病院の検査の基礎知識

医療機関や健診・人間ドックの項目(全231種類)を解説しています

職場や学校、地域の保健所などで年に1回実施される健診(健康診断)は、特定の病気を念頭に実施されるものではなく、受診者が健康かどうか、あるいは将来の病気の危険因子(血圧や血糖値の数値が高いなど)があるかどうかを把握することが目的です。よく混同されますが、特定の病気の早期発見を目的に行われる「検診」とはこの点で大きく異なります。

健康保険加入者は年1回の健診受診

検査項目
健診では、血圧測定心電図胸部エックス線検査、血液一般(赤血球数白血球数ヘモグロビンほか)、脂質(LDLコレステロール中性脂肪ほか)、血糖(空腹時血糖値HbA1c)、肝機能(GOTとGPT=ASTとALT、γ-GTPほか)、腎機能(尿素窒素クレアチニンほか)など多岐にわたる項目を調べます。

健診を定期的に受診するメリットには主に以下の3つがあります。

生活習慣病のリスクがわかる
血圧、血糖、中性脂肪、コレステロールなどの数値は余程数値が上昇しない限り、自覚症状はありません。健診を定期的に受けていれば、基準値と自身の数値を比較することで生活習慣病、動脈硬化のリスクを把握でき、予防に向けた生活習慣の改善のきっかけになります。予防管理に健診データを活かすことができれば、将来の医療費の軽減にもなりますね。

がんへのフォローもある
健診は生活習慣病の危険因子を調べる項目が中心ですが、胸部レントゲン撮影(肺がん)、便潜血反応(大腸がん)と最低限ではあるものの、がんに対するフォローもなされています。(企業・自治体によっては胃がんと関係の深いピロリ菌の検査も)

定期的な受診で体の変化がわかる
1年に1回健診を受けることで、3年→5年→10年と過去の検査数値の経年変化を把握することができます。自分の体の変化を知ることで生活習慣の改善(食事の減塩、運動不足の解消など)のモチベーションにもなります。

数値が少し異常だからといって、すぐに大病院に行って精密検査を受ける必要はありません。まずは近所のクリニックのかかりつけ医に相談しましょう。とくに企業の健診では異常値があれば医師(産業医)が面接をすることになっているので、個別の指導を受けるようにしましょう。

腹囲はメタボの基準の一つ

上記の一般健診とは別に40〜74歳の健康保険加入者を対象として導入されたのが、メタボリックシンドロームを発見するために行われる特定健診です。内臓脂肪のつきすぎで血圧や血糖値が異常値になる状態がいわゆる「メタボ」ですが、メタボを放置していると心臓病や脳卒中などの危険因子となります。

特定健診の検査項目は体重や血糖値、内臓脂肪、血圧に重点が置かれており、異常値の場合は日常生活の改善をアドバイスする特定保健指導によって糖尿病、高血圧、脂質異常症の予防と改善に繋げます。

健康保険が適用されるこれらの健康診断と異なり、人間ドックは気になる病気を対象に全額自己負担で任意で受ける検査です。その分、サービスや専門化が進んでいて施設ごとに特色があります。

MRIやMRAなどの画像診断で小さな脳梗塞や脳動脈瘤を発見する「脳ドック」、運動負荷心電図、心エコー、心臓CTなどで不整脈や心筋梗塞、狭心症を調べる「心臓ドック」、乳がんや子宮がんなど女性特有の疾患を調べる「レディースドック」など様々なコースがあります。

微細な脳の異常の早期発見を可能にした頭部の画像診断(MRI・MRA)

従来の人間ドックでは、心臓、肺、胃、肝臓といった腹部を中心とした臓器の病気の早期発見を目的として検査が行われてきましたが、脳卒中の危険因子である生活習慣病の患者が大きく増加したこと、社会の高齢化により認知症が重大な病気と捉えられるようになったことにより、脳の検査の重要性が指摘されだしたのです。

各種画像検査で脳を多角的に診断します

CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などの画像診断装置の進歩により、これまで何の症状もなかった人、あるいは従来の画像精度では発見できなかった小さな梗塞や動脈瘤を発見できるようになりました。

脳血管や脳の異常が大事に至る前に早期に発見する目的で近年、受診者が増えているのが、「脳ドック」です。脳ドックではクモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤や、症状が出ない小さな脳梗塞、脳血管や頚動脈の狭窄・閉塞などを見つけることができます。

検査項目は医療機関や用意されているコースによって様々です。基本的には、MRI、MRA、頚部エコー(超音波)の画像診断に、血液検査(貧血の有無や脳卒中の発症リスクに関係する糖や脂肪など)、尿検査、心電図を組み合わせたものです。

脳ドックは日帰りですので、自分の脳の状態を比較的簡単に知ることができる貴重な機会といえます。糖尿病や高血圧、脂質異常症、喫煙歴がある、あるいは脳卒中の家族歴があるなどが該当する40歳以上の人に受診が勧められます。

  • 頭部MRI…磁気共鳴による頭部の断層撮影。閉塞感のないオープン型も登場。
  • 頭部MRA…磁気共鳴を利用して脳の血管を立体画像化する検査。小さな動脈瘤も発見。
  • 頭部CT…X線で頭蓋内の断層写真を撮影。脳出血、くも膜下出血の診断に不可欠。
  • 頸動脈エコー…頸動脈に超音波をあてて、動脈硬化のリスクや程度を視覚的に診断。

呼吸器の疾患は胸部エックス線撮影、喀痰検査などで調べます

呼吸器の検査の中心となるのは、肺炎や気管支炎など肺の病気が疑われるとき、あるいは肺がん検診で実施される「胸部X線検査(レントゲン)」、痰を採取して顕微鏡で細胞を調べる「喀痰検査」です。

肺のレントゲンと読影医

喫煙者に多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断には、胸部レントゲン、胸部CTによる画像診断をはじめ、パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2:肺の酸素を血液中にどれだけ取り込んでいるか)の測定、動脈血分析(動脈血液中のCO2:二酸化炭素を測る)、スパイロメーターによる「肺機能検査」が行われます。(日本呼吸器学会のガイドラインより)

いずれも体への負担が少ない検査ですので、喫煙年数が長い、息切れする、咳が長引く、血の混じった痰が出るなどに該当する方は呼吸器科でしっかり調べてもらいましょう。

喘息は肺機能検査で「1秒率(気管支の狭窄がわかる)」を調べたり、聴診で「ウィージング」と呼ばれる特徴的な呼吸音を聴くことで診断がつきます。またダニ、カビ、ホコリ、ペット等へのアレルギー反応の検査として採血でIgE抗体を診ることもあります。

細菌やウイルスによる肺炎などの肺の感染症が疑われる場合には、胸部X線に加えて血液検査で"炎症マーカー"と呼ばれるCRP(C反応性タンパク)を測定し、白血球数も調べます。最終的には先述の喀痰検査で原因菌を突き止めることになります。

  • 肺がん検診…胸部レントゲン撮影と、喫煙歴の長い方は痰の検査を追加。
  • 胸部X線検査…呼吸器系疾患の診断の基本となるレントゲン撮影。
  • 胸部CT検査…CTはX線を利用した断層撮影。複数の臓器が重なる胸部で威力を発揮。
  • 肺機能検査…測定器(スパイロメーター)を使用して肺の呼吸能力を判定する検査。
  • 酸素飽和度検査(SpO2)…指先に着けた機械で酸素を体内に取り込む力を数値化。
  • 喀痰検査…痰を顕微鏡で観察して細胞の異常や、細菌の有無を調べる。

循環器:心臓の状態を調べる項目と動脈硬化リスクを把握する項目がズラリ

主な心臓の疾患には、不整脈(脈のリズムが乱れる)、狭心症(胸痛や動悸:冠状動脈の血液が一時的に不足して起こる)、心筋梗塞(心臓を養う冠状動脈の血流が途絶える)があります。これらの診断に有用なのが、心臓が発する電気信号を記録して、波形として表示する「心電図」検査です。通常の心電図のほかにも、「負荷心電図」や「ホルター心電図」があります。

心電図検査は基本

「負荷心電図」は、運動しながら心電図を測定する方法で、「ホルター心電図」は携帯型の検査装置を24時間装着して心電図を測定する方法です。不整脈や狭心症は安静時に心電図をとっても正常で、運動をしている時や睡眠中、入浴中に発作が現れることがあります。それらの所見を捉えるためには、通常の心電図ではなく、特殊な心電図が必要となるのです。

心電図の波形に異常が見られた場合には、超音波で心臓の動きを観察する心エコーや、血管内をレントゲン撮影する心臓カテーテル検査、血液検査(CK:クレアチンキナーゼ)などが実施されます。

放置すると動脈硬化を起こすリスクがある高血圧の診断に欠かせないのが、健診の必須項目である血圧の測定です。最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上で高血圧症と診断されます(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)。

動脈硬化のリスク判定や状態の把握には、下肢動脈&頸動脈エコーを実施します。血液検査では中性脂肪、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)の3つの項目の数値に注目します。中性脂肪の数値が150以上、LDLコレステロールが140以上、HDLコレステロールが40未満のいずれかに該当すると脂質異常症と診断されます。(日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインより)

  • 血圧測定…収縮期血圧が140以上、拡張期血圧が90以上は高血圧(ガイドライン)。
  • 心電図検査…心臓の働きを波形として記録することで心臓の状態を把握。
  • 負荷心電図…心臓に運動負荷をかけて安静時に記録されなかった変化を捉える。
  • ホルター心電図…携帯用の小型心電計を1日装着して心臓の変化を心電図に記録。
  • LDLコレステロール…増えすぎると血管壁に蓄積して動脈硬化に繋がる「悪玉」。
  • HDLコレステロール…余剰なコレステロールを回収して肝臓に運搬する「善玉」。
  • 中性脂肪(TG)…中性脂肪の供給過剰は心臓や肝臓の機能低下の原因に。

消化器:上部消化管X線(バリウム)と内視鏡を中心に胃・大腸を調べます

胃がんは、がん検診で行われるX線造影検査(バリウム検査)もしくは内視鏡検査(胃カメラ)で早期発見されるケースがとても多くなっています。2016年に「厚生労働省による指針改定」があり、内視鏡検査を検診の選択肢として選べるようになったため、受診者の負担が軽減(バリウム→要精密検査→内視鏡という"二度手間"を回避)されました。

胃、十二指腸、小腸、大腸

近年はピロリ菌と胃がんに強い因果関係があることがわかっており、胃・十二指腸潰瘍の再発を繰り返す方には、内視鏡検査の際に粘膜の細胞を採取してピロリ菌の有無を調べます(迅速ウレアーゼ試験)。ピロリ菌の検査方法には、採血、検便、採尿、呼気(尿素呼気試験)などのタイプもあります。

大腸がんは国内で罹患数が最も多いがんですが、自治体の大腸がん検診で実施される便潜血検査(便を採取して血が混じっていないかを調べる)で"ふるいわけ"を行い、陽性反応が出た方に大腸内視鏡検査を実施することで早期発見が可能です。

便潜血検査は負担のない簡単な検査ですので、40歳を過ぎたら積極的に大腸がん検診を受けるようにしましょう。

  • 胃がん検診…バリウム検査と内視鏡検査の選択が可能となり受診者の負担が軽減。
  • 上部消化管X線(バリウム検査)…バリウム剤を飲んで食道・胃・十二指腸をX線撮影。
  • 上部消化管内視鏡(胃カメラ)…ファイバースコープで粘膜の凹凸や病変を直接観察。
  • ピロリ菌検査…胃がんに関与するピロリ菌の有無を細胞採取、採血、採尿で検査。
  • 大腸がん検診…↓の便潜血反応で陽性なら内視鏡検査orバリウム検査を実施。
  • 便潜血反応…2日間の便を採取して肉眼では判別できない微量の出血を捉える。
  • 注腸X線検査(大腸バリウム)…肛門から造影剤を注入し大腸をX線撮影。
  • 大腸内視鏡検査…スコープを肛門から挿入してポリープや炎症等を観察。処置も可能。

肝臓:GOT、GPT(AST、ALT)とγ-GTPで肝機能の低下を早期にキャッチ

肝臓は自己再生力が強く、また痛みを感じる神経が存在しないため、肝炎や脂肪肝などで機能が障害されても初期の頃は症状が現れません。そのため「沈黙の臓器」と呼ばれています。つまり自覚症状が出た時には病態が進行していると言えます。

アルコールは肝臓の大敵

肝機能障害と聞くとアルコール性肝炎を連想する方も多いと思いますが、近年は食生活の乱れや運動不足が原因で発症する脂肪肝(NAFLD:非アルコール性脂肪性肝疾患)も増加傾向にあり、患者数は国内で1,000万人以上いると推定(数値は日本消化器病学会のガイドラインより)されています。したがって非飲酒者の方も油断は禁物です

肝機能の多くは下のリンク先で紹介しているAST(GOT)やALT(GPT)などの血液中の酵素を測定することで診断がつきます。AST(GOT)とALT(GPT)は健康な人の血液中には存在せず、肝臓の細胞が破壊されて初めて血液中に流れ込みます。

言い換えると、健康診断などの検査でAST(GOT)とALT(GPT)の数値が高いということは、肝機能が障害されていることを示しているわけです。

そのほかγ-GTP、ALP(アルカリホスファーゼ)などが胆道系の酵素として知られていますが、γ-GTPはアルコールに敏感に反応するため、アルコール性の肝炎の早期発見に欠かせません。γ-GTPの検査数値が100以上の方は禁酒もしくは節酒が必須です。

これらの血液検査と併せてエコー(超音波)検査を実施することで、より正確な肝機能の把握が可能です。診断内容により肝炎ウイルス検査(HCV抗体とHBs抗原)や腹部CTなどが実施されることもあります。

  • GOT、GPT(AST、ALT)…肝臓に多い酵素が血液中に増加→肝細胞の破壊を示唆。
  • γ-GTP…肝臓や胆道に異常があると数値が上昇。アルコール性の肝障害に敏感に反応。
  • LAP(ロイシンアミノペプチノーゼ)…肝臓や胆道の通過障害で数値が上昇。
  • ALP(アルカリフォスターゼ)…主に肝臓と胆道の障害を調べる酵素。
  • A/G比…アルブミン(A)とグロブリンの総量(G)の比率を調べて肝機能等を調べる。
  • 腹部超音波検査(腹部エコー)…超音波の反射波で肝臓、胆嚢、膵臓の様子を画像化。

尿には腎臓の機能を診断するための手掛かりが詰っています

血流によって体の隅々から運ばれてきた老廃物や余分な水分は、腎臓にある糸球体で濾過されたり、尿細管で再吸収されたりして、最後に尿という形で体外に排出されます。尿は、腎臓→尿管→膀胱→尿道という経路を通って体外に排出されるので、そのどこかに炎症などが存在すれば尿を観察することで把握できます。尿の検査は、有意義かつ手軽で痛みもないため、理想の検査といえます。

腎臓と尿路の機能

尿の検査で腎臓や泌尿器の疾患に直接関係するのは、「尿比重」、「尿蛋白」、「尿潜血」、「尿沈査」です。

腎臓は尿を濃くしたり、逆に薄くしたりして体外に排出することで体内の水分バランスを最適に保っていますが、この腎臓の尿濃縮力を調べる検査が「尿比重」です。「尿蛋白」は、腎臓の機能障害で尿中に漏れ出る蛋白を調べる検査です。尿に試験紙(テステープ)を浸すだけで結果がその場でわかり、腎機能を調べるうえで欠かせない存在です。

「尿潜血」は、尿の中にある赤血球やヘモグロビンの濃度を測り、肉眼では把握できない出血の有無を確認する検査です。「尿沈渣:にょうちんさ」は、採取した尿を遠心分離器にかけて、沈んだ部分を顕微鏡で観察することで、腎臓や尿路の結石や炎症の有無を調べます。

血液検査で腎機能を調べる項目としては「尿素窒素(BUN)」と「クレアチニン(Cr)」などがあります。また慢性腎臓病(CKD)の早期発見を目的として、クレアチニンの数値、年齢、性別の3つを組み合わせて腎機能を数値化して評価する「eGFR(推算糸球体濾過量)」という検査も注目されています。(計算式は日本腎臓病薬物療法学会を参照)

尿は、腎臓から尿管、膀胱、尿道へと流れますが、その過程で尿酸やコレステロールが固まって石を形成することがあります(尿路結石)。最近は尿潜血反応ではなく、腎臓のエコー(超音波)検査や膀胱鏡による観察で結石の有無がわかります。

  • 尿比重…水分バランスを調節する腎臓の尿濃縮・希釈能力を調べる。
  • 尿蛋白…尿中に蛋白が漏れ出る→腎臓からのSOSサイン。
  • 尿潜血…検査結果「陽性」は腎臓や尿管、膀胱に異常がある可能性。
  • 尿沈査…尿を遠心分離器にかけて、沈殿した組織細胞や細菌を調べる検査。
  • 尿素窒素(BUN)…腎機能の低下で血液中に増加する老廃物。
  • クレアチニン(Cr)…↑の尿素窒素とセットで健診の「肝機能検査」を構成。

インスリンの作用低下で起きる糖尿病は血糖値の管理が不可欠です

血液中のブドウ糖は、体の細胞を活動に欠かせないエネルギー源ですが、量が増えすぎると高血圧や動脈硬化を引き起こしたり、進行すると全身に合併症が現れます。血液中のブドウ糖の濃度を「血糖値」といい、膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンによってコントロールされています。

血糖値を意識した食生活

インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーに変える働きがあるため、インスリンの分泌量が低下したり、上手く機能しなくなると血糖値が慢性的に上昇してしまうのです。これが今や「国民病」と言われる糖尿病で、国内の患者数は1,000万人を超えました(数値は日本生活習慣病予防協会より)。主な原因は脂肪と糖質の摂りすぎ、運動不足です。

糖尿病を診断する際に測定するのは、「空腹時血糖値」や「ブドウ糖負荷後2時間血糖値」、さらに1〜2ヶ月の血糖コントロールの状態を調べる「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」などです。これらによって医師の確定診断がついた場合、糖尿病の状態や合併症の有無を調べるために、「眼底検査」、「尿タンパク」、「血圧測定」、「心電図」などの検査を実施し、これらの結果を基に医師は治療方針を決定します。

  • 尿糖…試験紙を用いて尿に含まれる糖分を調べて糖尿病のリスクを判定。
  • 空腹時血糖値…空腹時に採血して血糖を測定。糖尿病の診断と経過観察の基本です。
  • ブドウ糖負荷試験(OGTT)…ブドウ糖水溶液を飲んで血糖値の時間的変化を見ます。
  • グリコヘモグロビン…過去1ヶ月〜の血糖管理が上手くできているかどうかの検査。

採血をして血液を調べることで全身の組織や臓器の状態を把握できます

私たちの体の中を流れる血液は「赤血球」「白血球」「血小板」「血漿」から構成され、体重の約8%を占めています。血液には体の細胞に酸素と栄養(脂肪、糖分、ミネラル、ビタミンなど)を送り届け、二酸化炭素や老廃物を運び去るという"運搬機能"を持つと同時に、体に侵入してきた細菌やウイルスを撃退するという"免疫機能"も担っています。

血液を採取して調べます

血液は全身を駆けめぐっているため、どこかの組織や臓器に炎症や感染症、出血等の目に見えない異常が表れた場合も血液を調べればその兆候は数値として反映されます。

上記の4つの構成要素の数値を見ることで血液そのものの病気(貧血、白血病、血友病ほか)もわかります。例えば、赤血球の数値が低い(=赤血球の数が少ない)場合は、鉄欠乏性貧血などの貧血が疑われます。血液検査は有用性が高く、採血をするだけの簡単な検査ですので健診や人間ドックでは必ず行われます。

  • 赤血球数(RBC)…酸素の運搬役である赤血球数の数値が低いと貧血の可能性。
  • ヘモグロビン量(Hb)…通称「血色素」。貧血の種類の判別に有用。
  • ヘマトクリット(Ht)…赤血球数とヘモグロビン量とあわせて貧血を診断する指標。
  • 白血球数(WBC)…外敵の侵入を防ぐ白血球数が多い→どこかに炎症などの可能性。
  • 血小板数(PLT)…止血作用を担う血小板は数が少なくても、多くても問題。

 
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