検査は、二度とやりたくない」と答えていた人の90%以上が、「経鼻内視鏡検査ならまた受けてもいい」と答えています。

経鼻内視鏡検査で何がわかるのか?
食道、胃、十二指腸など上部消化管のあらゆる病気の診断ができます。組織を採取して調べる生検もできます。健康診断などでスクリーニング(ふるいわけ)検査に有用という意見も出てきています。しかし、従来の内視鏡に比べると画像がやや荒く、装着できる鉗子の種類や数が限定され、病変が見つかった際の治療が限られているというデメリットがあります。

経鼻内視鏡検査はどのように行われるのか?
検査前日の夕食後以降は飲食を控え、当日の空腹時に検査をします。仮に、朝食を摂っても6〜8時間経過すれば検査は可能ですので、午後の場合も問題ありません。まず前処置として、胃の中をきれいにするガスコンドロップを飲み、次に鼻を広げて通りを良くするための血管収縮薬(プリビナ)を鼻に噴霧します。
さらに、鼻の中に麻酔薬のキシロカインをスプレーし、ベッドで横になって喉にも麻酔薬を噴霧します。

胃の出口が自然に広がる左向きの体勢になり、左側の鼻からスコープを挿入します。検査は食道・胃・十二指腸の順に行われていきます。検査時間は5〜10分くらいです。
通常は鎮静剤(静脈麻酔、眠り薬など)を必要としないので、検査終了後は検査結果を聞いて、車を運転して帰ることも可能です。

異常な場合に疑われる病気
食道炎、食道潰瘍、食道がん、胃炎、胃潰瘍、胃がん、食道・胃の静脈瘤、十二指腸潰瘍など

胃液分泌機能とは?

胃液は塩酸、粘液、ペプシンなどの酵素からできていて、1日の分泌量は約1〜2リットルです。
胃液の分泌は、神経性要因(迷走神経)と体液性要因(ガストリンなど)の2つの要因の刺激・抑制によってバランスを保つように調整されています。
しかし、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、幽門狭窄など、胃になんらかの疾患があると、分泌量が増減したり、酵素が変動したりします。

胃のさまざまな疾患の手がかりとなります

胃液分泌機能を調べると何がわかるのか?
胃液の分泌量や酸度、臭い、色などをチェックすることにより、胃炎の治療や、胃・十二指腸潰瘍の手術の参考にしたり、ゾリンジャー・エリソン症候群の診断を行なったりします。ゾリンジャー・エリソン症候群とは消化管ホルモンのガストリンを作り出す腫瘍が原因で起こる病気で、胃酸分泌が異常に高く出ます。診断には胃液分泌機能の検査と血中のガストリン検査が必要です。

胃液分泌機能はどのように検査するのか?
検査は、胃の中を空っぽの状態にした早朝の空腹時に行ないます。まず、口または鼻孔より胃ゾンデと呼ばれる細いチューブを胃の中まで挿入して胃の基礎分泌液を採取します。その後、胃液の分泌を盛んにするための刺激剤を投与して、約10分ごとに胃の刺激分泌液を採取して検査します。

検査を受けるときの注意
空腹時に検査を行なう必要があるため、前日の夕食後からは絶食となります。ただし、喉をうるおす程度の水ならば、就寝前までは飲んでもかまいません。

基準値

  • pH値…1.5〜2.0
  • 基礎分泌量…30〜100ml/h
  • 最高分泌量…80〜200ml/h
  • 基礎酸分泌量…0〜8mEq/h
  • 最高酸分泌量…5〜20mEq/h

検査結果の判定
胃液の量が基準値より多ければ、胃と十二指腸とつながる部分である幽門の狭窄による胃の排泄障害が、胃液の量が少ない場合は、胃がんや慢性胃炎が考えられます。
また、胃液が真っ黒の場合は胃がん、血が混じっている場合は、胃潰瘍が疑われます。
採取した胃液が強い酸味の匂いを放っている場合は、胃潰瘍や胃炎、悪臭があれば胃がんや幽門狭窄が考えられます。
また、酸度テストで胃液酸分泌が上昇する場合は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群が、低下する場合は、胃炎や悪性貧血が疑われます。

異常があったらどうするか?
胃酸の分泌過剰の場合は、それに対応する薬が処方されます。ゾリンジャー・エリソン症候群の場合は、原因となるガストリン分泌腫瘍を手術で摘出することが最良ですが、腫瘍が小さすぎて確認できないときは、プロトンポンプ阻害剤を用いて胃酸の分泌を抑える治療を行ないます。。
胃液の分泌機能が失われ、内因子の欠乏による悪性貧血がある場合はビタミンB12の投与が全身症状に効果を示します。

異常な場合に疑われる病気
ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、悪性貧血、幽門狭窄など

ピロリ菌検査とは?

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の強い酸の中でも生きることができる菌です。螺旋状の形をしていて、胃の粘膜に住みついています。胃の中に入ってきた細菌は通常、胃酸によって殺菌されますが、ピロリ菌は持っている酵素によって、胃の中にある尿素をアンモニアに変え、アルカリ性のアンモニアで胃酸を中和して、胃酸の殺菌作用を逃れています。

ピロリ菌

ピロリ菌は胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因になるといわれています。はっきりしているのは潰瘍の一因になることで、胃・十二指腸潰瘍を繰り返し再発する人に薬を投与してピロリ菌を退治すると、ほとんどの人は再発しなくなることが確認されています。
ただしピロリ菌が陽性でも潰瘍にならない人、陰性でも潰瘍になる人がいて、ピロリ菌だけが胃・十二指腸潰瘍の原因とはいえません。ストレス、暴飲暴食、喫煙、体質などのほかの因子も深く関係していると考えられています。

ピロリ菌検査で何がわかるのか?
胃・十二指腸潰瘍を繰り返して再発する人に、その原因としてピロリ菌が関与しているかどうかを調べます。陽性と出ればピロリ菌の関与が濃厚になります。また、最近の研究では胃がんの発生との関連も注目されており、陽性の場合はさらに検査をすることが望ましいでしょう。

ピロリ菌検査はどのような検査か?

  • 呼気検査…尿素の入ったカプセルを服用する前と、服用後10〜20分に、吐く息を採取してそこに含まれる二酸化炭素の量を調べます。ピロリ菌が尿素をアンモニアに変えるときに二酸化他炭素が発生するので、ピロリ菌がいれば呼気に含まれる二酸化炭素の量が増えます。
  • 血液検査…血液を採取して、そこにピロリ菌に対抗する抗体が含まれているかどうかを調べる検査です。
  • 内視鏡検査…内視鏡で潰瘍を調べるとともに、胃粘膜も採取してピロリ菌を培養し、調べます。また、菌を尿素培地に入れ、作られるアンモニアを調べる検査や、菌の遺伝子を調べる検査も行なわれます。

検査結果の判定

  • 呼気検査…カプセル服用後に、二酸化炭素が増えていれば陽性です。
  • 血液検査…ピロリ菌の抗体が検出されれば陽性です。
  • 内視鏡検査…培養した菌が増殖したコロニー(菌のかたまり)が確認されれば陽性です。

異常があったらどうするか?
胃・十二指腸潰瘍を繰り返し、ピロリ菌が陽性であれば、抗生物質で除菌治療を行ないます。除菌治療では逆流性食道炎など色々な副作用が見られますが、自分で判断して薬を中止すると直りにくくなります。
また、併せてペプシノーゲン検査を行なうと、慢性胃炎や萎縮性胃炎の進行が判別できます。

異常な場合に疑われる病気
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃炎など

便潜血反応とは?

婦人科細胞診は、一般的な健康診断で実施されることはありませんが婦人科検診やレディースドックなどでは、必ず実施される項目です。そもそも、細胞診とは、体内に病変部が見つかった場合、その細胞が悪性か両性化を見分けるために行なわれる検査で、病変部の一部や細胞を採取して、この細胞を染色して正常なものと比較することによって診断を行なう検査のことです。

子宮がんは早期発見・治療が大切です

口から食道、胃腸を経て肛門まで続く長い消化管のどこかに出血があると、便に血液が混じります。出血が多ければ見るだけで判断ができますが、出血が微量だと肉眼ではわかりません。そこで、採取した便に試薬を混ぜ、その変化で血液の混入判定を行なう検査が便潜血反応です。

試験紙をつけて変色具合で判定します

従来は、血液中のヘモグロビンが酵素の働きで青く発色することを利用した、化学的潜血反応が行なわれきました。しかし、この方法は、食物中の動物の血液や野菜の成分などでも反応する(偽陽性)ため、食事制限が必要で、判定精度に問題がありました。
最近では、人のヘモグロビンだけに反応する免疫学的潜血反応という方法と併せて行なわれるようになり、偽陽性は少なくなっています。

便潜血反応で何がわかるのか?
消化器にがんや潰瘍などの消化器病がある場合には、しばしば出血をして便に血が混じるため、便に混じった血液を検出することによって消化器の病気を見つけることができます。特に、大腸がんやその前駆症である大腸ポリープのスクリーニング(ふるいわけ)検査として重要です。近年では、より精度が高い仮想内視鏡検査も注目されています。

便潜血反応はどのような検査か?
検査方法には以下の2種類があります。

化学的潜血反応
便に試験紙をつけて変色具合で判定します。しかし、肉や魚、緑黄色野菜などを食べると偽陽性(±)となりやすいため、検査前は食事内容に制限が指示されます。また、貧血治療用の鉄剤などによっても陽性の反応が出てしまいます。主に胃などの上部消化管の出血を調べるための検査です。

免疫学的潜血反応
ヘモグロビンに対する抗体を使用して潜血がないかどうかを調べます。食事制限はありませんが、胃や食道からの微量出血だと、陰性になるケースもあります。
この方法は、下部消化管の出血の検出に向いています。とくに大腸がんのスクリーニング(ふるいわけ)検査として広く用いられており、連続2日検査すれば、進行がんでは90%、早期がんでは50%が発見できるという報告があります。

異常があったらどうするか?
陽性のとなったときは、主に消化管の潰瘍やポリープ、がんからの出血を疑います。たとえば胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ポリープ、大腸ポリープ、胃がん、大腸がんなどです。ただし、しかし、消化管出血がなくても鼻血や歯茎の出血、痔などの影響で陽性となる場合もあります。

再検査をしてなお陽性となったときは、X線検査内視鏡検査などさらに詳しい検査を行なって、病気の位置や種類、程度などを確認しなければなりません。

異常な場合に疑われる病気
食道や胃の静脈瘤、食道がん、胃がん、胃潰瘍、大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室、直腸がん、痔、胆石、すい臓がん

注腸X線検査とは?

注腸X線検査とは、大腸(直腸・結腸)に造影剤を注入し、X線撮影をして詳しく調べる検査のことで、下部消化管X線検査ともいいます。大腸がんは早期に発見、治療すれば後は経過が良好なことが多いため、近年では症状がなくても、積極的に注腸X線検査が行われるようになりました。
便潜血反応が陽性の場合も、注腸X線検査か下部消化管内視鏡検査を行ないます。

注腸X線検査で何がわかるのか?
大腸がんの症状は、血便や便通異常、腹痛などです。とくに血便は重要で、肉眼で分かる血便や、便潜血反応で初めて分かる見えない血便まであります。これらの症状や便の変化で大腸がんが疑われた場合、はじめに行なわれるのがこの下部消化管X線検査です。大腸がんのほか、大腸ポリープ、クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸憩室などがこの検査で診断できます。

注腸X線検査はどのような検査か?
検査の数日前から食物繊維の少ない消化のよい食事にし、前日に下剤を飲んで、腸を空の状態にします。検査直前に、腸の動きを抑えて鮮明な画像を得るため、抗コリン薬を注射します。緑内障、前立腺肥大症、不整脈などがある人は、抗コリン薬で症状が悪化することがあるので、注意を要します。ほかの薬では腸の動きを止める効果が弱いので、こうした人はには、通常、内視鏡での検査が勧められます。

検査を行う際には、肛門から、まず造影剤のバリウムを注入し、次いで空気を注入して大腸を膨らませます。体位を変えてバリウムを腸壁全体に行き渡らせ、エックス線撮影を行います。撮影にかかる時間は、15分前後です。検査後には、再び下剤を飲んでバリウムの排出をう名が足増す。

検査当日は、下痢や白いバリウム便があり、腹部が張った感じが残りますが、心配はいりません。翌日になってもバリウム便がでなくて、お腹が張っているときは医師に相談してください。

検査結果の判定
バリウムはX線を通さないので、大腸は白っぽい像として写ります。大腸がんやポリープはバリウムをはじくので、黒っぽい影で分かります。大腸がんが進行すると腸の内腔が狭くなりリンゴの芯のような形(アップル・コアサインといいます)が見られます。憩室は腸壁に白い出っ張りとして写ります。

異常があったらどうするか?
内視鏡検査や、組織を採取して調べる生検などを行なって診断を下すことになります。それらの精密検査を受け、診断の結果によって立てられた利用方針に従って治療を進めます。

異常な場合に疑われる病気
大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸結核、大腸憩室など

下部消化管内視鏡検査とは?

肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜に生じた病変を直接観察する検査で、大腸内視鏡検査とも呼ばれています。同時に生検用の組織を採取したり、ポリープを切除したりすることもあります。
近年は、内視鏡を挿入せずに、CTで大腸を撮影し、画像を3D化する仮想内視鏡検査も登場しています。

大腸の内視鏡画像

下部消化管内視鏡検査で何がわかるのか?
調べられる範囲は、直腸から盲腸に至る大腸全体で、粘膜に生じた炎症や潰瘍、ポリープやがん、憩室などがわかります。見つかる主な病気は注腸X線検査と同様ですが、病変の形状や大きさだけでなく、表面の色や模様、出血の様子なども詳しく観察できます。
また、病変を見つけたら、生検のために組織を採取し、ポリープであればその場で切除(ポリペクトミー)できます。これが、内視鏡検査の最大のメリットといえます。

下部消化管内視鏡検査はどのような検査か?
通常、検査の前日までは普通に食事をし、当日、下剤として、腸から吸収されない電解質液を飲みます。腸の中を洗い流すようなもので、肛門から出てきる液が透明になってから検査を始めます。

検査を受けるときは、お尻の部分に穴の開いた専用の検査着に着替えます。内視鏡を入れる前の処置は、検査を行う施設によってさまざまで、腸の動きを抑える抗コリン薬の注射は、行う施設も行わない施設もあります。苦痛を防ぐ麻酔の仕方も、局所麻酔(ゼリー剤)を用いる施設もあれば、全身麻酔と潤滑剤を用いる施設もあります。

こうした前処置をしたうえで、内視鏡を肛門に挿入します。直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸の順に大腸の粘膜の具合を詳しく観察していきます。疑わしい場所は、生検のために組織を採取します。

検査結果の判定
大腸がんは、粘膜にこぶ状の膨らみがみられ、出血をともなう場合があります。進行すると内腔が狭くなってしまいます。ポリープの場合はいぼ状の茎のある突起がみられます。潰瘍性大腸炎は、粘膜に出血をともなう炎症が広がっていて、上皮のはがれたところに潰瘍がみられます。クローン病は大腸の粘膜に潰瘍が広がり、大腸壁に深い溝や穴がみられます。

異常があったらどうするか?
生検の結果、大腸がんがあることがわかれば、がんの大きさや広がりなどと合わせて検討し、治療方針が決められます。大腸ポリープはその場で切除することになりますが、繰り返し発生するので、年に一回は内視鏡検査を受けるようにします。
潰瘍性大腸炎やクローン病は、観察結果を参考にして治療方針が決められますので、それに従って治療を進めます。

異常な場合に疑われる病気
大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、アメーバ赤痢、大腸結核、細菌性腸炎、クローン病など

直腸診とは?

直腸診(直腸内触診、直腸指診ともいいます)とは、医師が肛門に指を挿入して調べる検査です。原始的に聞こえるかもしれませんが、比較的簡単に行うことができるうえ、がんなどの診断にも役立つ有用性の高いものです。直腸がんや直腸ポリープ、前立腺肥大、痔などの診断にも有効です。

直腸指診

病気の兆候を最初にとらえるためのスクリーニング(ふるい分け)検査として行われることも多く、この検査で異常認められた場合は注腸X線やCT、下部消化管内視鏡などを用いてさらに詳しく検査が行われます。

直腸診はどのような検査か?
診察台の上に横向きにひざを曲げて寝ます。口を軽く開き、肩の力を抜いて、排便するように軽くいきむと、肛門の筋肉が緩んで指が入りやすくなります。苦痛もほとんど無く、1〜2分で済みます。

検査結果の判定
指で探って、かたいものやふくらみにふれたら、大腸がんや大腸ポリープが疑われます。前立腺は大きくなっていたり、硬くなっていたり、凹凸があったら、前立腺肥大や前立腺がんの疑いがあります。

異常があったらどうするか?
内視鏡検査や組織検査を行なって診断を下し、治療の必要のあるものは治療を受けます。大腸ポリープは内視鏡検査と同時に摘除します。

異常な場合に疑われる病気
大腸がん、大腸ポリープ、前立腺肥大、前立腺がんなど


 
Copyright 2015 病院の検査の基礎知識 All Rights Reserved.