病院の検査の基礎知識

女性の病気の検査の一覧

専門性の高い仕事を持ち、中間管理職ポストに就く女性が増えるに比例して、職場や家庭で、さまざまなストレスを受けるようになりました。また、アルコール、喫煙する女性も増加するなど、今まで以上に健康管理が必要になってきています。

妊娠、出産に必要な女性のからだは繊細です

さらに出産年齢の高齢化、出産回数の減少など、ライフスタイルの変化も見逃せません。こうした生活環境やライフスタイルの変化は、女性のからだにも大きな影響を与えています。

たとえば、最近増えている女性の病気に、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がん、乳がんなどがありますが、これらの病気は生活環境やライフスタイルの変化が大きくかかわっていると考えられています。

働き盛りの30歳代は、ホルモンサイクルの「性成熟期」に入りますが、仕事と家庭の両立、人間関係などでストレスを抱え込みホルモンバランスを崩してしまう人は少なくありません。この年代は子宮筋腫や子宮内膜症などが起こりやすくなっています。

40歳代になると卵巣機能が低下し、エストロゲンが減少し始めるなど、ホルモンバランスの変化が本格化してきます。月経周期が乱れたり、のぼせやほてり、気分の落ち込み、イライラ感など心身に変調をきたしたりする人も出てきます。また、卵巣嚢腫、乳がんなどのリスクが上昇する年代でもあります。

この年代は検診も兼ねて、年1回くらいの頻度で婦人科を受診するのが望ましいとされています。男性に比べてかかりやすい甲状腺疾患など、隠れている病気の早期発見にもつながります。

マンモトーム生検とは?

細胞診やほかの検査で乳がんの診断がつかない場合、しこりの一部を取って、顕微鏡で確認する組織検査が欠かせません。穿刺吸引細胞診や切開生検によって、病巣の一部を採取するのが一般的ですが、触れただけではわかりにくい小さなしこりでは、的をはずしたり十分な量が採取できないという問題がありました。

マンモトーム生検

このため、検査を複数回繰り返さなければならなかったり、幸い良性だった場合でも、乳房に傷が残ったり、乳房が変形することもあったため、多くの女性は「がんの不安を払拭したいけど、胸に傷のはちょっと・・・」というジレンマを抱えることになっていました。

そこで登場したのがマンモトーム生検です。この方法では、マンモグラフィー(乳房X線撮影)や超音波画像で病変を確認しながら針を刺し入れ、針の側面にある吸引口で組織を採取します。
この吸引システムにより狙った病変部の組織だけを無理なく採取でき、また乳房内で針が360度回転するため、1回の穿刺で多数の組織が採取できます。

がんが乳管の中ににとどまっている非浸潤がんはマンモグラフィーでは白く粒状に写り(石灰化)ますが、それだけでは、良性のカルシウムが単に沈着したものと区別がつきません。
この石灰化のために切開生検を行なう女性が多かったのですが、実際、悪性なのは2割に過ぎませんでした。マンモトーム生検なら良性との判別が難しい非浸潤がんも、ほぼ確実な診断が可能です。

また、マンモトーム生検には、免疫組織染色をより正確に行なうことができるというもう一つのメリットがあります。乳がんの治療には、乳癌の性格を調べる必要があります。
ホルモン治療が効果あるかどうかを示すエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体を組織を用いて検査することができます。そのため、乳がんの診断が確実な病変でも、術前化学療法の治療方針のためにマンモトーム生検をすることもあります。

マンモトーム生検はどのように行なうのか?
マンモグラフィーガイド下におけるマンモトーム生検査の場合は、下に穴の空いたベッドにうつ伏せに寝て(医療機関によっては通常の椅子タイプのものもあります)、マンモグラフィーと同じように乳房を圧迫板で挟むようにします。画像を見ながら乳房に局所麻酔をし、直径3mm程の針で病変部を吸引しながら採取します。

組織を採取したら傷口を止血しテープで止めて終了となります。検査時間は30分〜1時間程と短時間です。また、切開生検に比べ傷口は4mm程度であり、縫合の必要もなく約1ヶ月で目立たなくなります。外来で行えますので、入院の必要は有りません。

乳がんは早期発見が大切です
乳がんは早期に発見、早期に治療した場合、完治する可能性がグッと高くなります。
月に一度は、乳がんの自己検診を行い、しこりなどの異常を感じたら、すぐに乳腺専門医のいる医療機関を受診するようにしましょう。

異常な場合に疑われる病気
乳がん

乳腺MRI検査とは?

乳腺MRI検査とは、強い磁力を発生するMRI装置を用いて、乳房の病巣を画像化し、診断する検査のことです。乳房にできた腫瘍と正常な乳腺組織とを鑑別できます。
MRI検査には、撮影条件を変えて画像のコントラストを調節でき、また、縦・横・斜めなど、任意の方向からの断層画像を得ることができるという利点があります。
手術後の乳腺の状態を調べるのにも有効で、定期的な検査としても行われています。

MRIでみる乳房の様子

乳腺MRI検査が行なわれるのは、主に次のような場合です。

  • 乳房触診で腫瘤(しこり)を触れないが、ほかの検査で乳がんを疑われた場合。
  • しこりを触れるが、マンモグラフィー超音波検査で、良悪性の判定が一致しない場合。
  • 乳がん(特に非浸潤がん)の広がりを見る場合。

乳腺MRI検査はどのように行なうのか?
身体からアクセサリー類などの金属物をはずして、乳房専用の金属コイルをあてて、ベッドの上で腹ばいの姿勢になります。胸部に強磁場超電動装置が自動的に動いてきて、撮影が行われます。

撮影方法には2種類あります。ひとつは、高速スピンエコー法という撮影法で、T1強調像(脂肪は白く、腫瘍は黒く写る)とT2強調像(脂肪は黒く、腫瘍は白く写る)を撮影した後、Gd-DTPAという造影剤を多く用いたダイナミック撮影を行ない、最後に造影後のT1強調像を撮影します。
もうひとつの方法は、最初から脂肪抑制(脂肪が強く写らないように調整)しながら、造影剤を用いてT1強調像を撮影します。

検査を受けるときの注意
MRIは強い磁気を利用する検査ですので、心臓ペースメーカーや心臓人工弁を入れている方や、動脈瘤の手術でクリッピングを行なった患者さんは、この検査を受けることはできません。
検査には時間を要しますが、身体が動くと画像の質が悪くなるので、静止した状態を保つようにしましょう。

検査結果の判定
乳腺MRI検査は、しこりが良性か悪性化の判定に用いられますが、確定診断には、がんの疑いがある部分の組織を採取して顕微鏡で調べる組織検査(マンモトーム生検)が必要となります。
乳がんの場合は、病巣がどこまで広がっているかを正確に診断できますので、乳房温存手術が可能かどうかの判断材料になります。

異常な場合に疑われる病気
乳がん、乳腺症など

乳腺超音波検査とは?

乳腺超音波検査(乳腺エコー)とは、乳腺用の超音波診断装置を用いて、しこり(腫瘤)が良性か悪性か調べる検査です。超音波がしこりの内部を通過するとき、乳房の線維部分では大きく吸収され、水分の多い部分では吸収されにくいので、その差によってしこりの陰影像が描き出されます。

良性の乳腺症やしこりのようなものから、乳がんまで、早期に発見することが出来ます。
また、最新の機器では乳腺組織の硬さを画像化(エラストグラフィー)することが可能ですので、指先の感覚で行っていた乳房触診を客観的に映像で確かめることが可能です。

右は従来の装置、左がエラストグラフィー搭載装置で撮影

乳腺超音波検査はマンモグラフィー(乳房X線検査)では分かりにくい、若年者の乳腺などには特に有効です。乳房を圧迫する必要がなく、痛みも全くありません。
また、超音波を使用しているためX線のような被爆はありません。したがって、妊娠中の方でも安心して検査を受けることができます。最近では女性の臨床検査技師も増えてきています。

乳腺超音波検査はどのように行なうのか?
服を脱いでベッドの上で仰向けになり、検査する側の腕を頭側に上げた状態になります。
超音波の伝導をよくするため、胸に温かいゼリー状の液体をぬります。超音波の発信機能と受信機能をもつ探触子(プローべ)を乳房にあて、横に滑らせ、また上方から下方へと滑らせて、反射してきた断層面のエコー(反射波)を、モニターに写し出します。検査時間はおよそ15分です。

検査結果の判定
しこりの形状、しこりの辺縁の状態、境界部分や内部、後方からのエコー、外側の陰影の程度、縦横の長さの比率(D/W比)、乳腺組織の比誰などを詳しく観察して、良性か悪性化の鑑別が行われます。超音波で発見された、触診で触れないしこりには、超音波ガイド下に吸引細胞診が行われます。

乳がんの中にはしこりを作らないがんもあります。また、小さなしこりは触診だけでは見落とされる可能性があります。できるだけ乳腺超音波検査またはマンモグラフィーを併用した精度の高い検診を受けましょう。

異常な場合に疑われる病気
乳がん、乳腺症、良性腫瘍など

マンモグラフィーとは?

マンモグラフィー(乳房X線検査)とは、乳房の触診でしこりや皮膚のひきつれ見つかった時に、がんかどうか調べるために行なう検査です。下の写真のように乳房を機械に挟むようにしてX線を撮影します。

乳がん検診では、これまで乳房の視触診が行なわれていましたが、これだけでは不十分であることがわかり、厚生労働省の指導によってマンモグラフィが徐々に普及してきています。
なお、乳がんは女性特有のがんだと思われていますが、男性も発症します(男女比率は1:99)。
男性でも乳がんが疑われた場合は、同じような撮影方法で検査を受けます。

検査機器の圧迫板で乳房を挟みます

マンモグラフィーで何がわかるのか?
腫瘍の有無、大きさや形、石灰化の有無がわかります。乳がんの約半数は石灰化しますが、石灰化したものは、触診では発見できない5mmくらいの小さいものでも発見できます。

マンモグラフィーはどのような検査か?
検査着に着替え、上半身裸になって乳房撮影装置の前に立ち、右の乳房を全体が写るように前に引っ張り、撮影装置の検査台にのせます。
乳房の厚みが4〜5cmになるように、乳房を圧迫筒で上下から圧迫します。そのため、痛みが伴いますが我慢しましょう。撮影時間は1秒もかからず、圧迫は数秒間だけです。次に、左の乳房も同じように撮影します。
正面象が終わったら、斜位の撮影をします。右の乳房のときは左上から乳房をを圧迫、左の乳房のときは右上から圧迫します。

すべての検査は数分間で終了し、X線の照射は2〜3秒で体に影響はありません。ときに、側面の撮影をすることもあります。マンモグラフィーは左右の比較がとても重要で、必ず両側の乳房を撮影します。授乳中でも検査する事ができ、妊娠中は腰にプロテクターをして撮影をします。

検査を受けるときの注意点
乳房を圧迫するときには、多少の痛みをともないます。検査自体は10分程度かかりますが、乳房を圧迫している時間は数秒から10秒くらいです。
痛みを感じる程度は人によって異なりますが、生理前1週間は乳房が張って痛みを感じやすいので避けたほうがよいこともあります。

乳房を撮影する検査ですので気になる女性も多いかと思いますが、最近では、女性の検査技師も増えてきて、ケアが充実している病院もありますので、近隣の医療施設の情報をインターネットなどで集めてみてください。

マンモグラフィーの撮影および読影は、検査機器の性能や医師の技量に左右されます。
マンモグラフィ検診制度管理中央委員会の認定を受けている医療施設や医師を選ぶのも目安となります。

異常があったらどうするか?
乳腺超音波検査、CT検査などの画像検査を行なうとともに、しこりの一部を採取して組織検査(マンモトーム生検)を行ない、診断を下します。

乳房のチェックはマンモグラフィだけでなく、月1回程度、自宅で乳がんの自己検診を行なうも大切です。小さなしこりも比較的発見しやすくなっています。自己チェックを習慣づけて早期発見につなげましょう。

異常な場合に疑われる病気
乳がん、乳腺線維腺腫(良性腫瘍)、乳腺症

乳がんの自己検診法

女性のがんの中でも乳がんは、近年増加の傾向にあります。20歳代の女性でもかかることが珍しくないのですが、注意して早期に発見し、適切な治療を行ないさえすれば完治します。
乳がんの予防は難しいとしても、主な症状である乳房のしこりを早期に発見するためには、自己検診を定期的に行なうことが重要です。

定期的なセルフチェックが大切です

ほとんどのがんは身体の内部(内臓)に発生するので、自分で調べる術はありませんが、幸いなことに乳房は身体の表面にあって、いつでも自分の手と目で調べることができます。
乳がんの早期発見の機会を逃さないようにしましょう。

乳がんの自己検診法

  • 両腕を下げたまま、鏡に乳房を映して、乳房の形や乳頭の状態、皮膚の状態をよく観察します。
  • 両腕を挙げて、乳房を正面、側面、斜めから鏡に映して観察します。
    チェックするポイントは 1)くぼみやひきつれはないか? 2)乳頭がへこんだり、湿疹のようなただれはないか? です。
  • まず、右の乳房を調べます。仰向けに寝て、右肩の下に薄い枕を敷きます。
    右腕を頭の方に上げ、左手指の腹で乳房の内側を中心に丁寧に触ります。
  • 次に右腕を自然に下げて、乳房の外側を中心に同じように、左手指の腹で触ります。
    最後に、脇の下に手を入れ、しこりの有無を調べます。左の乳房も3,4と同じように行ないます。
  • 左右の乳頭を軽くつまみ、血液の混ざった分泌物が出ないかを調べます。

乳がんの自己検診ではしこり、ひきつれ、色、乳頭からの異常分泌などをチェックします。しこりはかたいものあれば、やわらかいものもあります。また、痛みがあったり無かったり、その状態はさまざまです。しこりがあるとき、いつもと違った手触りや痛みがあるときには、医療機関を受診しましょう。

乳がんが疑われるときは、まず触診を行ない、次にマンモグラフィー(乳房X線検査)や乳腺超音波検査乳腺MRI検査などを行ないます。最終的には、組織片を採取して調べる組織診断や細胞診断によって、病気を確定します。

このように、乳がんの自己検診は自宅で気軽に行なうことができますので、月に1回くらいのペースで続けましょう。生理前や生理中は胸が張ったり痛みを感じることがあるので、生理が終わった5〜7日後くらいに調べるようにするとよいでしょう。
また、乳がんの罹患率が上昇する30歳代になったら、定期的な乳がん検診を積極的に受けることが大切です。

乳房触診とは?

検診や人間ドックでは、乳房触診は主に乳がん発見の目的で行われます。
この検査に限らず、女性の病気の検査はどうしても「恥ずかしい」というイメージが先行してしまいますが、1回受けてしまえば「なんだ、こんなものか」という感じです。

乳腺専門外来で必ず行われます

乳房触診で何がわかるのか?
実際に指で触ってみることにより、乳房にしこり(腫瘤)がないか、大きさ、形状、硬さ、辺縁や表面の性状、圧痛の有無、乳頭分泌、へこみやひきつれなど、視診ではわからないさまざまな乳房の状態を調べることができます。

乳房触診はどのように行なうのか?
乳房の視診と併せて行われます。まず上半身の衣服を脱いだ状態で椅子に座り、視診が行われます。乳房のひきつれや腫れ、赤み、ただれ、乳頭のへこみが無いかを目で確かめます。

つぎに、座ったままか、ベッドで仰向けに寝た状態で、触診が行われます。
腕を上げた状態と下げた状態で、まんべんなく乳房に触れて、しこりの有無や様子をチェックします。脇の下や鎖骨上のリンパ節も調べます。

検査結果の判定
しこりの触れる病気には乳がん、乳腺症、線維腺種があります。乳がんのしこりは硬く、辺縁の形は不規則で凹凸状をしており、ひきつれやえくぼ症状がみられることもあります。
乳腺症では、境界のはっきりしない、円盤状の硬いしこりで弾性があります。線維腺種は、球状で位置が動きやすい性質があります。

異常があったらどうするか?
乳がんを触診だけで診断するのは、専門医でも困難です。乳がんが疑われたら、マンモグラフィー乳腺超音波検査乳腺MRI、細胞診、マンモトーム生検などの精密検査が必要になります。
なお、検診や人間ドックで発見されるより、乳がんの自己検診などを行なって異常を感じて外来受診し、発見されるケースが大きな比率を占めています。

婦人科細胞診とは?

婦人科細胞診は、一般的な健康診断で実施されることはありませんが婦人科検診やレディースドックなどでは、必ず実施される項目です。そもそも、細胞診とは、体内に病変部が見つかった場合、その細胞が悪性か両性化を見分けるために行なわれる検査で、病変部の一部や細胞を採取して、この細胞を染色して正常なものと比較することによって診断を行なう検査のことです。

子宮がんは早期発見・治療が大切です

婦人科における細胞診は、子宮膣部のびらん面やその周囲の細胞を綿棒やスパーテル(木へら)で擦り取り、これをガラス板に塗布して、パパニコロウ染色と呼ばれる専用の染色(各細胞に色を付けて見やすくします)を行なって顕微鏡で観察します。細胞診は痛みは全くなく、数秒で終わります。

また近年、増加傾向にある子宮体がんの細胞診では、子宮の内部へ届く専用の細長い器具を入れて細胞を採取します。子宮頸部の管状部分が狭い方(未産婦の方、閉経後の方など)の場合は、器具を挿入する際に多少痛みを感じることもあります。そのあとの染色などは子宮頚部の細胞診と同様です。

検査を受けるときの注意
月経時に検査を行なっても、細胞の採取がきちんと行なわれていれば良性・悪性の判定はつきますが、出血が多い場合は、細胞の採取そのものが上手くいかないことが多くなります。
また赤血球に紛れて疑わしい細胞が隠れてしまうこともあり、異型細胞を採取し損ねる可能性も出てきますので、月経が終わった後に検査を受けるとよいでしょう。

検査結果の判定
細胞診の結果は日本では下記のようなTからXまでの数字で分類されています。

  • T…正常です。
  • U…異常細胞を認めるが良性です。
  • V…悪性を疑うが断定できない段階です。
  • Va…悪性を少し疑います。軽度・中等度異形成を想定します。このクラスから5%程度にがんが検出されます。
  • Vb…悪性をかなり疑います。高度異形成を想定します。このクラスから50%程度にがんが検出されます。
  • W…きわめて強く悪性を疑います。上皮内がんを想定します。
  • X…悪性です。浸潤癌(微小浸潤癌を含む)を想定します。

異常があったらどうするか?
子宮頸部の細胞診でVa〜bの場合は、コルポスコープ診(膣拡大鏡検査)を行い、子宮頸部異常病変の存在部位や異常の程度を把握し、前がん状態やがんと思われる部位の一部を採取する生検(バイオプシー)を行なって確定診断をつけます。
がんの場合は、進行期を判断したり、生殖器以外に転移していないかを調べるために内診直腸診、超音波検査、CTやMRIなどの画像検査、膀胱鏡検査、大腸鏡検査などを行ないます。

一方、子宮体部の細胞診でVa〜bの場合は、子宮内膜組織診という生検をおこないます。
最近では診断のために経膣超音波検査を行ない、内膜が厚い場合には子宮体がんを疑います。
超音波検査は痛みなどは全くなく、内膜細胞診の器具が入らない、子宮口が閉鎖した閉経後の患者さんの場合に特に有用です。
また、子宮の奧を詳しく調べるため、子宮鏡(ヒテロスコープ)を用いて、病変やその広がりを観察する場合もあります。

近年では、子宮がんの治癒率が非常に良好になってきており、Va〜bの段階(上記の細胞診の判定基準です。がんの進行ステージではありません)で発見できれば、ほとんどは治癒できます。
一方では難治性の進行がんも依然として存在しますので、罹患率が上昇する30歳以降は年に一度は子宮がん検診を受けるようにしましょう。

異常な場合に疑われる病気
子宮体がん、子宮頸がん、子宮内膜症、子宮筋腫など

内診とは?

内診とは産婦人科で行なわれる最も基本的な検査です。
指を膣内に挿入して、子宮や卵巣などの状態を調べます。一般的には、内診台という専用の診察台に乗って診察を受けますが、普通のベッドでおこなう所も一部ではあります。
検査の性質上、内診を恥ずかしいと思う女性が多いですが、超音波検査ではわかりにくい子宮口や子宮内のトラブルを発見できる重要な検査ですので、ご自身そして赤ちゃんのためにも頑張って受診しましょう。

イメージ図

内診で何がわかるのか?
妊娠の診断(子宮〜正常妊娠の診断、流産兆候の有無)が行なわれるほか、さらに子宮自体の大きさ、前屈・後屈、左右の向き、形、かたさを調べます。子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵巣がんの発見にも役立ちます。

内診はどのような検査か?
下ばきを脱いでから、婦人科の内診台にぼります。内診台と診察の医師との間はカーテンで仕切られている病院が多く、医師と直接目が合わないようになっていますので心配はいりません。

まず、外陰部に炎症や感染症などがないか視診します。
次に膣鏡という器械を膣へ挿入し、軽く広げた状態で膣や子宮の入り口などを直接見て診察します。おりものの検査や子宮がん検診などが必要ならこのとき同時に行なわれます。

そして、片方の手の指を膣に挿入し、反対の手で腹部を押しながら子宮、卵巣を調べます。
妊娠の極初期、初診時はおなかの上からの超音波では胎嚢や胎芽が確認できないことが多いので、内診時に経膣プローブという棒状の超音波の器械を挿入し、子宮の中を診ます。

検査を受けるときの注意
下ばきの着脱の簡単な服装で受診します。ゆったりとしたスカートが便利です。
緊張したり、力みがあると痛みを感じることがありますので、診察のときには、リラックスして体を力を抜きましょう。

検査結果の判定
膣に挿入した指に触れる子宮や卵巣の大きさや、かたさなどを診断します。

異常があったらどうするか?
妊娠しているかどうかについては、妊娠反応検査超音波検査などで診断します。
そのほかの病気の場合は、超音波検査、CT検査、血液検査などの検査を行ないます。

異常な場合に疑われる病気
胞状奇胎、子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵巣がんなど


 
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